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NTTレゾナント取締役副社長の中嶋孝夫氏
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社団法人日本広告主協会のWeb広告研究会は8日、Webマーケティングをテーマにした「第12回WABフォーラム」を開催した。基調講演では、NTTレゾナント取締役副社長の中嶋孝夫氏が「goo 2.0 ~“行動支援メディア”としての新戦略」と題して、gooの現状と今後のサービスの展望を語った。
中嶋氏はgooの現状について、インターネットのユーザー環境が変化する中で、サービスも変化を迫られていると説明。モバイル環境ではナンバーポータビリティと新規事業者の参入、ネットワークインフラのIP化といった変化があり、ブロードバンド環境ではADSLからFTTHへの移行が進むなど、ユーザー環境の変化によりネットワークがより日常の生活に密着してくるとした。
また、次世代のWebである「Web 2.0」によってもたらされるユーザー行動の変化も重要であるとして、その概念を紹介。Web 2.0のイメージとしては、ユーザーのWebに対する行動が「読む」から「書く、投稿する」に、コンテンツの最小単位が「ページ」からより小さな「記事」になるといった変化が起きるとして、個人の情報に対する立ち位置が変わってくるとした。
中嶋氏は、gooの検索ワードにおける占有率のグラフを示し、検索ワードの上位5万位までを総計しても全体の40%程度にしかならないと説明。検索される回数は少ないものの膨大な種類の単語が検索されているように、ユーザーのニーズもさらに細分化してくるだろうと述べた。
こうした状況の変化に対応するため、gooも「goo 2.0」への変化を目指すとして、個人の行動がよりアクティブになる中で、gooはユーザーの行動をサポートする「行動支援メディア」を目指すと語った。
サービスとしては、ブログのようにユーザー自身が作り出すメディアが重要になってくるとして、gooブログのユーザーも急速に増えているほか、ユーザー同士のQ&Aを蓄積していく「教えて!goo」のようなサービスにさらに注力していきたいとした。
検索サービスでは、日本語による検索をさらに使いやすくするとともに、Webページの検索結果以外にさまざまな情報を付加して表示していくことで、ユーザーが求めている「答え」を最短ステップで提供することを目指すとした。また、地図サービスと店舗情報を連動させた「goo地図」などによる地域サービスをさらに拡充するとして、goo地図では衛星画像の表示サービスも始めていくと語った。
さらに、RSS関連のサービスとして、Webブラウザや携帯電話から利用できるRSSリーダーを提供する予定を公表した。gooではRSSリーダーソフトを2004年9月からダウンロード配布しているが、さらにWeb版と携帯版のRSSリーダーを提供。通勤途中の携帯電話でチェックした記事を、会社のPCでさらに詳しく読むといった、PCと携帯電話の連携によるサービスを提供していきたいとした。
中嶋氏はNTTグループ各社が提供するサービスを挙げ、現在は各社が同じサービスをばらばらに提供している部分もあるが、これらが整然としてくることでユーザーにとってよりよいサービスの提供が可能になると説明。gooはNTTグループのゲートウェイとなっていきたいと述べ、講演を締めくくった。
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「goo 2.0」として行動支援メディアを目指すgoo
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新たに提供するWeb版・携帯版RSSリーダーの利用イメージ
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関連情報
■URL
goo
http://www.goo.ne.jp/
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( 三柳英樹 )
2005/09/09 11:33
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