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【オンライントレード】

オンライントレード業界の競争が第2ラウンドへ
引受業務の開始や手数料の引き下げなど相次ぐ

■URL
http://www.monex.co.jp/
http://www.etrade.ne.jp/cgi-bin/
http://www.dljdirect-sfg.co.jp/
http://www.nikkobeans.co.jp/

 昨年10月の手数料自由化から早4ヶ月がたった。異業種からの新規参入もあって、手数料の自由化とともにオンライン証券会社が最注目され、各社とも熾烈な競争を繰り広げている。

 ここにきても、女性向けのジェット証券や三和銀行系のイー・ウイング証券などインターネットを使った証券会社が次々と誕生している。また、富士通と日興證券が設立した@nifty会員対象のインターネットトレード証券が本年10月から株式の取扱を予定しているほか、BIGLOBEがソシエテジェネラル証券と組んでオンライン証券を行なう見込みであるなど、ISPがこの分野に進出してきている。

 さらに、三井物産とオンライン証券会社11社らが取引所を通さずにインターネット上で24時間取引を行なう電子証券取引ネットワーク(ECN)を実現させようという動きもみられる。

 一方、マザーズが開設されたほか、ナスダック・ジャパンも6月から取引開始予定で、札幌証券取引所なども新興成長企業向け市場を開設する動きにあるなど、本年は日本の証券市場はじまって以来の新規公開・上場ラッシュとなりそうだ。

 このような環境のなか、証券会社間の競争は、昨年10月の手数料自由化時を第1ラウンドとするなら、ここにきて第2ラウンドに入ったようだ。引受業務を念頭においた(単独引受するためには資本金が30億円なければならない)増資や手数料の引き下げ、サービスの拡充などが相次いで発表されている。

 マネックス証券は6日、新手数料体系を発表した。主な内容としては、開業以来の最低手数料1,000円は据え置きのまま、4月1日から約定金額200万円以上の株式売買手数料を値下げする。例えば、インターネット取引の成行注文の場合は、現行:約定代金の0.1%を新規:1,700円+0.015%に、指値注文の場合は現行:約定代金の0.125%を新規:2,200円+約定代金の0.015%とする。今後予定されている出合注文については、別途手数料を設定する予定。

 また、口座管理料の無料期間を3月末までとしていたが、これを9月末までに延長するほか、取引金額に応じて付与され手数料割引などに利用できるマネックスポイントについて、投資信託購入の場合の付与割合を引き上げる。なお、3月3日現在の口座数は4万6,526、預かり資産残高約1150億円(うち株式約880億円)。

 また、イー・トレード証券も6日からインターネット取引の株式売買手数料を20%引き下ると発表した。

 約定代金100万円までの手数料を従来の2,500円から2,000円に、同100万円を超える取引の場合従来は約定代金の0.25%だったものを0.20%に、同3,000万円以上の取引の場合従来は7万5,000円だったものを6万円に引き下げた。同社では、2月末現在で約7万口座、預かり資産残高約4,000億円となっており、2000年3月期の純利益は10億円を超える見込みとしている。

 一方、DLJdirectSFG証券は6日付で資本金15億円を倍増の30億円とする第三者割り当て増資を行なったと正式に発表した。

 今回の増資を機に、設立当初の株主のひとつである大和証券グループが保有株(増資前の比率5%)を住友銀行に譲渡するかたちで資本関係を解消し、新たにさくら銀行が出資メンバーに加わることになった。この結果、増資後の株主と出資比率は、DLJdirect Japan Holdingsが50.00%、住友銀行が12.50%、さくら銀行が10.00%、IIJが6.25%、住友商事が6.25%、住友海上、住友信託、住友生命が各5.00%となった。

 今回の増資に伴い、東証会員権の取得や新規公開株式引受業務に進出しサービスの充実を図るとしている。

 また、同社はヴェルディ川崎とスポンサーシップ契約を締結したことも発表した。ほか、3月6日からMRF自動取得・換金サービスの申し込み受付を開始し、4月3日からはiモードによる取引キャンペーンを行なう予定など、次々に新サービスやサービス拡充を予定しており、これらキャンペーンなどと合わせるかたちで手数料引き下げも現在検討しているという。

 このほか、昨年10月27日付でシティーグループの資本参加も仰ぎ資本金を25億円から100億円へ一気に増資した日興ビーンズ証券も、今月から新規公開株式等の募集・売り出しの取扱を開始したと発表した。ブックビルディング(需要動向の把握)は、口座開設顧客を対象に完全前金制を採り、ブックビルディングから投資家への配分までの手順をシステム化。配分は、このシステムにより抽選されるという。

(2000/3/6)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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