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第175回

東京・お台場が地理空間情報に染まった「G空間EXPO2013」の3日間

 地図や位置情報、測量、衛星測位、ITSなど地理空間情報(G空間情報)に関連したさまざまな技術やサービスを紹介するイベント「G空間EXPO」が11月14日〜16日の3日間、東京・お台場の日本科学未来館にて開催された。これまで同イベントは2010年9月と2012年6月の2回、横浜市のパシフィコ横浜で開催されたが、3回目となる今回は日本科学未来館での開催となった。

 今回のG空間EXPOは、シンボルゾーンで開催される展示および講演の「G空間EXPOメッセージゾーン」、最新技術の動向などを展示する「地理空間情報フォーラム」、ユニークなアイデアや製品などを紹介する「Geoアクティビティフェスタ」、自治体関係者や教育関係者、一般来場者など幅広い層を対象とした体験プログラム「Geoエデュケーションプログラム」、さまざまな関連組織による「講演・シンポジウム」と、大きく5つに分かれる。

G空間EXPOメッセージゾーン

 巨大地球儀のある日本科学未来館のシンボルゾーンでは、地図や測量、位置情報に関する展示のほか、この分野において第一線で活躍する多彩なゲストを招いてメインステージ上で講演が行われた。

メッセージゾーン
オープニングセレモニー

 会場入口近くには「あの日の東京、みんなはこう動いた!」と題して、東京マラソン当日の人の動きを地図上にビジュアライズした映像が大型ディスプレイに映し出された。この映像は電通、ゼンリンデータコム、ナイトレイの3社の協力によって制作されたもので、人の流れが分かりやすく視覚化されている。また、会場内では来場者向けWi-Fiサービスを提供するとともに、会場内の来場者の位置情報を推定し、Androidアプリ「G空間EXPOナビ」にて会場内の案内サービスを提供した。この会場内の人の流れについても大型ディスプレイで表示された。

東京マラソンの人の動き
会場内の人の流れ

 このほか、UAV(無人航空機)およびバルーン(風船)マッピングによる空中撮影のデモや測量体験コーナーなどが設置されたほか、「G空間タッチ&トライコーナー」と題して、地理空間情報に関連した機器やグッズの展示も行われた。ここでは、谷沢製作所のGPS搭載ヘルメット「Uメット」や、セイコーエプソンのGPS搭載ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの機器が注目を集めていた。さらに、日本科学未来館の入口前では、PCや衛星ブロードバンド車載局を搭載したMozilla Japanのキャンピングカー「Mozbus」も展示された。

バルーンマッピングによる空中撮影のデモ
GPS搭載HMD
Mozbus

 メインステージでは16日、スペシャルナビゲーターとしてDJ TARO氏が登場し、さまざまなステージプログラムが行われた。OpenStreetMap(OSM)のマッパーが集合してデジタル地図の作成を行う「お台場マッピングパーティ!」などのほか、角川アスキー総合研究所の遠藤諭氏による「第2回位置モノ ガジェット&アプリ大賞」も開催。このアワードでは、ビジネスソリューション部門の大賞に谷沢製作所の「GPS搭載ヘルメット」が受賞した。

お台場マッピングパーティ!
GPS搭載ヘルメット

地理空間情報フォーラム

 メッセージゾーンから奥に入ると、地理空間情報に関する技術や機器、ソフトウェア、データ、サービスなどを集めた展示会「地理空間情報フォーラム」のエリアとなる。出展企業は日立グループや、ゼンリン、昭文社、KDDI研究所、ESRIジャパン、アジア航測、国際航業、いいよねっとなど。

 ゼンリンのブースでは、自動車の安全・安心を実現するための「高精度地図データベース」のデモが展示されていた。現在、衝突被害低減ブレーキやレーンキープアシストなどADAS(先進運転支援システム)が注目されているが、ゼンリンではこのADASの進化に貢献するため、今後は高精度地図データベースの開発に取り組んでいく構えだ。具体的には、カーナビゲーション向け地図データにカーブ曲率や速度情報、道路標識、ペイント情報などを組み合わせてドライバーに注意喚起するほか、車両の危険回避に役立つ三次元地図情報の研究開発に取り組む。同社は今後、全国各地で計測車両を走らせながら道路や建物のデータを取得し、高精度地図データベースを整備する構えだ。

