趣味のインターネット地図ウォッチ

第72回:全国のダムの位置がわかる「DamMaps」 ほか


「キシリクリスタル」のサイトで、のどの乾燥予報

 キャドバリー・ジャパンとウェザーマップは、のどの乾燥予報サイト「のどカラ2予報」(「2」は2乗の表記)を、10月19日から提供開始する。このサービスは、人気のキャンディー「キシリクリスタル」のWebサイト上で提供されるもので、日本地図上に各都市の乾燥の状況を表示する。

のどカラ2予報

 予報は北里研究所病院・耳鼻咽喉科部長の橋口一弘氏の医事監修・指導のもとに開発されたもの。インフルエンザや風邪が流行しやすい気象条件と、大気の乾燥とのどの乾燥の相関性を示す学術論文や過去の情報などをもとに分析される。

 この予報で最も大きな基準となるのが“絶対湿度”の値だ。一般的な気象情報には、気温の上下によって変化する“相対湿度”が用いられているが、のどの乾燥には、大気中の水分量を示す“絶対湿度”が関係していると言われており、気温にかかわらず絶対湿度が11g/立方メートルを下回ると急激にのどが乾燥するという。

 「のどカラ2予報」は絶対湿度の値を基準にして、乾燥対策を必要としない「のどカラ2セーフ(レベル1)」、乾燥が始まる段階を示す「のどカラ2軽(レベル2)」、乾燥に対して注意をしたほうがいい段階を示す「のどカラ2中(レベル3)」、乾燥にかなり注意が必要な「のどカラ2重(レベル4)」「のどカラ2MAX(レベル5)」まで5段階に分けて表示する。

 表示は全国9都市(札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、広島、高知、福岡)の予報を日本地図上にマッピングして、乾燥の度合いを数値およびキャンディーの量によってわかりやすく表示する。更新は1日に2回、6時と18時だ。

 過去5年の東京を例にすると、のどの乾燥は10月から始まり、11月から本格化して、12月から3月にかけてはレベル4以上が2日に1回以上の頻度で出現するという。予報を見て、もしレベル4が出ていたら、加湿器で室内を加湿したり、水分補給をしたり、のどアメをなめたりしたほうがいいそうだ。インフルエンザ問題が騒がれている今、のどを乾燥から守るためにも同サイトを定期的にチェックしよう。

URL
 キシリクリスタル
 http://www.teicalo.com/

小田急電鉄、電車運行状況の提供サービスをリニューアル

 小田急電鉄は、Webサイト上で公開している列車運行状況をリニューアルした。これまでは文字だけで情報提供していたが、新たに画面上に路線状況図を掲載した。


列車運行状況ダイヤ乱れ時のイメージ

 小田急電鉄は、2001年に民鉄で初めてWebサイトによる列車運行状況サービスを提供した鉄道会社で、遅延証明書をWebサイトで発行できるようにしたりと、インターネットの活用に力を入れている。列車運行状況サービスは、Webサイトで初電から終電までの間、小田急全線の運行状況を告知するサービスで、運行トラブルが起きた場合は、その理由や復旧見込みの情報を提供している。

 今回のリニューアルで提供される路線状況図は、小田急線の主な駅を表示した簡易的な地図で、列車の遅れなどが発生した場合は、ダイヤが乱れている区間や事故の発生場所、運休区間の運行状況などを色分けして表示する。振り替え輸送で利用できる路線なども確認可能で、従来の文字だけの情報提供に比べて運行状況が格段に把握しやすくなる。

 なお、列車の遅延については、10分以上列車が遅れた場合に路線状況図に反映し、一部の列車だけが遅れている場合は従来通り、文字だけの情報提供となる。

 列車運行状況サービスを見るには、トップページの上部にあるFlashコンテンツの下の「列車運行状況」をクリックする。平常通りに運転している場合は、路線状況のみが表示される。

 遅延が生じている場合は、黄色い太線と方向の矢印が表示されて、遅れている区間を示すとともに、左上に詳細情報として文字による情報も表示される。最新の路線状況を知りたい場合は、右上の「更新」ボタンをクリックすれば最新情報が表示される。

 これらの運行情報は、携帯電話からも確認可能だ。また、小田急線と相互直通運転をしている千代田線の運行情報へのリンクなども載っている。小田急線を通勤や通学で毎日利用している人は、最新の運行状況をいち早くキャッチするためにも、ぜひこのサイトを活用していただきたい。

URL
 小田急電鉄
 http://www.odakyu.jp/

全国のダムの位置がわかる「DamMaps」

 八ツ場ダム問題などで、全国的にダム建設が注目されているが、そもそも日本にはどれくらいのダムがあるのかと疑問に思っている人もいるのではないだろうか。そんな人にオススメのサイトが「DamMaps」だ。


DamMaps諸元表一覧

 「日本全国Web地図でダムめぐり」と銘打ったこのサイトでは、全国各地のダムの位置がプロットされた地図が見られる。使用している地図はGoogle Mapsで、アクセスすると左にメイン地図が大きく表示されて、右上に小さなサブマップが表示される。メインの地図は、「地図」「航空写真」「地図+写真」「地形」と表示を4種類に切り替えられるが、ダムを見るなら「地形」を選ぶとわかりやすい。

 ダムを示すアイコンには番号が振られており、これは日本ダム協会が提供しているダムの詳細情報データベース「ダム便覧」で使われている番号だ。

 アイコンをクリックすると詳細情報がポップアップ表示される。ここには所在地や河川名、着手/竣工年、堤高、形式、経緯度などのデータが表にまとめられている。さらに、「ダム便覧」へのリンクも用意されており、クリックすると該当するダムの詳細ページが表示される。ダム便覧へのリンクは、詳細データがわかる「全項目表」のほかに、ダムの写真が見られる「フォト・アーカイブス」も用意されているので、各ダムに関する細かいデータから外観写真までを詳しく調べられる。

 もう1つ注目したいのが、Google Earth用のkmlファイルが用意されている点だ。「Google Earth」というリンクをクリックすると、Google Earth上でダムの位置を確認できる。

 検索機能も充実しており、キーワード検索が可能なほか、「県別リスト」というボタンをクリックすると、県別のダムの一覧リストが表示される。また、右メニューの「地図上にあるダムの諸元表を開く」をクリックすると、ダム便覧に掲載されている諸元表のリストと、各ダムの位置をGoogle Mapsで示した地図の一覧も見られる。

 さらに、宿の検索機能やダム付近のピンポイント天気予報も見られるので、ダム見物を趣味にしている人が旅行計画を練るのにも使えるだろう。ダムの分布状況を見ることで、日本のこれからの治水について考えてみてはいかがだろうか。

URL
 DamMaps
 http://www.dammaps.jp/
 ダム便覧
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/TopIndex.html


2009/10/15 11:00


碓氷 貫
フリーライター/編集者。Eコマースや地図サービス、データベース、コンテンツなど、Webサイトの価値を高めるさまざまなサービスをテーマに活動している。地図やハンディGPSを片手に街や山を徘徊する一方で、通販サイトでお買い得品をチェックすることにも余念がない。