趣味のインターネット地図ウォッチ

第197回

位置情報活用アプリ「俺の残業代がこんなに少ないわけがない。」ほか

位置情報により残業代を勝手に計算する「残業アプリ」が登場

 GPSの位置情報をもとに、残業代を自動的に計算できるiPhoneアプリが登場した。株式会社ブレイブソフトの「残業アプリ-俺の残業代がこんなに少ないわけがない。-GPSで自動計算-」だ。同アプリを使えば、iPhoneの位置情報をもとに会社内にいるかどうかを自動的に判定し、残業代を計測できる。指定したエリア内に入ると自動で出勤、離れると退勤と記録することが可能だ。

起動画面

 利用にあたっては、まず初期設定で勤務地や休憩時間、時給などを設定する。ここで登録した勤務地の場所と、GPSによって取得した現在地の場所を考慮して、自動的に出退勤を記録する仕組みになっている。過去のデータを日別・月別で表示することが可能で、メールで送信することも可能。また、手動で退勤時間の修正もできるので、例えば取引先との打ち合わせが長引いて直帰する時などに使うと便利だ。

GPSで勤務地を設定
休憩時間を設定
休日を設定
時給を設定

「出勤エリアに入った」「残業開始」「残業代が貯まった」といった残業状況をプッシュ配信で通知されて、秘書やオペレーター、妹、王様などさまざまなキャラクターによるメッセージが表示される。一定の残業時間を超えると「残業レベル」が向上するシステムになっており、残業レベルは10H〜100Hまで5段階に分けられる。

 勤務地の範囲を細かく変えることも可能で、エリアの円の大きさを50m〜500mの範囲で調整できる。なお、一度記録した打刻時間を修正することも可能だが、信頼性を保つため、修正は退勤打刻から24時間以内に限られている。さらに、今までの打刻の履歴を確認できるほか、残業代をグラフで確認したり、残業レベルをシェアしたりすることも可能だ。

スライダーで勤務地の範囲を調整
残業代を表示
さまざまなキャラクターによるメッセージを表示

 このアプリを使うことにより、毎月の残業代および残業時間を記録し、時給や月給をもとに勝手に残業代を算出できる。もちろん実際にそれが支払われるとは限らないが、たとえ現実には残業代が手に入らなくても、仮に受け取れるとしたらどれくらいなのかを調べるための目安にはなる。また、帰りが遅い人で、家族に仕事が遅くなったことを伝えるツールとしても利用可能だ。工夫次第でさまざまな使い方ができるアプリである。

墨田区産業観光プラザの館内案内O2Oアプリ「猫の案内人」

 墨田区観光協会とボクシーズ株式会社は、東京スカイツリータウンのソラマチ内にある産業観光プラザ「すみだ まち処」において、iOS向け館内案内O2Oアプリ「猫の案内人〜すみだまち処〜」の実証実験を開始した。

起動画面
メインメニュー

 猫の案内人は屋内位置情報サービス「TAGCAST」を利用したアプリだ。TAGCASTはBluetooth Low Energy(BLE)を使った位置情報サービスで、AppleのiOSに標準搭載されているiBeaconとは異なる独自方式として提供している。iOSだけでなくAndroidでも利用可能で、約10mの範囲をカバーしており、ビーコンは電池で約1年間駆動できる。位置情報の管理は専用サイトで行うことが可能で、無料で提供されるTAGCAST-SDKを利用することにより、TAGCAST対応アプリを開発できる。また、アプリへデータを配信する「TAGCASTクラウド」も無料で利用可能だ。

 猫の案内人はこのTAGCASTを使って、すみだ まち処を案内するO2Oアプリである。館内を街に見立てて、iPhoneを使ってバーチャルな街歩きを体験できる。道案内をするのは路地猫をイメージしたキャラクターで、ビーコン電波の受信により、おすすめ商品の場所を鳴き声で知らせてくれるほか、説明文を読んだり、動画を見たりすることもできる。さらに、商品情報を取得するたびに、館内マップ画面に猫のスタンプが押されるのも面白い。