ゼンリンの高精度地図データベース

 いいよねっとのブースでは、今後発売予定の新製品として、ハンディGPS「Oregon 650TCJ」とアクションカメラ「VIRB」を用意していた。「Oregon 650TCJ」は地図の拡大・縮小がピンチイン・ピンチアウトで操作できるようになり、スマートフォン感覚で使えるようになったほか、Bluetoothにも対応し、スマートフォンとの連携が便利になった。同製品は2013年中の発売を予定している。「VIRB」は自転車などに取り付けて撮影できるアクションカメラで、GPSが非搭載の日本版スタンダードタイプは年内または来年初めに発売する予定だ。GPS搭載の「VIRB Elite」の日本版は発売が来年になるとのこと。

Oregon 650TCJ(左)とVIRB(右)

 このほか、体験コーナーでは、QZS(準天頂衛星)およびIMES(Indoor MEssaging System)に対応した受信機「QZPOD」を利用した屋内外(シームレス)測位体験ゲームも提供された。受信機とBluetooth通信で接続されたAndroid端末を持って会場内のチェックポイントを巡り、チェックポイントで登場するタップゲームをクリアするという内容となっている。過去にも「ロケーションビジネス・ジャパン」などのイベントで同様のゲームが提供されていたが、今回は屋外にもチェックポイントが設けられた点が従来と異なり、シームレス測位を体験できる。

QZPODを利用した測位体験ゲーム
屋外に設置されたチェックポイント

 ほかにも体験コーナーとして、日本周辺の海の海底地形を三次元で見られる「3D海底地形図」や、G空間EXPOでは恒例となった、距離を測る体験コーナー「歩測大会」なども用意された。さらに、16日には日本科学未来館の近くにある「船の科学館」前の航海訓練所桟橋で大型測量船「拓洋」の一般公開が行われたほか、日本科学未来館の西側グランドにて14日と15日、準天頂衛星「みちびき」のLEX補強信号を用いたセンチメートル級の測位を体験できるデモンストレーションも実施された。

3D海底地形図
歩測大会
測量船「拓洋」
「拓洋」の観測室

 LEXのデモでは、通常のGPSとLEX補強信号を用いた測位とをログで比較することが可能で、GPSだけではかなり誤差が激しく位置も一定しないのに対して、LEX補強信号を用いた場合は動かさずに置いておいても位置がぶれたりせず、数センチ動かしただけでも正確に移動距離が反映される様子が紹介された。ただしデモで使用された受信機はまだ試作段階で、アンテナ部と受信機部が分かれているためかさばるし、測位できなくなるケースも多く見られた。L1-SAIFよりもさらに高精度な測位が可能となるLEXだが、コンパクトな受信機が実用化されるには、まだしばらく時間がかかりそうだ。

LEXのデモ
緑色の物体がアンテナで、下に敷いた袋の中に受信機が入っている
青線がGPSのみのログで、赤線がLEXを使った場合のログ。LEXでは腕を動かして星印を描いている。

Geoアクティビティフェスタ

 地理空間情報に関するアイデアや製品、技術、新サービスなどについて展示やプレゼンを行う場を設けて審査などを行う催しで、計28のプレゼンターが参加した。プレゼンターは個人や企業、大学の研究者、NPO法人、学生、ネットコミュニティなどさまざまな組織が参加した。イベント期間中、これら28の作品について審査員による審査が行われたほか、一般来場者による投票も行われて、2つを集計することで賞を決定するコンテストが行われた。

Geoアクティビティフェスタの展示会場

 最優秀賞には、新潟大学工学部情報工学科(代表:牧野秀夫氏)による「可視光通信とGPSによる高精度屋内外案内システム」が選ばれた。同システムは10cm以内の屋内測位を実現するもので、情報送信にはパナソニックなどの協力を得て開発したLED照明器具を使用。ここから送信された情報を受信機が受け取り、現在位置を推定してディスプレイ上のフロアマップに位置を表示する。従来の可視光通信はフォトセンサーを用いていたため、複数信号の同時受信が難しかったことに加えて、受光範囲が制限されるという問題点があった。このシステムでは受信機に魚眼カメラとCMOSイメージセンサーを使うことにより、広範囲かつ多数の信号を同時に取得可能となったほか、情報の復号と照明位置の把握を同一のセンサーで実現している。

