米Symantecは13日、世界各国のブロガーと報道関係者を米国ラスベガスに招待して、無重力飛行の体験ツアーを開催した。「Norton Internet Security 2009」および「Norton Anti Virus 2009」の発売を記念したイベントで、PCの性能に全く影響を与えないことを目指した「ゼロインパクト」という同製品のセールスポイントを盛大にアピールした。
● ゼロインパクト=無重力?
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無重力体験の様子
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無重力体験ツアーは、ジェット機が一定の放物線を描いて飛行することで、宇宙と同等の無重力状態を機内に発生させるもの。ジェット機は、高度約7315メートルから約1万360メートルまでの間を15回にわたって放物線飛行し、放物線の最高点前後の約30秒間(合計で8分程度)で無重力状態を体験できる。
正直に言って、Norton 2009がPCの性能に与える負担がないという「ゼロインパクト」と「無重力」を結び付けるのは、「こじつけではないか」とツッコミを入れたくなったのは事実だ。しかし、これだけ盛大なイベントを行うこと自体、Norton 2009に並々ならぬ自信があることが伺える無重力体験ツアーであった。
なにしろ、同様の無重力体験ツアーを個人で直接申し込むと税抜き4950ドル(約52万円)。ラスベガスまでの往復航空券代やホテル代、食事代などを含めるとかなりの額に上るのだ。ツアー参加者には、Norton Internet Security 2009のライセンス1年間などもプレゼントされた。
ツアーには米国のほか、ドイツ、フランス、イタリア、ブラジル、メキシコ、中国、台湾などから合計19人のブロガーと報道関係者が招待され、日本からはINTERNET Watch記者が参加。Symantecからもコンシューマ事業部担当上級副社長を務めるローワン・トロロープ氏が参加した。
● 飛行前には禁止事項などの事前説明
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事前説明が行われたオフィス
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使用したフライトスーツは参加者にプレゼントされた
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今回の無重力体験ツアーを提供するのは、民間宇宙旅行会社の米Space Adventures社。その事務所は、ラスベガスで多くの観光客が宿泊するストリップ地区から車で5分ほどの場所にある。
ここでは、Nortonのロゴ入りフライトスーツ(衣服の上から着用する)が支給されたほか、軽食、飛行前のオリエンテーション、ボディチェックなどが行われた。
フライトスーツには合計6つのポケットがあり、この中にカメラを入れて機内に持ち込めるようになっている。
オリエンテーションでは、「とにかくリラックスする」「無重力空間ではジャンプ、キック、泳ぐようなまねはするな」「NASA御用達」「米連邦航空局(FAA)が認可」「映画『アポロ13』に出演したトム・ハンクスも体験」――といったことが映像で紹介された(が、実際の無重力状態ではこれらすべてが記者の頭から消え去っていた)。
ボディチェックは、空港のセキュリティチェックと同様に、金属探知機で検査を行う。このボディチェックが終わると、ラスベガス空港に移動して、いよいよ無重力状態を体験できるわけだが、その前にお断りしておきたいことがある。
記者は無重力状態で撮影を試みたが、ほとんどの画像はブレていたり、誰もいない内壁だけが映っていたりと、散々な結果に終わってしまった。それだけ無重力体験が記者の想像の範ちゅうを超えていたのだが、そういうわけで無重力体験時の画像の大半は、Symantecが撮影したものである。
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放物線の最高点前後の30秒間で無重力状態が発生する
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オリエンテーションでは「蹴るな、ジャンプするな、泳ぐな」という注意事項が何度も繰り返された
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オリエンテーションの様子
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フライト前のローワン・トロロープ氏。余裕に満ちあふれていた
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● いよいよ無重力体験
見苦しい言い訳はさておき、いよいよジェット機に搭乗する。
ジェット機はボーイング727を改造したもので、機内は後部にある30人ほどの座席以外は、すべて取り払われている。前方の長さ30メートルほどのスペースが無重力体験の舞台となるが、安全のために内壁にはクッションが施されているほか、手すりも設置されている。
