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Mozilla Japanの代表理事を務める東京工科大学の相磯秀夫学長
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Mozilla Japanは1日、米Mozilla Foundationの技術責任者を招き「Mozilla Japan第1回セミナー」を開催した。Mozilla FoundationではWebブラウザ「Firefox 1.0」の正式リリースを直前に控えており、セミナーではFirefox 1.0の技術情報や、今後のMozilla技術の動向、日本支部であるMozilla Japanの活動などについての紹介が行なわれた。
セミナーでは冒頭、Mozilla Japanの代表理事を務める東京工科大学の相磯秀夫学長による挨拶が行なわれた。相磯氏は「Mozilla Japanはヨーロッパに続くMozilla Foundationの世界で2番目の支部として発足した。今回は米国側の都合で急遽セミナーを開催することになったが、たいへん多くの参加表明を得られた」と語った。また、米国では開発や普及に向けた活動が驚くほど活発に行なわれているとして、「今日来ていただいた方は単にセミナーの参加者ではなく、私たちの同僚だと思っています」と述べ、来場者にMozilla Japanへの積極的な参加を呼びかけた。
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Mozilla Japanの瀧田佐登子理事
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東京工科大学コンピュータサイエンス学部の田胡和哉助教授
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Mozilla Japanの瀧田佐登子理事からは、7月に発足したMozilla Japanの活動概要についての紹介が行なわれた。Mozilla Japanは、Mozillaの普及啓蒙およびMozillaの周辺技術の発展を目的として設立された非営利法人で、Mozillaの技術に関する開発およびその支援、製品の国際化、オープンソースコミュニティへの支援、ビジネスパートナーの開拓、国内での教育事業などを主な活動内容としている。
技術開発については、個人ユーザーだけでなく企業や政府機関などにも安心して採用される日本語版製品の提供を目指しており、Mozilla Japanに日本語化と品質管理のセンターを設置。日本のMozillaコミュニティ「もじら組」との連携により、日本語化やバグフィックスなどの成果を米国に送り、製品へのフィードバックを行なっていくという。
また、Mozilla Japanの今後の課題としてはサポートの問題を挙げた。特に企業に対しては、現在Linuxを推進する企業が増えていることから、Internet Explorerを前提としたWebアプリケーションをMozillaでも利用できるようにしたいといった相談が多く寄せられており、今後はこうした問題に対するコンサルティングなどの体制を整えていくとした。また、エンドユーザーに対してのサポートも重要であるとして、コミュニティとの協力によりサポートの仕組みを検討していくとしている。
セミナーでは、東京工科大学の田胡和哉助教授による「オープンソースソフトウェア開発と大学教育」と題した講演が行なわれ、東京工科大学の「Linuxオープンソースソフトウェアセンター」での取り組みが紹介された。Linuxオープンソースソフトウェアセンターでは、Linuxベースの携帯電話や大規模分散ファイルシステムの開発などのプロジェクトが行なわれており、こうした分野においてMozilla Japanと協力し、製品の開発を通じて技術者の育成を行なっていくことなどが紹介された。
関連情報
■URL
Mozilla Japan
http://www.mozilla-japan.org/
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( 三柳英樹 )
2004/11/01 19:41
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