可視光通信とGPSによる高精度屋内外案内システム

 このほか優秀賞として、地球や惑星のデータを映し出す球状ディスプレイ「Personal Cosmos」と、三次元プロッタで制作した地形模型の表面に図面や動画を投影する「精密立体地質模型による地形情報や地質情報の可視化と、博物館・ジオパークなどでの活用」の2作品が選ばれた。

Personal Cosmos
精密立体地質模型による地形情報や地質情報の可視化と、博物館・ジオパークなどでの活用

 さらに奨励賞として、文章を自動的に地図化する地名情報処理システム「GeoNLP」と、GPSおよびGISで除雪状況を管理できる「クラウド型道路除雪管理支援システム」、国土地理院5mDEMと1948年米軍作成1/4800地形図による地形改変判読「沖縄本島中南部切り土・盛り土分布」、人工衛星で観測された12年間の雲の有無を集計してマッピングした「ソーラーパネル、どこへ置く?」、地理情報システム教育を支援する「伊能社中の活動」、過疎地域における移動販売を支援する「もやいマップ」の6作品が選ばれた。

GeoNLP
沖縄本島中南部切り土・盛り土分布
もやいマップ

 受賞作品のほかにも、「ジオで遊ぶ!」をコンセプトにした札幌オオドオリ大学ジオ部や、地理空間情報を扱うオープンソースソフトウェアの普及などを目的に活動しているコミュニティ「FOSS4G」も出展した。

札幌オオドオリ大学ジオ部
FOSS4G

 なお、昨年のGeoアクティビティフェスタで最優秀賞を受賞した位置情報サービス研究機構(Lisra)による特別出展として、同機構が進めている「スマートステーションなごや」構想のブースも設けられた。同プロジェクトでは、無線LAN測位技術や行動経路推定、空間表現の標準化、音声ナビ、クラウドソーシングなどを組み合わせて、駅の利用者の多様な要望に応える情報サービスの実現を目指している。

スマートステーション名古屋の紹介

Geoエデュケーションプログラム

 地理空間情報を体験できるプログラムとして、14日に学校教員向けの「デジタル地図を使った授業づくり」、15日に自治体職員向けの「GISとオープンデータにより地域活動支援」、16日に一般来場者向けの「Geoアトラクションズ」が開催された。

 Geoアトラクションズでは、東京都心部のスリバチ(窪地)の観察を目的としたグループ「東京スリバチ学会」の皆川典久氏がお台場の地域・地形について案内する「東京地歴再発見」、同学会の石川初氏による「GPS地上絵」、マップコンシェルジュ株式会社およびOSMマッパーによるマッピングパーティー(OpenStreetMapの地図作成)などを開催。

東京地歴再発見

 このほか、スマートフォンやGPS機器を使って宝探しをする「G空間キャッシング」も3日間にわたって開催され、16日には初心者向けツアーも行われた。G空間キャッシングはGPSを使った世界的な宝探しゲーム「ジオキャッシング」を参考にしたもので、今回はG空間キャッシングのエリアに限定した専用のiPhone/Androidアプリが提供された。参加者はアプリのレーダーを見ながら探せるほか、チラシに描かれた地図を見ながらでも楽しめる。お宝(キャッシュ)の中にある秘密の番号を記録してアプリから入力するとプレゼントを受け取れる。

G空間キャッシングのアプリ

G空間WAVE2013 gコンテンツワールド+ジオメディアサミット

 G空間EXPOが開催された3日間にわたって、日本科学未来館の7階では3つの会場に分かれて、衛星測位や測量、GIS、位置情報サービスなど幅広い分野の講演が開催された。

 「G空間WAVE2013 gコンテンツワールド+ジオメディアサミット」は、日本最大の位置情報メディア向けフリーカンファレンス「ジオメディアサミット」と、gコンテンツ流通推進協議会による「G空間WAVE2013+gコンテンツワールド」のコラボイベント。ジオメディアサミットの今回のテーマは「ジオデータビジュアライズの世界」で、地図上でデータを可視化する上での新たな表現方法についてさまざまな意見が交わされた。

