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【 2009/06/11 】
アナログ停波後の周波数帯域を利用したマルチメディアサービス
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「Interop Tokyo 2009」展示会が開幕、今年はひろゆき氏の講演も
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「KDDIはモバイルとブロードバンドを融合していく」~小野寺社長


 東京ビッグサイトで開催中のイベント「WIRELESS JAPAN 2004」で総務省や通信事業者などのキーパーソンによるコンファレンスが行なわれ、KDDIの小野寺正代表取締役社長が登場。「ブロードバンドワールドがもたらす『ユビキタス』ライフスタイル」と題して講演した。


これからはモバイルとブロードバンドを融合。セキュリティにも考慮

KDDIの小野寺正代表取締役社長
 小野寺社長は冒頭、「これまではモバイルに特化してきたが、今後はモバイルとブロードバンドが融合していく」とKDDIの方向性を示唆。「ブロードバンドと融合したユビキタス社会では、大容量コンテンツなどを活用して、より臨場感のある情報共有ができる」とし、自宅のライブカメラと携帯電話を接続する「遠隔モニタ」や、携帯電話を利用した決済サービスをアピールした。

 ただし、サービスの提供にあたっては「セキュリティやプライバシーの問題にも考慮しなければならない」とコメント。「例えば、NTTドコモがすでにサービスを開始している携帯電話を活用した決済サービスだが、技術的にはKDDIでも提供できる段階にある。購入履歴などを活用すればユーザーごとにきめ細かいサービスが提供できるが、情報漏洩を防ぐ方法を確立しなければ、実際にサービス提供はできない」という。


ユビキタス社会に最適なFTTHで放送と通信の融合へ

光プラスのサービスメニュー
 続いて、KDDIの光ファイバアクセス戦略に言及。「ADSLは既存メタル回線が利用できるので、手軽といったメリットはある」とした上で、しかし、距離による速度差があり全ユーザーに均一なサービスを提供できないことや、上下の速度差、品質の不安定さなどの欠点も指摘。「ユビキタス社会は個人が情報発信できる社会だから、FTTHのように速度が均一で、上下の速度差もない安定的なサービスが適している」と述べた。

 KDDIが提供するFTTHサービス「光プラス」の各メニューについては、ナンバーポータビリティに対応して110番などの緊急回線にも発信できるIP電話サービス「光プラス 電話」や、DVD並みの動画を配信する「光プラス TV」といった単なるインターネット接続以外の部分を強調。IP電話の普及に関しては、「多くのユーザーがIP電話に移行することで、NTTの局舎に接続する際に計上されるアクセスチャージも解決できるのではないか」と意見を述べた。

 また、「テレビと同じように、家族で楽しめる」という役割を狙う光プラス TVについては、「STBを使って多チャンネル放送やVODを楽しめるほか、モバイルとも連携できる」とアピール。「日本では通信事業者が携帯端末を管理できるため、安全性が高いと言われている。例えば、ショッピングは光プラス TVによる動画で、決済は高セキュリティな携帯電話を利用するといったことも可能だ」とし、「今後は放送と通信の融合が進む」と予想した。


コンテンツプロバイダーが提供しやすい環境に

MPEGのままで直接編集できる技術

ダイジェスト編集技術。デモンストレーションでは、西武ライオンズ対大阪近鉄バファローズ戦のダイジェストを披露した
 携帯電話のコンテンツに触れた小野寺社長は「『着うた』は、当初はここまで流行ると思わなかった」とコメント。普及した原因にとして割引サービス「パケ割」を挙げた。「パケ割を導入することによって、ユーザーがコンテンツにアクセスしやすくなり、結果としてコンテンツの普及を実現できた」「アクセスするコストが高ければ良いコンテンツであってもユーザーはアクセスしないし、アクセスしなければコンテンツプロバイダーは離れてゆく」と分析。いち早く導入した定額制サービス「1X WIN」についても「収入が減るのではないかという見方もあったが、通信料金がリーズナブルでないと使ってもらえない」とし、「コンテンツを利用しやすい環境を構築することが良いコンテンツが生まれる好循環につながる」と述べた。

 また、携帯電話と固定網の連携を念頭に置いた映像編集技術を開発していることも明らかにした。「ワンソースで固定網のようなブロードバンドだけでなく、携帯電話のようなナローバンドにも配信できるような映像編集技術が重要だ」とし、「MPEGのままで直接編集できる技術を開発」したという。これにあわせて、映像の重要な場面のみを抽出する「ダイジェスト編集技術」も披露。「例えば、野球の巨人ファン向けには巨人の選手が打った場面のみを抽出して編集できる」「EZチャンネルのような携帯電話用動画配信サービスにも簡単に利用できる」とし、「コンテンツを持っている企業にどうやってそのコンテンツ提供してもらうかが大事だ」との考えを示した。

 このほか、無線LANと携帯電話を組み合わせた認証技術や、どんな端末でも任意のネットワークに設定無しで接続できる「ゼロアドミニストレーション」技術、携帯電話を利用した音声入力技術などを説明。また、地上デジタルテレビ放送対応端末や、地上デジタルラジオ放送対応端末などにも触れ、通信と放送の融合を改めてアピールした。


地上デジタルテレビ放送対応端末 地上デジタルラジオ放送対応端末

関連情報

URL
  WIRELESS JAPAN 2004
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/

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( 鷹木 創 )
2004/07/21 18:43

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