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共同会見には、フィールドトライアルに参加する朝日ネット、NEC、NECビッグローブ、シスコシステムズ、ソニー、ソネットエンタテインメント、ニフティ、日立製作所、松下電器産業も出席した
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NTTの和田紀夫代表取締役社長
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NTT、NTT東日本、NTT西日本の3社は20日、「NGN」のフィールドトライアル開始にあたり共同会見を開催した。NTTの和田紀夫代表取締役社長があいさつしたほか、NECビッグローブやニフティ、松下電器産業などトライアルに参加するISPや家電メーカーら9社も出席し、NGNへの期待などを述べた。
NGNは、電話や映像配信サービスなどをIPベースで提供する“次世代ネットワーク”のこと。NTTグループが取り組むNGNでは、インターフェイス条件などを開示し、ISPや情報家電メーカーなどの参加を受けてフィールドトライアルを開始する。 まずは2007年1月からNTTグループの社員が参加して行なわれるが、追って一般からの参加者も募る。1月に参加者を公募し、4月から規模を拡大。その後、約1年間にわたりトライアルを実施する。合計で最大1,000人の参加を予定しているという。その成果をふまえ、「2007年度下期には商用化に踏み切りたい」(和田社長)としている。
会見で和田社長は、NGNについて「電話網の信頼性や安定性と、インターネットの利便性や経済性をあわせ持っている。2つの側面は従来は相反するものとされていたが、NGNでは両者のメリットが両立する」と説明。また、「技術的に可能であり、お客様が要望されるようなサービスが提供されるようになるのであれば、課題があっても必ず実現できる。不退転の決意で取り組んでいく」と意気込みを述べた。
さらに、フィールドトライアルのキーワードは「オープン」と「コラボレーション」だと述べ、QoSや高品質IP電話、HDTVなど、NTTグループだけでは提供できないサービスを、トライアル参加企業と協力しながら開発・実現していきたいとした。
● 家電メーカーは、まずはテレビをNGN対応に
共同会見には、フィールドトライアルに参加する朝日ネット、NEC、NECビッグローブ、シスコシステムズ、ソニー、ソネットエンタテインメント、ニフティ、日立製作所、松下電器産業も出席した。
松下電器産業役員の津賀一宏氏は、NGNにおいて「家電メーカーは家を基点に貢献していく」とコメント。家電は従来は売り切り商品だったが、背後にネットワークがつながる10年後・15年後の姿を想定し、商品を開発していく姿勢を示した。ただし、「より本格的に、より身近に、より幅広くネットワーク家電を使っていただくためには、インフラの進化が必要。家電のクオリティに匹敵するネットワークを作っていくのが必須」と指摘した。
なお、NGN対応家電の商品化の予定については、家庭内のさまざまな家電を同時にネットワークに対応させるのは難しいとして、「テレビを中核に接続を加速していく。テレビとさまざまな家電を繋いで、結果としてネットワークを享受できるようにしていく」とした。
日立製作所情報・通信グループCOOの竹村哲夫氏も、情報家電の中では薄型高精細テレビが家庭の中心にあり、それがNGNの「窓口」になると指摘。「テレビセントリックな家庭の情報化に取り組んでいく。IPTVに向けた商品が、NGN商用化のタイミングで出る」と述べた。
NEC執行役員専務の広崎膨太郎氏は、NGNのネットワークインフラそのものの技術開発についてはすでにかなり進んでおり、基本的に技術開発はほぼ終わっているという。一方、サービスにかかわる部分では「コンシューマ向けの映像ソリューションを、主にNECビッグローブを介して、一般ユーザー向けトライアルを2007年4月から提供する準備を進めている」とした。
企業向けについても、先日発表したシンクライアントにおいて、NGNをにらんだセキュリティマネジメントやSIPの連携機能、マルチメディアを使うためのプロセッサを搭載しているという。
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朝日ネット代表取締役社長の山本公哉氏(左)、NECビッグローブ代表取締役執行役員専務の佐久間洋氏(右)
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シスコシステムズ代表取締役社長の黒澤保樹氏(左)、ソニー コーポレート・エグゼクティブSVP B&P事業本部副本部長の尾上義憲氏(右)
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ソネットエンタテインメント代表取締役社長の吉田憲一郎氏(左)、ニフティ経営執行役インターネットビジネスグループ長の田坂信氏(右)
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NEC執行役員専務の広崎膨太郎氏(左)、日立製作所情報・通信グループCOOの竹村哲夫氏(中)、松下電器産業役員の津賀一宏氏(右)
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● NGNにおける移動通信の融合は2010年
なお、電話、映像配信、データ通信の“トリプルプレイ”サービスに、さらに移動体通信を加えた“クワッドプレイ”の計画について、NTTの和田社長は「現時点で提供されているようなFMCについては進んでいる」と述べた。具体的には、携帯端末から固定網のサーバーやインターネットに接続して情報を取り出すものや、携帯端末とPCを結んで映像をやりとりしてコラボレーションするものだというが、すべてベストエフォートのかたちで進んでいるという。
これに対して、「本格的なNGNの中に移動体通信をコンバージェンスしていく時期は2008年度から2009年度をにらんでいる。2010年にフルバージョンのものを作ろうと考えている」とした。携帯端末については、HSDPAの次の段階であるスーパー3Gにおいて現在の固定網の通信速度と同等になるとし、「そのぐらいにならないと、(NGNに必須の)QoSにならないのではないか」との見方を示した。
関連情報
■URL
次世代ネットワークのフィールドトライアル
http://www.ntt.co.jp/trial/
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( 永沢 茂 )
2006/12/20 17:05
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