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自転車×iPhoneユーザーのための定番&最新アプリ


筆者の自転車アプリフォルダー

 サイクリストにはガジェット好きが多い。速度や心拍数、ケイデンス(クランクの回転数)を計測するサイクルコンピューター(サイコン)にはじまり、移動経路や標高をあらわすGPSマシン、動力をはじきだすパワーメーターなど、製品も花盛りの現在。運動を数値化してログ(記録)をとる機材は、自転車乗りにとって欠かせないものになっている。

 そうした専用ツールと並び、サイクリストはスマートフォンの所持率が高い傾向にある。特にiPhoneが挙げられるが、電波の弱さからガラケーと2台持ちという人も多い。にもかかわらず、iPhoneはサイクリストと親和性が高いのはなぜか? それはiPhoneが携帯電話という枠組みを超えて「+α」なガジェットとして認められているからである。

 その「+α」を支えるのが、42万を超えるアプリ群。その中に、さまざまなスポーツに汎用したものから自転車に特化したものまで豊富なジャンルがある。iPhoneをサイコンにしてくれたり、ロガー&ナビにしてくれたり、トレーニングのガイドにしてくれたり……1台を何役にも活用可能な数々のアプリがあるのだ。それをこれから紹介していこう。

 主にGPSを利用したトラッキングアプリになるが、このカテゴリーは一概に「コレがオススメ!」と断言できないのも確か。興味のない人には全部同じように思えてしまうかもしれないが、実はアプリによって細かな違いがあり、人それぞれの好みに分かれてしまう。ここでは代表的なものから目新しいものまでをセレクトしてみたが、多くが無料のお試し版を用意しているので、気になったものはダウンロードして実際に使ってみよう。いくつかテストしていくうちに、自分にフィットするアプリが見つかるはずだ。

 ただし注意。iPhone 4で飛躍的にバッテリーの持ちがよくなり、長い時間GPSアプリを常時表示させることができるようになったが、それでも3〜4時間が限度。それ以上になると、外部バッテリーに頼らないと肝心の電話が使用できないという悲劇が待ちうける。また、自転車にiPhoneを装着するマウントシステムもさまざまな専用品が販売されているが、一長一短で「これぞ!」という決め手に欠けている。

 まだまだ試行錯誤が続く「自転車×iPhone」の世界。それでも果敢にチャレンジしたいと思う人たちのために、アプリの世界をかいま見てみよう。

RunKeeper


価格:無料
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/runkeeper/id300235330?mt=8

 まずは大定番。名の通り、ジョギングをはじめとしたフィットネス全般に対応したトラッキングアプリだ。1年前までは1200円とお高いものだったが、いまでは無料。Android版もあるし、別売りのセンサーとハートレートモニターを装備すれば心拍数も計れるようになった。無駄のない操作性&UIで、サイクリングのログを残すのにもぴったり。経過時間/距離/ペースを自動読み上げしてくれるので、トレーニングで決まったコースを走るときなどに重宝する。なにはともあれ、最初に試してみる価値はあるだろう。

アプリ起動中の画面。平均時速/ペース表示が選べる アクティビティ終了後の画面。左右フリックで1km間隔のペース/マップに切り替わる 端末上でのルート表示 専用サイトにログをアップロードしてPCで閲覧

 


 

iMapMyRIDE+


価格:170円
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/imapmyride-cycling-bicycling/id306561234?mt=8

 自転車に特化したアプリの中でも、特に優れているのが「iMapMyRIDE+」。安定したトラッキングデータを残せることで評価が高く、頻繁なアップデートで機能を増やしている。またANT+に対応した別売りのセンサーを取り付けることにより、ケイデンス/心拍/パワー測定も可能。サイコン専用機に劣らない性能を秘めている。機能を制限した無料版もあるので、まずはお試しあれ。

アクティビティ中の画面。データ画面との切り替えも可能 アクティビティ終了後のマップ画面 端末上でのルート表示。標高もグラフ化される 専用サイト「MapMyFitness」にログをアップロードしてPCで閲覧

 


 

BikeMateGPS


価格:250円
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/bikemategps/id328805688?mt=8

 自転車乗りをターゲットにしたアプリでは、忘れてならないのが「BikeMateGPS」。iPhone登場後に他のアプリに先駆けてリリースされ、日本語ローカライズも早く、ユーザーからの人気も根強い。操作性もフレンドリーで、画面上の情報量の多さの割に見やすいUIが特徴的。一度走ったルートをなぞれるサポート機能、ディセンディング(目標値)機能も役立つ。難があるとしたら、ログのPC閲覧に際して「ZeroOneマッシュアップ」への加入が必要なこと。それを経由してのアップロードに煩わしさを感じるかもしれない。こちらも機能を制限した無料版あり。

