趣味のインターネット地図ウォッチ

第90回:iPadで楽しめる地図関連アプリ&サイト特集(1)


 発売以来、高い人気を呼んでいるiPad。すでに手に入れた方も多いと思うが、iPhoneやiPod touchの優れた操作性はそのままに、大画面で高解像度の映像を楽しめるiPadは、地図コンテンツのプラットフォームとしても最適だといえる。というわけで今回は、iPad向けに作られたおすすめの地図関連アプリや地図サイトを紹介しよう。すでにiPadが手元にある人はもちろん、iPadの購入を検討している地図好きの方もぜひ参考にしていただきたい。

Google Earth
http://itunes.apple.com/jp/app/google-earth/id293622097?mt=8
 Google EarthのiPadネイティブ版。機能はiPhone版とほとんど同じだが、iPadの高解像度画面に合わせて使いやすくデザインされている。iPhone版と同様にマイマップやPanoramioの写真、道路などさまざまなレイヤーを表示可能で、大画面の恩恵を存分に味わえる定番の地図アプリといえる。価格:無料。


iPadの傾斜に合わせてビューが動くオートチルト機能も搭載マイマップのデータにアクセスして地図上に表示可能

ArcGIS for iOS
http://itunes.apple.com/jp/app/arcgis/id379687930?mt=8
 GISソフト「ArcGIS」シリーズの1つとして開発されたiPad/iPhone用アプリ。現在地の表示や距離・面積の計測機能に加えて、Webサービス「ArcGIS Online」で提供されているさまざまな背景地図やGISデータを閲覧できる。これらのデータにはBingやオープンストリートマップなどの広域地図も含まれる。価格:無料。


多彩なGISデータを閲覧可能メキシコ湾の原油流出事故のマップ

World Atlas HD
http://itunes.apple.com/jp/app/world-atlas-hd/id364733950?mt=8
 ナショナルジオグラフィックが提供する地図アプリ。小縮尺地図では国境がわかりやすいモルワイデ図法の世界地図が収録されており、衛星写真も表示できる。縮尺を大きくするとマイクロソフトのBingの地図に切り替わり、地図上に現在地を表示させることも可能だ。国ごとの人口や面積、言語、GDPなど細かいデータも収録している。価格:230円。


世界地図では国境が見やすく色分けされている各国の詳細データを調べられる

History:Maps of World
http://itunes.apple.com/jp/app/history-maps-of-world/id303282377?mt=8
 昔の世界情勢を示した地図や、歴史的な事件にまつわる地図を集めたアプリ。高解像度の地図が多数収録されており見応えがある。地図は近代から現代にかけてのものが中心だが、それ以前の古い地図もいくつかある。同様の地図でアジア版やヨーロッパ版などエリア別の有料アプリが同じ販売元からリリースされている。価格:無料。


さまざまな地域や年代の地図を収録1678年のヨーロッパの状況を描いた地図

Waze
http://itunes.apple.com/jp/app/id323229106?mt=8
 ユーザーの走行状態により道路の混雑具合を判断して、渋滞情報を共有できるソーシャルアプリ。地図自体も通った軌跡を収集することで作成されるので、ユーザーが少ない地域では白地図に近いものとなる。まだ日本ではユーザーが少ないため、ほとんど地図は描かれていないが、これまでにない新たなサービスとして注目される。価格:無料。


まだほとんど描かれていない東京都心の地図地図画面は3D表示も可能

H22年度版 地価公示HD
http://itunes.apple.com/jp/app/id380249401?mt=8
 国が公示した日本全国の土地価格を地図上で見られるアプリ。価格帯別や変動率別に色分けして目印を表示する機能を搭載しており、地価の動向を視覚的に把握できる。住宅地や商業地、工業地など用途別に絞り込むことも可能だ。地図上の目印をタップすると各地点の詳細情報も確認できる。価格:350円。


価格帯別に目印が色分けされる目印は用途別に絞り込める

yubichiz
http://latlonglab.yahoo.co.jp/map/(iPad用URL)
http://latlonglab.yahoo.co.jp/service/map.html(紹介ページ)
 iPad向けに新たに設計された実験サイト。道路を指でなぞることで距離を測ったり、沿道の店を検索したりできる。検索した沿道の店は、地図上の店名をタップすることで詳細情報を調べられる。店舗はジャンル別の検索も可能だ。iPadのマルチタッチディスプレイを活かしたインターフェイスデザインということで注目される。


指でなぞった部分の距離を測れる沿道にある店をジャンルで絞って検索可能

マピオンタッチデラックス
http://labs.mapion.co.jp/touchdx/(iPad用URL)
http://labs.mapion.co.jp/blog/product/ipad.php(紹介ページ)
 iPad専用の地図サイト。yubichizと同様、マルチタッチディスプレイを活かした操作性を追求しているが、方向性はかなり異なる。1本指でスクロール移動、2本指で地図の拡大・縮小(縮尺は変わらない)、3本指で縮尺切り替え、4本指で主要スポットの一覧表示となる。マルチタッチでの操作を前提とした作りなので、通常時は画面上に縮尺バーなどが表示されないシンプルなデザインとなっている。


3本指でタッチすると縮尺バーが表示される4本指でタッチするとショートカットメニューやリンク集が表示される

iPad本体の機能
http://www.apple.com/jp/ipad/features/photos.html
 iPadの写真表示方法は、通常のサムネイル表示のほかに「撮影地」という項目があり、これをタップするとジオタグ付き写真を示す目印がGoogleマップ上に配置される。目印をクリックすると写真がポップアップ表示されるので、どこで撮影したのかがすぐにわかるようになっている。


ジオタグ付きの写真の場合、自動的に地図上に目印が配置される


2010/7/15 06:00


片岡 義明
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅-デジタル地図に残す自分だけの鉄道記-」がインプレスジャパンから発売中。