離陸したジェット機は放物線飛行を15回繰り返すが、まず高度約7315メートルから45度の角度で急上昇する。その際には地上の1.8倍の重力が加わり、身体全体が強力な磁石で床にはり付けられたような状態になる。
その後、高度が最高地点の約1万360メートルに達する前後の約30秒間で、無重力状態を体験できるのだ。
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搭乗前には記念撮影が行われた
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ジェット機に搭乗する様子
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機内は後部にある30人ほどの座席以外は、すべて取り払われている
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機内前方の長さ30メートルほどのスペースが無重力体験の舞台だ
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宙返りでは回転が止まらず、危ういことに
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最初は戸惑いながらも、徐々に無重力状態に慣れてくる
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緊張のあまり前後不覚になっていた筆者は、気づくと宙返りの状態に。回転が止まらず、軽食時にコッペパンを食べ過ぎたことを激しく後悔した。
また、うつぶせの状態で落下した際には、ポケットのデジカメで胸が押しつぶされたり、後から落下してきた巨漢の参加者のギロチンドロップを後頭部に受け、しばしもん絶することもあった。
一方、記者以外の参加者は、スーパーマンのように空を飛んだり、壁を歩いてみたり、空中の水滴を飲んでみたりと、思い思いの無重力状態を体験していた。
なお、実際に無重力状態を体験してみるまでは、遊園地のジェットコースターやフリーフォールでおなじみの「内蔵が浮く感じ」を恐れていたが、一気に無重力空間に突入するためか、それは杞憂に終わった。そんな訳で、無重力体験はとにかくエキサイティングなものだった。
ただ、無重力状態から通常の重力に戻るタイミングでは、危険な態勢を取らないよう注意したほうがいいだろう。内壁や床にはクッションがあるので致命傷にはならないはずだが、記者は垂直落下式ブレーンバスターのような状態で落下し、ひやりとしてしまった。
かくして合計15回の放物線飛行が終わると、体力が残っていた人たち(酔って吐いてしまっり、身体をぶつけて痛がっていた人が複数いた)が、内壁に書かれたNortonのロゴマークの前に集合。Norton 2009のキャッチフレーズである、「You need the speed」と声を揃えて無重力体験の幕が閉じた。
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はじめての共同作業
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記者が唯一まともに撮影できたもの。画像のドイツ人は、余裕に満ちあふれていた
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● 「ノートンで宇宙へGo」キャンペーン
と、ここまで長々と記者の無重力体験をレポートしてきたわけだが、残念ながら、実際に体験してみなければ伝わらない部分が多々あることは事実だ。しかし、無重力をぜひ体験してみたいという読者に朗報がある。
シマンテック日本法人では、「ノートンで宇宙へGO!」と題したキャンペーンを実施し、実際に記者が体験した無重力状態を国内で味わえる無重力飛行を抽選で5名にプレゼントする。
当選者は、国内で「ノートン・ファイター」とともに無重力飛行を体験し、飛行中に撮影されるノートン・ファイターの無重力体験ムービーにエキストラ出演できる。9月10日から10月31日までにノートン製品を購入したユーザーが応募対象だ。
さらに、このほかに抽選で1名を、地上100キロメートルの高さで宇宙飛行を体験できるツアーに招待する。10月31日までにクイズに答えれば誰でも応募可能で、世界中で1名にプレゼントするということなので、興味がある読者は応募してみてはいかがだろうか。
関連情報
■URL
Zero G(無重力体験ツアーのサイト、英文)
http://www.gozerog.com/
今回の無重力体験ツアーの様子(YouTube)
http://jp.youtube.com/watch?v=Fuu7d_yL00o
ノートンで宇宙へGO!~無重力体験プレゼント~
http://japan.norton.com/space/
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( 増田 覚 )
2008/09/18 11:23
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