CEATEC JAPAN 2006のプラットフォームビジネスアリーナでは、2006月7月に発足した「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」の参加団体が、次世代検索技術に向けた先行調査結果を展示している。
情報大航海プロジェクト・コンソーシアムは、経済産業省が2005年12月に設置した「ITによる情報大公開時代の情報利用を考える研究会」のメンバーを中心に、次世代検索技術の研究開発を目的に発足した産学官連携のコンソーシアム。2006年8月末現在で個人を含む56団体が参加する。今回のCEATEC JAPAN 2006では、10団体がWebや映像関連の検索技術を中心に、展示・デモンストレーションを行なっている。
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関連ブログ推奨システムの概要
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ソフトバンクBBでは「次世代ウェブ情報抽出」と題して、関連ブログ推奨システムと次世代ウェブ検索システム、オークションサイトクローリングの3種類を展示。関連ブログ推奨システムは、北海道大学情報科学研究科複雑系工学講座と協力して進めているもので、ブログとソーシャルブックマークサービスが対象。現時点では研究室内で実験が行なわれている。
ブログではトラックバックやリンク構造から関連するブログを、ソーシャルブックマークでは同一Webサイトにブックマークする類似性の高い他ユーザーとの繋がりを視覚的に表示する。表示画面では、ユーザーと他ユーザーとの繋がりに加えて、他ユーザーを起点とした繋がりも確認できる。
ブックマークではまた、各ユーザーが利用するタグの表示も可能。さらに、繋がれた他ユーザーのブックマーク状況を基に、ユーザーがブックマークしていないWebサイトをリコメンドする機能も用意した。
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ユーザーと嗜好類似性の高いブログとの繋がりを視覚的に表示する
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ブックマークの表示形式も同様。画面右側には他ユーザーのブックマーク情報をもとにしたリコメンドも表示
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「商用サーチエンジンランキング比較」。青い太線などで示されたのは検索エンジンによるサイト順位の違い
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早稲田大学では「商用サーチエンジンランキング比較」と「Web上の著作権違反検知ツール」を展示する。商用サーチエンジンランキング比較は、Yahoo! JAPANやGoogle、MSNの検索エンジンを対象に、キーワード検索結果上位250位のランキング比較を行なうというもの。検索エンジンによるランキング状況の推移やWebサイトの重複状況などを調査している。
このプロジェクトは2007年3月までに実施され、調査結果はその後公表される予定。説明員は「同じ単語でも検索エンジンごとに結果が異なっており、こうしたことを理解することでインターネットを安心・安全に利用できる1つのきっかけになるのではないか」とコメント。また、調査状況は蓄積も行なっていることから、実データにもとづいた「SEO対策にも活用できる」とした。
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上位250位までのサイト情報を蓄積しているという
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「Web上の著作権違反検知ツール」画面。自然分を3文節ごとに区切って検索をかけ、合致度の高いサイトを調べる。著作権違反以外にもスパムメール確認などの用途も想定する
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動画をシーンごとに分類して3D空間に表示
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富士通は、Web上に公開される動画コンテンツを対象にした「映像検索・解析システム」を展示。動画共有サイトなど投稿された動画をシーン別に分類。投稿ユーザーに加えて、閲覧ユーザー側のコメントや注釈といったメタデータを各シーンに付与していくことで、検索精度などを高めていく。
シーン別に分類された動画は3D画面内に表示され、キーワードでの絞り込みやタグ分類表示、シーン動画の色を基にした分類などが行なえる。シーン途中からの動画再生も可能で、続きのシーンも連続して視聴できる。また、シーンに関連するブログなどへの遷移も可能だった。
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単語やシーンの色合いなどでの分類も
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動画に付随するテキスト情報も確認できる
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情報大航海プロジェクト・コンソーシアムの説明映像には眞鍋かをりが登場。プロジェクトの意義とともに、“Google八分”などの昨今の問題に関する説明も行なっていた
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関連情報
■URL
CEATEC JAPAN 2006
http://www.ceatec.com/
■関連記事
・ 次世代検索の開発を目指す「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」発足(2006/07/31)
( 村松健至 )
2006/10/06 20:21
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