ジオメディアサミット

 東京カートグラフィックの近藤賀誉氏は、ウェブでの新しい地図表現プロジェクト「cart.e」について語った。都市のデータをもとにして、マウスポインターが重なった周辺だけ注記が表示される地図や、人口分布を円の大きさで表現した地図、地図のベース色が変えられる地図など、さまざまなデザインの地図を紹介。「今までは地図というのは変えられるものではなかったが、これからは変えられることを可能にして、それを標準として使えるものにしたい」と締めくくった。

 データ・ビジュアライゼーションの手法や実例を紹介するサイト「visualizing.jp」を10月に立ち上げたばかりの矢崎裕一氏(インターフェイス・デザイナー)は、「D3で切り開くジオ・データ・ビジュアライゼーションの可能性」と題して講演。矢崎氏はインフォグラフィックとデータ・ビジュアライゼーションの違いについて説明した上で、グラフなどによるデータの視覚化を行うためのJavaScriptライブラリ「D3.js(Data-Driven Documents)」を紹介。「東京微地形模型」などの事例を挙げた上で、「人は自分の身体感覚や五感で世界を認識するので、そこに訴えると、アイデアとしては新しいものではなくても見る人にとってはインパクトのあるものになる」と語った。

 さらに、情報可視化のためのワークフローとして、デザイナー視点で考えられた「Visualizing Data」とジャーナリスト視点で考えられた「Data Journalism Handbook」の2つのメソッドの差を比較。最後にデータ・ビジュアライゼーションに取り組む上で意識すべき点として過去の文献を紹介した上で、今後のデータ・ビジュアライゼーションに必要なものとして、「全体と部分を行ったり来たりしながら比較的容易に、同時に理解できること」「既存の地図フォーマットにとらわれすぎずに、性質の異なるものの相関を表すこと」「データの多角的な見方を用意すること」などを挙げた。

矢崎裕一氏

進化するタブレット地図

 日本地図学会によるシンポジウム。タブレット地図をどう使うか、今後どのようになっていくかについて意見が交わされた。

 国土地理院の宮坂京子氏は「地理院地図データのタブレット利用」について講演。宮坂氏は、国土地理院が10月30日に、これまで「電子国土Web.NEXT」として試験公開していたウェブ地図サービスを「地理院地図」として正式公開したことを報告した上で、国土地理院が提供しているデータとして「基盤地図情報」「数値地図(国土基本情報)」「電子地形図25000」「タイルデータ」の4つについて解説。これらのデータがAndroidアプリ「地図ロイド」やiPadアプリ「FieldAccess HD」などで活用されていることを紹介した上で、数値地図と電子地形図25000は順次、提供範囲を拡大し、基盤地図情報は引き続き無償提供を行っていくと語った。

 日本地図センターの田中圭氏は、11月にリリースしたばかりのiPad版「東京時層地図」を紹介。開発のきっかけや使用しているデータの解説した上で、2画面機能やブックマーク機能などiPad版ならではの機能について解説。今後の展開としては、地理院地図の導入により時代ごとの空中写真を閲覧可能にすることや、標高APIの搭載、Android版の検討、教育現場や博物館などに特化して個別カスタマイズできる機能の搭載などに取り組んでいくと語った。

進化するタブレット地図

アーバンデータチャレンジ東京2013 × Linked Open Data Challenge Japan

 「アーバンデータチャレンジ東京2013」は、自治体が保有するデータの公開や流通促進に向けてデータやツール、利活用のアイデアなどを募集するプロジェクトで、2013年4月にスタート。以後、自治体職員やオープンデータに関心のある企業、研究機関などを集めて、事例紹介や意見交換のイベントを行ってきた。10月にはオープンデータを活用したアプリやデータ、アイデアを募集するコンテストの応募要項も発表されており、エントリーを12月20日まで受け付けている。提出締め切りは2014年1月31日までで、3月1日に受賞作品を決定・表彰する最終イベントを実施する。

