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オーバーレイ放送システム配信経路
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NHKの「技研公開2009」では、多様化する視聴スタイルに応えるサービス・技術を紹介するゾーン「豊かなサービス」にて、P2Pを用いた「オーバーレイネットワークによる放送配信システム」などを展示する。
今回のシステムでは、インターネット上で番組を配信する際に、オーバーレイネットワークを利用することで、柔軟な配信経路設定が可能になり、地域に密着した防災情報や災害情報などを市区町村などに分けて配信できる。P2Pであれば、ユーザー数が増えても配信元のサーバーに負担をかけないというメリットもある。
展示では、全国放送から地域放送への番組切り替え時に行う配信経路制御技術を紹介。全国放送の時間は、配信効率を優先し、同じプロバイダーの回線上のPCが接続される。一方、地域放送の時間になると、同じ地域の端末同士が接続されるように、配信経路が自動で変更される。ユーザーのプロバイダーや地域の情報はIPアドレスから判別している。
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番組別のネットワーク構成
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全国放送と地域放送の切り替え
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● 偽放送局からユーザーの個人情報を守る
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番組中に個人情報を入力する例
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放送局に“なりすました”偽の動画配信サイトからユーザーの個人情報を守るセキュリティ技術を展示。デジタル署名を用いた「プロバイダー認証」を紹介している。
例えば、番組放送中にプレゼント応募などで視聴者が個人情報を入力する機会があった場合、見ている放送局が本物かどうかを確認する必要がある。「プロバイダー認証」では、正しい放送局であることを証明するためにデジタル署名を利用。放送局が署名生成の際に署名鍵に有効期限を設けることで、古い鍵が漏えいしても、それを使ったなりすましを防止できる。
また、コンテンツの不正コピー防止技術「不正利用者追跡暗号」を紹介。これは、暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を用いたもので、視聴者ごとに異なる鍵を生成することにより、鍵が複製された場合に不正利用者を特定できる仕組みだ。デモ機では、USBメモリに復号鍵を保存し、PCに接続した場合に本人確認を行えた。加えて、鍵を持ち歩き、万が一落とした場合に備え、復号鍵に有効期限も設定できる。
このほか、「放送をもっと身近に、未来の技術」ゾーンで展示していた「CurioView」の要素技術を「映像・音声・言語解析によるコンテンツ活用技術」にて紹介している。併せて、PCで視聴中の番組に関連したコンテンツを推薦する「WebブラウザーCurioView」のデモ機を設置。“TV版CurioView”に比べ、PCによる高度なコンテンツ検索・表示が可能となり、推薦番組数が拡大するほか、スポーツ番組ではシーン別の推薦も実現できる。
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プロバイダー認証
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個人情報管理サーバーの画面
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不正利用者追跡暗号
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ユーザーの認証画面
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WebブラウザーCurioView
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スポーツ番組の類似シーン検索
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関連情報
■URL
技研公開2009
http://www.nhk.or.jp/strl/open2009/
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( 野津 誠 )
2009/05/20 20:38
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