アプリ起動中のデフォルト画面。日本語UIが初心者にうれしい 走行中のマップ表示。Googleマップのほか、2タイプ選べる TweetリンクにiPhoneからアクセスしたログ画面 アプリ内にログが保存されているカレンダー画面

 


 

MotionX GPS


価格:250円
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/motionx-gps/id299949744?mt=8

自転車のほか、さまざまな移動系スポーツに向けた汎用GPSアプリ。メカメカしいUIとサウンドがガジェット好きの心をつかむ。トラッキング&ロガーアプリとしての機能は多すぎるほど完備し、使いこなすのに時間がかかるほど。任意に登録した目的地(ウェイポイント)へのナビを実現しているのも特徴的だ。また、「ルートラボ」で作ったオリジナルのコースをGPXファイルに落とし、端末にメールするなどして移植を可能としている。多様な使い方に夢が広がるアプリである。

アプリ起動中のデフォルト画面 トラッキング終了後の画面。写真も加えられる 多彩な検索ホイール。ここから行き先を指定できる ウェイポイントを設定した画面

 


 

CycleOps Mobile


価格:無料
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id445067795?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

 自転車トレーニング製品を扱うメーカーからリリースされたアプリ。上記「iMapMyRIDE+」をベースにマッシュアップしたもので、停止時に計測も止まるオートストップ機能、デフォルトで常時表示などツボを得ている。Twitter/Facebookとの連携もよく、スタート/フィニッシュ時、走行経過、ライブマップのポストが簡単だ。ログデータのアップロード先は「MapMyFitness」で、ルートを3Dで鳥瞰して見るFly-By Video機能が楽しめる。無料アプリなので単体での機能は必要最低限だが、今後に期待。

走行中のデフォルト画面。オートポーズ機能は地味ながら画期的 走行中のマップ表示 走行後のルート確認画面 PC上でログを3D化したFly-By Video画面

 


 

Kinetic GPS


価格:350円
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/kinetic-gps/id369324269?mt=8

 一見、時間/距離/速度のどこを重視したUIがわかりづらい。しかし実際はユーザーのカスタマイズ性が高く、不要な項目は非表示にできるのが特徴。日々のログを保存できる専用サイトがない点はマイナスポイントだが、データのアップロード先にRunKeeperが追加された。また、Twitter/Facebookとの共有機能でデータをオンライン閲覧することは可能。これがとても見やすい。アプリ内でのデータ分析もグラフ化されてわかりやすく、スマートフォンでの使用における完成度は高いだろう。マップのモジュールは使えないが、無料版あり。

シンプルなUIに好感が持てる走行中画面 Current speedをスライドさせ、Speed historyに変更した走行画面 走行後のルート確認画面 TweetリンクからiPhoneのSafariでアクセスしたログ画面

 


 

Map My Tracks OutFront


価格:85円(無料版もあり)
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id347858530?mt=8

 スピードメーターのようなUIが多い自転車関連アプリが多い中、地図と経過時間をメインにした画面が新鮮なアプリ。ルート上のポイントごとの速度確認、他ユーザーのライブアクティビティ閲覧、イベント共有など、多機能でもある。欠点だった自動翻訳による日本語ローカライズも改善されつつある。またスタート/フィニッシュのオートポストはiPhone 4のみ。別売りセンサーにより、ケイデンス/心拍数/パワー測定に対応する。無料版あり。

走行中の画面。地図はOpenStreetMapを使用 ログをTwitter投稿直後の画面 走行後のルート確認画面 ログのPC閲覧画面。ルートに沿って自動再現される

 


 

CheckMyTour


価格:無料
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/checkmytour/id435811866?mt=8

 速度表示などサイコン的な機能は一切省かれており、走行後のデータ確認も最低限。ルートのトラッキング、ジオタグ付き写真など位置情報を介したSNSアプリと考えたほうがいいだろう。Twitterとの連携の良さのほか、各種認証サービスが異常に多い。それは専用サイトにも表れていて、Twitterのタイムラインと同様のつくりはユーザーがお互いをフォローし、情報共有しやすい。いったんアップロードすると端末内にはログデータが残らないため、これらのウェブサイトの使用が前提のアプリだろう。

