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余計なことをしないブラウザー「Lunascape Phoebe」ベータ版がリリース

 Lunascape株式会社は、ウェブブラウザー「Lunascape Phoebe」のベータ版となるバージョン「0.10.0」を7月1日0時にリリースする。対応OSはWindows 7以降とmacOS Sierra以降。

 同社によれば、Lunascape Phoebeは、“余計なことをしないブラウザー”。オープンソースの「Chromium」をベースに開発されているが、閲覧履歴や位置情報といったユーザーのプライバシー情報を送信する機能を省くことで、Google Chrome 56との比較で、読み込み速度が5~25%程度高速化されているという。

 編集部の取材によれば、ベータ版はブラウザーの基本機能のテストを目的とするもので、拡張機能以外は、アルファ版で搭載していなかったズーム、タブミュート、ブックマーク、アドレスバーにおける各機能など、Google Chromeとほぼ同等のものが実装された。採用されているChromiumのバージョンは「56」となる。

 このほか、Google Chromeと同等のプロセスSandbox機能の搭載によるセキュリティ強化や、タブのマルチプロセス動作時にJavaScriptオブジェクトを別のウィンドウに正しく受け渡せるよう、JavaScriptの「window.open」構文が同一プロセスで動作するように挙動が変更されている。また、各種の不具合も修正されている。

 今後は広告ブロック機能やChrome拡張機能への対応、独自の拡張機能仕様の実装を行う。また、株式会社メディアドゥと共同開発する電子書籍配信機能やAIを活用した文書の要約機能も実装していく。

 メディアドゥは、電子書籍コンテンツ、コンテンツ用データベースと配信インフラ「md-dc」、電子書籍ストア構築システム「MDCMS」、電子書籍ビューアーアプリなどを手がけており、4月にLunascape株式会社を3億7900万円で買収し、子会社化している。