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山田隆持代表取締役副社長
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16日から開催された「NGN(次世代ネットワーク)フェア」にて、NTTの山田隆持代表取締役副社長が「ブロードバンド・ユビキタス時代の到来とNTTグループにおけるNGNの取組み」と題した講演を行なった。
NTTグループ全体では、2005年2月にFTTHとADSLの加入者月別純増数が逆転し、FTTHは増加、ADSLは減少傾向が続いているという。特に、2006年6月以降、ADSLは純減している。加入者累積数は、2007年1月末に、FTTHがADSLを追い抜いた。3月末で、FTTHが607万、ADSLが532万となっている。
山田副社長は、2007年度のFTTH契約目標数について、「NTT東日本でプラス200万、NTT西日本でプラス140万。合計で340万の純増を目指す。現在のFTTH契約者数が600万強であるから、この年度末には、NTTグループだけでFTTH利用者がほぼ1,000万に達する」とした。
NTTがFTTHユーザー急増を実現した理由としては、基礎設備の充実を挙げる。電話局から固定配線区画までを結ぶ「き線点」光カバー率は、2006年末で東日本エリアが89%、西日本エリアが87%になる。「光サービスを開始する前に、かなりの先行投資を行なった」という。
また、ブロードバンド回線のサービス価格については、「料金を下げる努力は当然行なうが、これからは、料金競争から付加価値競争になる。お客様には、料金だけでなく、品質とセキュリティのトータルで考え、事業者を選んでいただきたい」と述べた。
ブロードバンド・ユビキタス社会の諸課題としては、「急増するトラフィック」「セキュリティ/サイバーテロ」「悪用防止」「地震などの大規模災害」を挙げた。NTTでは、今後もウイルス対策技術や暗号・認証技術、異常トラフィック対策技術に取り組み、「これらの技術開発はNGNにも色濃く反映されている」とした。
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ADSLとFTTH加入者累積数
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光アクセス投資の状況
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● NGNはNTTが培った技術の良いとこ取り
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NTTグループ中期経営戦略が目指すもの
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山田副社長は、NTTグループが実現するNGNついて、「ブロードバンド化、ユビキタス化、FMCや通信と放送の融合は以前から言われていること。NTTでは特に、セキュリティ対策や大規模災害への対応、また、少子高齢化や介護・医療への対応に注力する」と話す。
中期経営戦略の具体的な取り組みとしては、「高品質かつ柔軟でセキュリティを担保する次世代ネットワークの構築」「既存の固定電話からIP電話、メタルから光アクセスへの円滑なマイグレーション」を挙げた。「2010年までに、NTT利用者数の半分にあたる3,000万ユーザーへ光サービスを提供したい」と述べた。
山田副社長は、NTTグループのNGNを「NTTが持つ技術の良いとこ取り」としている。「インターネットは安価で自由な拡張性を目指し、便利・快適を追求する。一方、電話網は100年の歴史があり、創意工夫によって信頼性・安定性を重視する。NGNは、固定電話網で培った品質、信頼性を継承しつつ、ブロードバンド化に適したIP技術を採用し、セキュリティ対策などの新たな課題を克服したい」と語った。
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NTTのNGNが目指すもの
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NGNの構成
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具体的には、まず品質保証「QoS」を実現し、4つの品質クラス(最優先、高優先、優先、ベストエフォート)を設定する。次に、回線ごとに割り当てた電話番号やIPアドレスといった発信者IDのチェックを行ない、なりすましを防止。合わせて、異常トラフィックの遮断機能を用意する。また、災害時やアクセス集中などによる通信障害を防ぎ、重要通信を確保する。さらに、ネットワークのインターフェイス仕様を公開することで、多彩なアプリケーションに対応。異業種、他業界との連携も強化する。
NTTでは、NGNのフィールドトライアルを2006年12月20日から実施している。山田副社長は、「トライアルのキーワードは、オープンとコラボレーション。いろいろな業種に参加してもらい、NTTグループだけでは成し得ないサービスを創出したい」と話す。トライアルの参加事業者は、現在29社となっている。2007年4月27日からはフィールドトライアルの第3期となり、一般ユーザーへサービス提供を開始した。そこから得た意見・要望などをフィードバックし、2007年下期の商用サービス開始を目指す。
フィールドトライアルの例として、ハイビジョン映像コミュニケーションや遠隔病理診断支援システム、児童見守りシステム、介護ヘルスケアなどを紹介。それらを支えるNGNの技術面についても触れた。
このほか、山田副社長は講演の冒頭と最後、15日に発生したフレッツ・アクセスサービスおよびIP電話サービスの大規模障害について言及した。「たくさんのお客様にご迷惑をおかけした。この場を借りて、お詫びを致したい。今後、昨日のような障害を起こさないように頑張っていきたい」と述べた。
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トライアルのロードマップ
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ハイビジョン映像コミュニケーション
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遠隔病理診断システム
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児童見守りシステム
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介護ヘルスケア
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曲げや折りが可能な光コード
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光回線における遅延対策
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NGNを支える大容量光伝送技術
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関連情報
■URL
NGN(次世代ネットワーク)フェア
http://www.ngn-expo.jp/
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( 野津 誠 )
2007/05/16 19:12
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