走行中のデフォルト画面 走行後のルート確認画面 Tweetなどにアクセスしたときの認証画面 iPhoneのSafariで閲覧したCheckMyTourのホーム画面

 


 

pinprick


価格:無料
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/pinprick/id340367823?mt=8

 サイクリストのユーザーが多い、Twitter自動投稿アプリ。自転車に限らず移動中の現在位置、速度、進行方向、標高をタイマー動作により投稿してくれる。ロングライドの最中、あるいはブルベ競技者にとっては、走りに集中できるという安全性が高い。作者もまたヒルクライムを嗜むサイクリスト。旧バージョンからアップデートされたときには、ANT+センサーを接続することによって心拍数/ケイデンス/パワーをつぶやけるような改良が施された。

起動中の画面 ユーザーフレンドリーな設定画面

 


 

MapFan for iPhone


価格:2300円
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/mapfan-for-iphone/id354667360?mt=8

 日本全国の地図データを端末内に収める、オフライン地図アプリ。電波の入らない山間の峠を攻めるようなサイクリストには、ちょっと値段が高いが安心を買えるものだろう。震災後、期間限定で無料となったことで話題を集めたが、常時接続ではないマップはバッテリーの持ちを気にしなくてもいい。ナビ機能を搭載している上、テレビで話題になった飲食店やスポットをガイドしてくれるという機能(オンライン時のみ使用可)もあり。

現在地を示す画面 検索画面。さまざまな手段でのサーチが可能 ナビ画面。自転車&徒歩のほか、一般道&高速でのクルマ移動を選べる テレビで放映された話題のスポットを紹介する画面

 


 

BD-1×自転車散歩


価格:無料
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id383816143?mt=8

 ドイツ生まれの小径車「BD-1」を販売する「ミズタニ自転車」と、山と渓谷社の人気書籍シリーズ「自転車散歩」によるコラボレーションアプリ。書籍で紹介した横浜や鎌倉、京都などの人気コースを、Googleマップ上に表示。ルート上の見所やスポットがピンマーキングされ、タッチすると写真や解説が表れるというつくり。ガイド機能を使えばGPS情報から現在位置を教えてくれて、ルート案内もしてくれる。ゆったりポタリングのお供に最適だ。

魅力的なコースが並ぶコンテンツ画面 コース案内のトップ画面 見所はポップアップで解説が表示される 実際にコースをなぞって走るときのマップ画面

 


 

自転車NAVITIME


価格:350円
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id447024088?mt=8

 移動ナビアプリ「NAVITIME」の自転車版。現在地と目的地を設定することで、自転車で走ることのできるルートを瞬時に割り出してくれる。特徴的なのは「距離が短い」「坂道が少ない」「坂道が多い」「大通り優先」「裏通り優先」といった、ユーザーの好みを反映したナビコース選択ができるところ。脚自慢のサイクリストならば、無論「坂道が多い」を選択することだろう。スポットを検索できる「ドーナツサーチ」も装備している。

ルート画面 音声ガイドによるナビ画面 お好みでナビコースを選べる 目的地近辺のスポットを表示するドーナツサーチ

 


 

竹谷賢二のバイシクルトレーニング


価格:無料(アドオンで各号350円)
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id432459491?mt=8

 これまで紹介したアプリは自転車の「ON」で利用するものだが、これは自転車を降りた「OFF」の時間にじっくり活用できるトレーニグアプリ。4度の全日本選手権優勝とアテネオリンピックXC日本代表の実績を持つ竹谷賢二氏による、ライディング徹底解剖の電子書籍。ポジション、ペダリングなどの基礎レベルからレースレベルまで対応したトレーニング術を指南する。まず無料アプリをダウンロードし、その後はアドオンで各号350円支払うシステム。プロのスキルに触れたい方は、ぜひ豊富なコンテンツを堪能してもらいたい。現在、Vol.4までリリース中。

起動画面。雑誌の表紙風デザイン 竹谷氏本人のペダリングなどを再生できるムービー ロジカルに「自転車で走ること」を教えてくれる構成 無駄のない身体を作るためのエクササイズも解説

 

(取材協力/cyclepistols)


関連情報

2011/8/17 06:00


増渕 俊之
 愛車スペシャライズド・アレーに乗り、多摩サイや尾根幹に出没するフリーランスの編集&ライター。定期媒体は『MdN Design Interactive』『宝島』『自転車人』など。編著に『これがデザイナーへの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』がある。