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東京電力のブースでデモに利用されている住友電工のPLCモデム
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「WPC EXPO 2004」の高速電力線通信推進協議会(PLC-J)ブースでは、電力線を利用した最大200Mbpsの通信を実現する電力線通信(PLC)モデムの展示とデモが行なわれている。
PLC-Jは、関西電力や住友電気工業、NEC、松下電器などが参加する社団法人で、日本国内での高速電力線通信の早期実用化に目的としている。今回のWPC EXPO 2004のブースでは、各社が開発しているPLCモデムの展示やこれまでの実験結果の紹介とともに、住友電工のPLCモデムを使ったデモを行なっている。
PLC-Jに参加する各社は、2M~30MHzの周波数帯を利用して通信を行なうPLCモデムを開発している。各社とも最大200Mbps程度の通信が可能となる機器の開発に成功しているということだが、実用化に向けては電力線から漏洩する電波の抑制が課題となっている。現在、2M~30MHzの周波数帯は欧米では利用が許可されているが、日本では漏洩電波を抑制する技術の開発実験用途に限って使用が許可されている。
これまでに行なわれた各社の実験では、屋内でPLCモデムを利用した場合には、建物の外では漏洩電波が確認できないことがわかっているという。PLCモデムの用途としては家庭内のLANとしての利用のほか、プロバイダーから各家庭までのアクセスラインとしての利用も検討されているが、現段階では屋内での利用を中心に開発を進めているという。
今後の実用化に向けたスケジュールは法整備の進展次第ということだが、屋内での利用については実験の結果は良好ということで、認可が下りればすぐにでも実用化できる状態ということだ。製品化に向けては筐体の小型化も重要で、家電製品に組み込めるような形になるのが望ましいとしている。
また、東京電力のブースでも、会場内のPCをPLCモデムを用いて結び、動画の送受信を行なうデモが行なわれていた。利用しているPLCモデムは住友電工製の「Megabit Gear PTE1210」で、筐体の大きさはADSLモデムと同程度。最大通信速度は200Mbpsで、デモでは80Mbps程度の通信速度が出ている。東京電力でも、アクセスラインとしては光ファイバを活用し、PLCモデムは家庭内のLANとしての利用を期待しているという。
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PLCモデムのフィールド実験の概要。屋内の利用であれば、建物の外への電波漏洩は影響が少ないという結果となっている
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三菱電機のPLCモデム
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NECのPLCモデム(製造は東洋通信機)
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松下電器のPLCモデム(商品のイメージ)
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東京電力ブースでは、コンセント直付け型のPLCモデムも参考出品されていた
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関連情報
■URL
WPC EXPO 2004
http://expo.nikkeibp.co.jp/wpc/
高速電力線通信推進協議会
http://www.plc-j.org/
東京電力
http://www.tepco.co.jp/
■関連記事
・ 東京電力、高速PLC設備の設置許可を総務省関東総合通信局より取得(2004/03/22)
・ 総務省、電力線通信の漏えい電波の低減技術開発に実験制度導入(2004/01/21)
( 三柳英樹 )
2004/10/20 19:54
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