【裁判】
ポップアップウインドウ広告は違法? 独地裁判決
■URL
http://www.netlaw.de/urteile/LG%20Duesseldorf,%20Urt.%20v.%2026.03.03,%202a%20O%20186-02%20-%20Exit-PopUp-Fenster.pdf (独語)
独デュッセルドルフ地方裁判所は3月26日の「2a O 186/02判決」において、いわゆるポップアップウインドウ型の広告に違法性を認定、広告手段として許容されるべきでないと判示した。
この裁判の主題となった事件では、成人向けコンテンツを提供する原告が、インターネット上で複数のドメイン名(「.de」「.at」「.ch」など)を用いて成人向けコンテンツ提供を行なっていたところ、被告も同様のドメイン名(ただし「.info」)を用いて、同様の手法で成人向けコンテンツ提供を開始。この際のサービス名が「Tittenlady」という同じ名称であり、その内容が酷似していたことが争いの発端となった。
.infoの方のサイトでは、アクセスするとポップアップウインドウが開く。ポップアップするウインドウには「Ja(はい)」と「Nein(いいえ)」のボタンがあり、Jaを選択すると有料の接続先に接続されるアプリケーションがダウンロードされる。問題は、Neinを選択すると、そのウインドウが消えるのではなく、さらにダウンロードを勧めるウインドウがポップアップで開くという仕掛けがされていた点だ。このような仕組みのため、アクセスしたユーザーは、ブラウザー自体を終了するしか逃れる方法がない。その後、被告はポップアップウインドウを抜け出す手段(Exit-Pop-Up)を付加した。
裁判では、原告側のドメイン名が先に使用されており、被告のものが別のトップレベルドメインで登録されたことは、不当であり営業妨害に当たるとした。同時に、上述のようなポップアップを用いた手法も、正当な広告方法とは認められないとされた。
この裁判では、判決文中で、スパムとの対比でポップアップウインドウの違法性が論じられた。ユーザーの明示的な意思表示に基づかない方法で広告が送りつけられてくるスパムメールと同様、ポップアップウインドウによる広告も、ユーザーの意思表示を欠いた広告手法と認められたことになる。特に今回のケースでは、通常のウインドウを閉じる操作ではポップアップウインドウが消去できない手法を用いていることから問題となったようだ。
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(2003/4/17)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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