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「子供ポルノアニメの取り締りには新法を作るべき」野田聖子議員

ユニセフ、ECPATらがシンポジウム

 日本ユニセフ協会、ECPAT/ストップ子供買春の会、ECPAT スウェーデン、駐日スウェーデン大使館は29日、「子どもポルノサイトの根絶に向けて〜スウェーデンのブロッキングの取り組みと日本の課題〜」と題したシンポジウムを、駐日スウェーデン大使館で開催した。

 今回のシンポジウムは、インターネット上に氾濫する子供ポルノサイト問題に対して、官民による先進的な取り組みを始めているスウェーデンの事例を紹介し、日本国内における問題への国民的関心と官民による一層の取り組みを喚起することを目的にしている。また、提供目的のない子供ポルノの所持(単純所持)や、子供ポルノのアニメ・漫画などの製造・提供についても触れられた。

 来賓挨拶では、野田聖子衆議院議員が法改正について言及した。野田議員は、児童買春・児童ポルノ禁止法の改正を推進している。「1つ目は、単純所持の禁止を盛り込みたい。2つ目は、子供ポルノアニメ・漫画の取り扱いに関する法律。これは、数年前にチャレンジしたが、インターネットで散々叩かれた。いずれにしても、児童ポルノ法や児童虐待防止法などを改正して対応したい」と述べた。

 また野田議員は、「児童ポルノ法や児童虐待防止法は現実の児童を対象にしたもので、アニメなどフィクションなものに対応するには、かなりの法改正が必要となり、時間がかかってしまう。個人的には、改正よりも、新法を立てるべきだと思う。そこで重要なのは、国際的な基準に合わせること。アニメや漫画などを日本の輸出産業に位置づけていくのであれば、世界的な基準に合致したモラルを確立するのは重要なこと」と語った。


パネリスト 野田聖子衆議院議員

掲示板の運営意図によっては普通の画像も違法と同位

 パネルディスカッションでは、パネリストとオーディエンス間でも熱心な意見交換が行なわれた。

 違法画像が投稿された掲示板自体を摘発対象に入れるべきではないかという質問に対し、インターネット・ホットラインセンターの吉川誠司シニアアナリストは、「法的には、違法な画像が投稿された時点で公然陳列にあたるので、検挙は可能だと思う。ただし、ホットラインセンターでは、違法画像を見つけた場合に削除要請をする立場なので、取り締り対象を決めるのは難しい」と説明する。

 「取り締りの判断は常々協議しているところ。例えば、同じ掲示板サービスを使って画像投稿サイトを開設していても、本当に無害な掲示板に、たまたま違法な画像が貼られることもある。また、明らかに違法な画像の投稿を誘引するようなタイトルの掲示板もある。この2つでは、管理者の運営意識が違う。あと、ロリータマニアが集まる掲示板では、普通の子供の画像が貼られただけで、子供ポルノの公然陳列と見なすことも考えている」(吉川氏)。

 画像フィルタリングサービスの利用状況に関する質問で、ヤフーの別所直哉法務部長は、「かつては有料会員向けにフィルタリングを提供していたが、無料にしてからフィルタリングの利用者は増えている」と述べた。また、IT業界全体での子供ポルノへの対策については、「ISP事業者はいくつかの団体を作っており、各団体の代表者がインターネット・ホットラインセンター設立時のガイドライン作成に携わっている。ISP事業者以外にも、インターネット上で事業を行なっている会社が集まって、対策ができるような下地作りに取り組んでいるところ」とした。


インターネット・ホットラインセンターの吉川誠司シニアアナリスト ヤフーの別所直哉最高コンプライアンス責任者兼法務部長

通信事業者の対応は法整備が整っていないことによる歯痒さも

 違法画像などが発見された場合、事業者に問い合わせて、削除要請を行なうが、削除までに時間がかかったり、要請に応答しない事業者もあるという。そのような実情に対し、オーディエンスから「警察が強制的にサーバーをダウンさせられないのか」という質問もあった。警察庁少年課の福田正信室長は、「電気通信事業法では、コンテンツが悪いからといって、通信を遮断することはできない。警察は、違法画像を投稿した人を取り締ることはできるが、違反をしていないプロバイダーまで止めることはできない」と述べた。

 ただし、インターネット・ホットラインセンターの吉川氏によると、違法なコンテンツが置かれていたサーバー事業者が削除要請に応じなかったとき、そこに回線を提供している上位事業者に相談し、契約違反として回線提供を止めさせた事例があるという。「この場合、サーバー事業者と回線事業者間の契約を破棄したことになり、回線事業者が民事的に責任を問われることない。回線を止めたとこで、違法なコンテンツを置いていないユーザーにまで影響は出てしまうが、それは契約違反したサーバー事業者の責任になる」とのことだ。

 パネリストからオーディエンスのISP事業者に対する質問もあった。ECPAT スウェーデンのヘレナ・カーレン代表が、「子供ポルノサイトをブロックする意思はあるのか」と尋ねたところ、ニフティの法務担当者は、「ブロッキングに関しては難しい。会員が子供ポルノを含む違法コンテンツを配信していた場合、契約違反として情報の削除を行なっている。仮に、違法性が曖昧な場合でも警告を発している。決して放置はしていない」と答えた。また、BIGLOBEの担当者は、「基本的な考えは、ニフティさんと同じ。さらに、フィルタリングに関しては、セキュリティセットを安価に提供している」とした。

 ソフトバンクBBの法務担当者は、「国内法および電気通信事業法において、通信会社は 通信の秘密は守らなければいけないと定義されている。例えば、悪質なコンテンツを配信したIPアドレス、通信時間などのユーザー情報を開示してほしいと言われても、誰がどのような通信を行なったかということは、通信の秘密の構成要素であり、それを明かせば、事業者は違法であると判断される。従って、ISPによる発信者情報開示には裁判所が発行する令状が必要な強制捜査以外に困難である。他には、警察の発行する捜査関係事項照会書や弁護士会照会をはじめとした様々な開示要求も可能だが、強制捜査ではない任意捜査では、任意のものであるため回答に限界があり必要な情報を提供することができない。そういった中で通信サービスを提供しているのが現状。国内法が整備されていない状況では、対応に限界がある」と語った。


【お詫びと訂正 2007/04/03 20:40】
記事初出時、見出しで「児童ポルノアニメ」と記載しておりましたが、正しくは「子供ポルノアニメ」です。お詫びして訂正いたします。


関連情報

URL
  日本ユニセフ協会
  http://www.unicef.or.jp/

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( 野津 誠 )
2007/03/30 11:14

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