 一方、「Linked Open Data Challenge Japan」はオープンデータの普及促進を目的とした日本初のコンテストとして2011年にスタートしたもので、今年度で3回目の開催となる。スタート時より、民間や市民に加えて行政に対しても広くオープンデータに関する呼びかけを行ってきており、幅広い分野のデータ公開活動を積極的に表彰することでオープンデータ推進の流れを支援してきた。コンテストの応募期間は2014年1月6日までで、審査は2014年1月に実施され、3月7日に授賞式が開催される。

 今回はこれら2つのコンテストがコラボしたイベントとなった。最初に各プロジェクトの概要説明が行われたあと、それぞれの側からアイディアの種や課題を発表。「アーバンデータチャレンジ東京2013」からは「防災」「防犯」「農業」「観光」のテーマで、「Linked Open Data Challenge Japan」からは「スポーツとオープンデータ」「メイド・イン・『地元』」「気象観測データ×健康管理アプリで気象病のメカニズムを探る」「統計データから見る地域別健康環境」と、各4つのテーマについて発表が行われた。

 アーバンデータチャレンジの実行委員長を務める東京大学生産技術研究所・准教授の関本義秀氏は、「今回はファシリテーターの方に特定のテーマを用意していただいて、かなり具体的な議論ができたと思いますし、面白い作品につながりそうだと思いました。ぜひ今後、応募に結びつけていただければと思います」と語った。

アーバンデータチャレンジ東京2013 × Linked Open Data Challenge Japan

G空間情報 国際セミナー 地球規模のG空間情報の舵取りと未来

 国連でG空間情報を担当する統計部の前部長であり、今年7月に地球地図国際運営委員会(ISCGM)委員長に就任したポール・チュン教授(シンガポール国立大学)が、日本科学未来館の隣にある東京国際交流館プラザ平成にて、G空間情報をめぐる国連などの最新動向について講演した。地球地図とは、世界各国が自国の公認データとして作成した地図を持ち寄ることで整備が進められている、地球環境の現状を表すデジタル地図で、日本では国土地理院が作成を担当している。

 チュン教授は、地理空間情報の管理において、国家レベルと地球レベルでは大きなギャップがあることや、加盟国間の諮問・政策決定のメカニズムが欠如していることを指摘した上で、地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会(UN-GGIM)の取り組みについて紹介した。UN-GGIMの今後の課題としては、地理空間情報管理について国家および地球規模で共通のビジョンを考えること、地理空間情報の改良・共有・配布について包括的なプラットフォームを考えること、品質保証の原則などを定めること、政府と非政府機関との間で相互に利益が得られる関係を考えることなどを挙げた。

 また、ISCGMの新しい使命としては、地球地図成果品をユーザーが利用するためのウェブサービスを提供するプラットフォームの役割を担うことや、統計学者や専門家と共同で変化を比較・監視するための新技術を開発すること、地球地図の作成から配布までの技術を議論するプラットフォームの構築などを挙げた。

ポール・チュン教授

地図ナイト7 feat.G空間EXPO

 G空間EXPOが開催された日本科学未来館の近くにある東京カルチャーカルチャーでは16日夜、地図・地理・地形をテーマにしたイベント「地図ナイト7」が開催された。地図ナイトは日本地図センターがプロデュースするイベントで、今回は「feat.G空間EXPO」と題して、G空間EXPOの関係者を招いてトークショーを開催。Geoエデュケーションプログラムの「東京地歴再発見」の講師を務めた東京スリバチ学会の皆川典久氏や、マップコンシェルジュの古橋大地氏、“地図マイスター”の太田弘氏などを招いてさまざまなトークが行われた。司会は気象予報士の平井史生と日本地図センターの小林政能氏。

 イベント冒頭ではGeoアクティビティフェスタで奨励賞を受賞した伊能社中による「地図教材コンテスト」の表彰式も行われた。また、参加者には、11月に発売されて間もない新しいスタイルの2万5千分1地形図が配布され、旧地形図との違いについての解説なども行われた。G空間EXPOの“後夜祭”をコンセプトに開催されたこのイベントでは、G空間EXPOから移動した出展スタッフや運営スタッフ、来場者が数多く訪れて交流が深められた。

地図ナイト7

片岡 義明

地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。