【調査結果】
総務省「通信利用動向調査」発表
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世帯、事業所および企業でのインターネット普及率グラフ(総務省 平成14年通信利用動向調査より) |
これは平成2年より毎年行なっている調査で、世帯・世帯構成員、事業所および企業における電気通信・放送サービスの利用実態を把握する目的で実施している。世帯調査、事業所調査(従業員規模5人以上)、企業調査(従業員規模100人以上)の3つの調査からなり、うち世帯調査では、全国の20歳以上の世帯主のいる世帯およびその構成員3,673世帯(構成員は1万2,175人)からの回答をまとめている。
主な結果を取り上げると、まずインターネット利用者数は、前年比1,349万人増の6,942万人となり、人口普及率では54.5%(前年44.0%)となり、初めて50%を突破した。またインターネットの世帯普及率は、前年の60.5%から大幅に増加し、81.4%となった。世帯におけるブロードバンド接続の利用率も急増し、前年の14.9%から29.6%へ成長した。さらに、ISDN常時接続形態を含めると、2002年末で44.3%の世帯が常時接続回線を利用している結果となった。
ただ、年代や居住地、収入などに起因したデジタルディバイドも依然として存在している。10代、20代、30代はいずれもインターネット利用率が85%を超えるが、65歳以上では9.9%に留まること、政令指定都市・特別区の住民の利用率67.8%に比べ、町村部は53.8%である点などが、その一端を示している。
インターネット利用者が増える一方で、利用時に感じる不安や不満も増大している。「個人のインターネット利用における不安・不満、被害状況」という項目では、最も不安・不満に感じているのはプライバシー保護(54.1%)で、以下ウイルスの感染(41.4%)、電子決済手段の信頼性(27.3%)、通信料金が高価(25.8%)、違法・有害情報が氾濫(21.0%)となった。またパソコンからのインターネット利用者のうち、ウイルス感染や不正行為などの被害にあった人は28.8%で、ウイルス発見・感染が20.7%、迷惑メールが15.5%、不正アクセスが2.1%という。反面、ウイルスや不正行為への対策では、31.4%がウイルスチェックソフトを導入しているものの、何も行なっていない人も33.6%に上った。
なお総務省では、総務省統計局統計センターで「家計消費状況調査(IT関連項目)」も行なっており、2月に発表された同調査の平成14年10~12月末の結果では、インターネットを利用できる機器を保有している世帯の割合が50.3%、インターネットを利用した世帯員は39.5%との数値を発表している。世帯の割合で見た場合、今回の世帯普及率81.4%と比べて約30%の開きがあるわけだが、同省は「『家計消費状況調査』はあくまで家計ベース、機器保有ベースのもの。今回の調査では世帯構成員が一人でも利用していれば世帯普及率の対象となるほか、インターネットカフェや職場など自宅以外で利用する、いわば利用ベースの部分も対象としている。このため数値に違いが出るのではないか」としている。
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(2003/3/10)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]