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単価5円の国際標準タグを2005年度に実現~経産省の新原情報経済課長


 11日、社団法人電子情報技術産業協会などの主催によるイベント「RFID実践セミナー」が東京都内で開催され、経済産業省情報経済課長の新原浩朗氏が「電子タグの普及に向けた日本の戦略」と題して無線ICタグ(RFID)の国家戦略を語った。


日本はRFIDの先進国

経済産業省情報経済課長の新原浩朗氏
 新原氏はまず、回転寿司店の精算システムや宅配便の物流センターの仕分け業務、図書館の貸し出し手続き、病院のカルテ管理、アパレルショップの商品管理など、RFIDが実験レベルではなく、すでに実用として定着している事例を紹介。「日本では、企業がRFIDに投資して、人件費削減などで効果を得ている段階に入っている。欧米と比べても格段に進んでおり、RFIDの先進国だ」と説明した。

 ただし、これらはいずれも1つの企業や組織の中で完結したシステムであり、それぞれ異なる技術仕様で運用されているほか、タグが使い回しできることから、タグ自体の単価もネックにはなっていない。これに対して、タグが転々流通していくサプライチェーンの観点では、互換性とタグの単価が「企業間取引に発展させる場合に問題になる」。すなわち、標準化と価格低減の2つが、経産省の政策課題となる。


基本的な規格は国際標準で

 新原氏によれば、標準化については「商品コード」「ICタグの技術仕様」「電波」という3つの分野があるが、「我々は貿易をしている。ドメスティックな規格を作っても意味はない」として、基本的な規格を国際標準として提案していくスタンスだ。

 まず、このうちの商品コードについては「問題は解決した」という。経産省では2003年4月、国土交通省や農林水産省、厚生労働省とともに設置した「商品トレーサビリティ研究会」の第1次報告をとりまとめ、この中で「発番機関コード─企業コード─品目コード─シリアル番号」という統一化案を策定。同年5月にISOに提案し、「珍しいことに、米国も基本的に賛同してくれた」。これが標準化されれば、「どの国でも、どんな業界でも同じコード体系を使えるようになる」としている。

 技術仕様については、経産省がEPC global(旧Auto-ID Center)とISOの間の調整役となり、最低限の技術基準について国際標準の統一化を図る。商品トレーサビリティ研究会の第2次報告で案を策定し、2004年中にも決着を付けたいとしている。

 電波については、読み取り距離などで優位で、欧米で標準として採用される方向にあるUHF帯(800MHz台半ば~900MHz台半ば)が期待されるという。国内でも、総務省がRFID用にUHF帯を開放する方針を示しており、経産省も3月9日より物流センターなどでの実証実験を開始。すでに国内で実用化されている13.56MHz帯との性能比較などを行なう。

 なお、総務省がRFIDに割り当てるとしたのは、現在空き帯域となっている950~956MHz帯であり、ISOで規定している860~930MHzとは少しずれている。これについては、ISO規格の上限を960MHzまで拡張することを提案しており、すでにISOでもこれを承認済みだという。また、米国の902~928MHzのタグが使われた商品が輸入されることも想定されるが、これを日本の950~956MHz帯用の機器で読み取る場合の互換性についても、実験の結果からめどがついているという。

 もう1つの戦略である価格の低減については、現在は数十~数百円するというタグの単価を3~5円に引き下げるために、官民合同で「響(ひびき)プロジェクト」を発足させる。約100社でコンソーシアムを結成し、単価5円の国際標準タグの実現を「必達目標」に掲げ、2004年度から2カ年計画で基盤技術の開発に取り組む考えだ。


関連情報

URL
  イベント概要
  http://www.jesa.or.jp/rfidseminar/

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( 永沢 茂 )
2004/03/11 17:59

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