 実際に行って試してみた。Bluetoothをオンにしてアプリを起動し、陳列棚の前を通り過ぎると、「見つけた!」というメッセージとともに館内マップが表示される。GPSのように現在地をリアルタイムにマップ上に表示するというものではないが、館内のどの場所に設置されたビーコンに反応したのかをマップ上で確認できるので、ビーコンの反応とともに自分の現在地も確認できる。ビーコンから電波を受信した際のiPhoneの反応については、基本的に問題なく作動したが、連続して複数の商品コーナーを通り過ぎた時などに、なかなか反応しなかったケースも見られた。このような時はアプリを1回終了させてから再度起動すると、正常に受信できた。

館内を歩くとビーコンに反応
猫のキャラクターが登場

 なお、ビーコンを受信すると表示される「見つけた!」のメッセージをタップすると、オリジナルキャラクターの猫による一言コメントのあとに該当商品の紹介ページが表示される。商品紹介ページでは動画も表示され、その商品に関する詳しい情報を知ることができる。

動画入りで内容を紹介
スタンプラリー画面

 TAGCASTについては、2014年3月に東京・渋谷駅において、国土交通省主導による大規模な実証実験が行われたのが記憶に新しい。この実証実験は通信事業各社や、JR、東急、東京メトロなどの交通事業各社が参加した大規模なもので、ARや音声読み上げによるナビゲーションを提供した。猫の案内人はそれに比べると規模は劣るものの、TAGCASTの使い心地を気軽に試せる機会として注目だ。

ガラス情報投稿サイト「ガラスの世界地図」がリニューアル

 ガラス産業連合会は、ガラス情報投稿サイト「ガラスの世界地図」のリニューアルを行った。以前はオリジナルの背景地図を使っており、拡大・縮小などがやりづらかったが、新サイトではGoogle Maps Engineを使用しており、スクロールや拡大・縮小の操作が格段に使いやすくなった。

ガラスの世界地図
旧バージョン

 アクセスすると世界地図上に数多くのアイコンが配置されており、各アイコンに投稿タイトルが付いている。アイコンは「歴史・文化」「建築」「エコ」「くらし」「その他」とカテゴリごとに色が違うので分かりやすい。左上のボタンを押すと表示されるメニューから、表示するアイコンのカテゴリを選ぶことも可能だ。アイコンをクリックすると、タイトルや投稿コメントに加えて写真も掲載されている。現地で売っているガラス細工や民族衣装に付けるボタン、瓶などさまざまな写真を見られる。SNSで共有することも可能だ。

アイコンをクリックすると投稿コメントや写真を見られる
表示するカテゴリを選択
背景を衛星写真に切り替えることも可能

 また、投稿されているアイコンはカテゴリごとにkmlファイルを出力することも可能で、Google Earth上でも同じコンテンツを楽しめる。残念ながら写真は見られないが、Google Earth上で詳細な説明を読めるのは便利だ。

カテゴリごとにkmlファイルを出力可能
Google Earthでコンテンツを見られる

 投稿の状況を見ると、日本と欧州、北米に投稿が集中しているのが分かるが、それ以外の地域でも意外と投稿が多い。自分で投稿する場合は、サイト内の投稿フォームから写真やテキストを送信可能で、簡単に申し込める。投稿はテキストが100字まで、写真が2点まで。イラストや図版も投稿可能だ。旅先で珍しいガラス細工や工芸品などを見つけたら、投稿してみてはいかがだろうか。

投稿フォーム

片岡 義明

IT・家電・街歩きなどの分野で活動中のライター。特に地図や位置情報に関す ることを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから法 人向け地図ソリューション、紙地図、測位システム、ナビゲーションデバイス、 オープンデータなど幅広い地図関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報ビッグデータ」(共著)が発売中。