【コンテンツ配信】
Kazaa創業者チームの会社JoltidがP2Pによる高速コンテンツ配信サービスを開始■URL ファイル交換ソフト「Kazaa」の開発チームが設立したスウェーデンの新会社Joltidは5日、P2P技術を利用した高速コンテンツ配信サービス「PeerEnabler」を開始すると発表した。 PeerEnablerを使うことによって、動画、音楽などのマルチメディアファイル、ソフトウェアアップデートやウイルス定義ファイル、動画を含む広告など、ファイルサイズの大きなコンテンツを高速に配信することが可能になる。 PeerEnablerが使用しているのはファイル交換ソフトで知られているP2P技術だ。まず、ユーザーはPeerEnablerで使用される「P2P Networking」コンポーネントか、P2P Networkingコンポーネントが含まれるソフトをインストールしておく必要がある。または、同社が提供しているAPIを利用して、ソフトウェア開発者がP2P Networkingをソフトに組み込むことも可能だ。 その上でPeerEnablerに対応したコンテンツのダウンロードを開始すると、中央のサーバーからだけでなく、そのコンテンツを保持しているネットワーク上のさまざまなソースから同時にダウンロードが開始される。そのため、1つのサーバーからのダウンロードに比べて高速にダウンロードすることができる。この様子は、同社サイトでデモを見ることができる。 PeerEnablerでは、自分が使用している帯域幅を独占しないよう工夫がされているほか、P2P Networkingコンポーネントが勝手にユーザーと関係のないファイルをダウンロードして貯めておくこともない。あくまでユーザーが使用するファイルを貯めておくだけであり、必要な場合に他のユーザーのリクエストに応じてダウンロードを支援する。 P2P技術を使用しているとはいうものの、ユーザーが勝手なファイルをアップロードすることはできず、すべてのコンテンツはJoltidによってデジタル署名が付加されて改ざんできないようにされているため、リソースを提供するユーザーも、ダウンロードするユーザーも安心して利用できるようセキュリティに配慮が払われている。 このP2P Networkingコンポーネントは一般ユーザーは無償で使用できるが、コンテンツを配信したい企業は、Joltidから有償のライセンスを得なければならない。P2P NetworkingコンポーネントはすべてのWindows、Linux、FreeBSD環境で動作確認されている。 ◎関連記事 (2003/6/6) [Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com)] |
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