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漫画設計支援システム「POM」を開発した小林氏
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「漫画は、読むだけじゃなくて描くのも好きなんですが、やっぱり真っ白な紙に最初から描くのは大変ですよね」。そう語るのは漫画設計支援システム「POM」を開発した小林由佳氏だ。POMは、IPAが開催する「IPAX 2005」で展示されている。
小林氏は、IPAの未踏ソフトウェア認定事業において28歳以下を対象とした「未踏ユース部門」で認定された「スーパークリエータ」。小林氏が開発したPOMには、学生時代に漫画制作に苦心した経験が生かされているという。
「アイデアがポンポン出るように」と名付けられたPOMでは、1万ページ以上の漫画作品をデータベース化し、有名作家と同様のコマ割や構図を利用できるという。まず、「少年漫画」「少女漫画」などのカテゴリを選択すると、カテゴリに応じて「井上雄彦」「鳥山明」「高橋留美子」「あだち充」といった漫画家が表示される。それらを選択すると各作家が描く傾向の高いコマ割や構図がテンプレート化されて表示される仕組みだ。
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好きな漫画家を選択
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漫画家に応じたコマ割や構図が表示される
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学会へのプレゼンテーションも漫画で行なったという
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なお、1万ページ以上の漫画をサンプリングした結果、1ページあたりの平均コマ数は大御所と言われる有名作家で7.156コマ、少年漫画では4.257コマ、少女漫画では4.785コマであることなどが判明した。思わぬ“副産物”に、小林氏は「図らずも漫画の調査になってしまった」と笑う。当面のところ事業化する予定はなく、漫画家のコマ割や構図をデータベース化する際の著作権処理などは現在手つかずの状態だ。「事業化に協力してくれる企業があれば、前向きに考えたい」とコメントした。
関連情報
■URL
IPAX 2005
http://www.ipa.go.jp/event/ipax2005/
■関連記事
・ IPA未踏ソフト認定事業の「スーパークリエータ」にLunascapeの近藤氏ら(2005/05/13)
( 鷹木 創 )
2005/05/18 18:58
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