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第128回:地図好きなら要チェック!? 「測量士」「測量士補」の国家試験


 インターネット上の地図サイトをはじめPCやスマートフォンの地図アプリ、カーナビの地図データ、紙の地図帳など、私たちの身の回りには地図があふれているが、これらの地図の土台作りに欠かせないのが「測量」だ。

 測量とは、地上の距離や高さを測ったり、緯度・経度などを調べたり、地図の作成をしたりといった技術や作業のことで、すべての測量の土台となる「基本測量」や、基本測量以外の国や公共団体による「公共測量」を行うためには、「測量士」およびそれを補佐する「測量士補」の国家資格が必要だ。

 国家試験が行われるのは毎年5月中旬の日曜日で、今年も5月20日に行われる。すでに願書受付が開始されており、2月13日まで受け付けている。

 測量士の試験は選択問題のほか記述問題もあり、難易度はけっこう高いが、測量士の補佐を行う測量士補の試験であれば、選択問題だけということもあり、それほど難しくはない。ちなみに測量士および測量士補の有資格者は「土地家屋調査士」筆記試験の午後の部を免除されるという規定があり、それを目的に測量士補の資格を狙う人もいるようだ。

 試験の内容は、「法規」「基準点測量」「水準測量」「地形測量」「写真測量」「地図編集」「応用測量」など分野別に分かれている。測量機材を使って測量するための具体的な手順や計算方法、測量で得られたデータや写真をもとに地図を作成する方法、地図の図法の種類、地形の読み方、地図記号の内容に至るまで多岐にわたる。中には計算問題も含まれるが、三角関数や行列の初歩さえ押さえておけばそれほど難しくない。

 筆者もかつて測量士補の試験に挑戦したことがあるが、数学がそれほど得意でないにもかかわらず、願書を提出してからの3カ月程度の勉強でなんとか合格した。地図が好きな人にとっては興味深い内容ばかりなので勉強も苦にならないだろうし、地図を作成する側からの視点を得ることにより、地図の楽しみ方の幅も広がるだろう。

 インターネット上でも、この測量士補(測量士)試験に役立つサイトがあるので、今回はおすすめの支援サイトを紹介したい。

過去問題集や○×テストが充実した「測量士&測量士補 試験対策WEB」

 測量士および測量士補試験の対策サイトの中では最も充実しているのがこのサイト。試験対策のコンテンツだけでなく、測量に関するさまざまな知識や雑学も学べるほか、土地家屋調査士の試験もカバーしている。また、トップページには測量・地図関係のニュースリンクなども掲載している。

 左メニューから「測量士補」を選ぶとインデックスが表示される。ここでは試験日程や合格率を解説した受験ガイドを用意。さらに過去10年間の出題傾向を「よく出る問題順」で整理して掲載している。

 過去の試験問題もPDF形式でダウンロード可能で、平成6年から23年までの問題を無料で閲覧できる。解答についても答だけを載せるのではなく解説も掲載している。ただし解説文は必要最低限のシンプルな内容なので、より詳しい解説を知りたい人は他サイトか、市販されている過去問題集などを購入したほうがいいだろう。

 また、これらの過去問から抽出した重要ポイントをウェブ上でチェックできる「○×テスト」も提供している。このテストも「法規」や「基準点測量」など分野別に分かれており、分野ごとに数十問が用意されている。○×テストを反復することにより、大事な項目を覚えられる。

 さらに、「測量士補 重要事項集」と題して、頻繁に出題される項目を詳しく解説したテキストも用意しており、PDF形式でダウンロードできる。過去問題や重要事項集のPDFをタブレットやスマートフォンに入れて持ち運べば、いつでも勉強できるので便利だ。

 このほか、測量機材を写真で解説するコーナーも用意されている。角度を計測するための機器であるトランシットやセオドライト、写真測量の仕組み、基準点や水準点、電子基準点などの紹介、平板測量のための器具などの使い方が丁寧に解説されているので、地図を作るにはどのような器具が必要なのか興味ある人におすすめだ。

 測量に関する雑学を集めたコーナーでは、測量用語の読み方や、測量に必要な数学知識などの解説が掲載されており、平方根の解法や誤差伝播の法則などを学べる。また、掲示板も用意されており、測量士や測量士補の試験勉強をする人たち同士で情報交換できる。過去問題集や解説だけでなく、地図や測量に関する幅広い知識を学べるサイトとして、地図好きならぜひ知っておきたいサイトだ。

測量士補試験の合格率 出題の傾向
○×テスト 過去問題
重要事項 測量機材の解説

測量士&測量士補 試験対策WEB
http://www.kinomise.com/sokuryo/

わかりやすいヒント集をダウンロードできる「平成24年測量士・補国家試験解答速報・勉強法」

 「測量士&測量士補 試験対策WEB」と同様に、過去問題集および解説を無料でダウンロードできるサイト。こちらでは2007年から2011年までの問題・解答を入手できる。

 「測量士&測量士補 試験対策WEB」は問題と解答が別々になっていたが、こちらは各問題のあとにすぐ解答が見られる。解説の内容も異なるので、どちらかの内容がわかりづらい場合はもう片方の解説も読み比べてみると理解に役立つかもしれない。

 もうひとつ役立つのが、試験対策のコツおよびヒント集をまとめたPDFだ。試験対策では、近年の問題の傾向が詳しく解説されているのでわかりやすい。ヒント集は分野ごとに抑えておきたい項目を集めたもので、各項目がとても簡潔にまとめられている。カードなどに書いて仕事や授業の合間などにチェックするのにも最適だ。

トップページ ヒント集

平成24年測量士・補国家試験解答速報・勉強法
http://island.geocities.jp/candy200712/

測量の概要やマニュアルを入手できる国土地理院「公共測量」情報ページ

 試験対策サイトではないが、公共測量に関するさまざまな情報を集めたページを国土地理院が提供している。測量士・測量士補試験の受験に関する案内も掲載されている。

 さらにここでは重要な資料として、公共測量の「作業規定の準則」が閲覧できる。これは測量目的に応じた作業規定を作成するための基準として定められているもので、2011年3月に最新版に改訂された。測量士補試験ではこの内容についての質問が多く出題されるので、ぜひチェックしておきたい。対策サイトなどで気になることがあったら、「作業規定の準則」における該当個所を直に読めば知識を補えるだろう。

 測量業界の人向けの専門的な情報ばかりだが、Q&Aなども載っており、試験対策でなくとも地図が好きな人であれば覚えておいて損はない。測量を通じて地図作りの奥深さに触れてみてはいかがだろうか。

国土地理院「公共測量」 「作業規定の準則」

公共測量
http://www.gsi.go.jp/KOUKYOU/index.html
作業規定の準則
http://psgsv.gsi.go.jp/koukyou/jyunsoku/index2.html
測量士・測量士補試験(受験)に関する案内
http://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN-siho-siken.html


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2012/1/26 06:00


片岡 義明
 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。