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エキサイト、“都市生活者”向けの戦略的中、2002年度は年間黒字化■URL
同社は2002年春より、都市型ライフスタイルを持つF1M1層(20~34歳男女)をターゲットとした展開を開始。従来から人気の高い「Woman.excite」や「エキサイトフレンズ」などに加えて、雑誌型のコンテンツ「エキサイトイズム」や「デイリートピックス」を拡充した。また人気映画作品の来日記者会見の独占生中継や、トレンド雑誌数誌と連動したコンテンツの追加などで、F1M1層向けのメディアという特性を強化した。 この結果、この層に向けたナショナルクライアント(食品や飲料、電機製品といった消費財メーカー)からの広告出稿が増加したという。またモバイルや有料Webコンテンツなど課金コンテンツの利用者も増加し、有料Webコンテンツの会員が10万人、収益は月額3,200万円、有料携帯コンテンツの会員は39万人、収益は月額9,500万円となった。これらにより、2002年度は約36億円(前年度比21%増)の売上実績、1億4,000万円の経常利益を達成。初の年間黒字になったという。 エキサイト代表取締役社長の山村幸弘氏は、「ドットコムバブルがはじけ、2002年は一握りの会社だけが残っていくという大きな節目の年になった」と発言。黒字達成を踏まえて、エキサイトの戦略についての自信を表明した。次いで同氏は、エキサイトのユーザー特性について解説。調査によれば、エキサイトユーザーは20~34歳男女が65%以上、都市圏居住者が60%以上で、加えて持ち家率が70%以上、世帯年収700万円以上が56%、またブランドアイテムの所有率が他ポータルサイトより高いといった傾向が見られた。つまり、1年前に掲げていた“都市型ライフスタイルを持つF1M1層”というターゲットに当てはまるユーザー特性が得られたわけだ。山村氏はこの「お金を自由に使える人が多い層」のユーザーに向けて、「読み捨てではなく、保存したいと思われるメディアを目指していく」と表明した。
2003年度は、F1M1層のより一層の囲いこみを目指すほか、ブロードバンドISPサービス「BB.excite」の、特にBフレッツでの会員増加、Webサービスや携帯コンテンツの充実などを図っていく。BB.exciteの会員数は明らかにしていないが、「3年間で10万人という目標は達成できそう。また2003年度内にBフレッツ会員で5万人を見込んでいる」と山村氏。 新サービスとして具体的に上がったのは、まず携帯電話向けの「カフェメロ♪ナイトエキサイト」で、7月7日より開始している。20~30代の女性向けに、カフェのBGMでよく利用される洋楽を中心とした着信メロディ「カフェメロ」と、レイトショーやクラブ情報などの情報を配信するもので、料金は月額300円で、初年度10万人のユーザー獲得を目標としている。 次いで8月より、オンラインゲーム「プリストンテール」の提供を開始する。これは韓国Triglow Picturesが開発したもので、韓国では1,300万人以上のユーザーを集めている人気の多人数型オンラインRPGだ。現在同社サイトで日本向けの試用サービスを提供しているが、今秋の開始予定の課金プラットフォームについてエキサイトがTriglow Picturesと独占契約。エキサイトユーザー向けの提供に加え、他ISPに向けた展開も行なっていく予定だ。このゲームでの初年度ユーザー獲得目標は10万人。またこれを含めて、年内に5本のオンラインゲームを投入する予定という。 さらに広告商品として、Webマガジン「エキサイトイズム」上でタイアップコンテンツやマーケティングをセットで提供する「エキサイトマーケティングパッケージ」を開始するほか、迷子になったペットの情報交換サイト「LOST & FOUND Community Online」の開設(7月10日予定)、渋谷や青山、下北沢などの人気カフェへ「BB.excite」の回線と端末を提供する「エキサイトカフェ」の展開を予定している。 エキサイトではこれら新規事業を含め、2003年度の売上げ実績で約42億円、経常利益で約3億円を目標としている。
◎関連記事 (2003/7/7) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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