清水理史の「イニシャルB」

家族ウケするちょっと便利な付箋メモプリンター
無線LAN対応になったCASIO「memopri MEP-F10」

 CASIOから、付箋を手軽に印刷できる「memopri」の無線LAN対応版MEP-F10が発売された。無線LANに対応したことで、PCはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットからワイヤレスで印刷できるようになったのが特徴だ。オフィス向けの製品だが、リビングに設置すると、意外にも家族ウケが良い便利な製品だ。

「タスク登録→付箋化」を一連の流れで実現

 休日に入った仕事の予定をGoogleカレンダーに登録したついでに付箋にもプリントして、リビングのカレンダーに貼り付けておく。

 期限を忘れないように、子供の学校の提出物の付箋メモを冷蔵庫に貼り付けておく。

 留守中に帰宅した家族宛の伝言をリビングのドアに貼り付けておく。

 「宿題!」と書かれた付箋メモを作って、教科書に貼り付けておく。

 かれこれ数週間、リビングにCASIOのmemopri MEP-F10を置いておいたのだが、意外にも家族が使ってくれる機会が多いことに驚いた。

 CASIOのmemopriは、文字通り簡単なメモを印刷するための小型プリンタだ。何度も貼ったり、はがしたりすることができる粘着性の用紙に、簡単なメモを書き入れて、サッと印刷。それをいろいろなところに貼り付けておくことができる。

CASIOの付箋プリンター「memopri MEP-F10」。新たに無線LANに対応した

 memopri自体は以前から存在した製品だが、今回のMEP-F10で新たに無線LAN対応となったおかげで、置き場所を選ばなくなったうえ、PC、スマートフォン、タブレットと、さまざまな端末からワイヤレスで同時に使えるようになった。

 単純に、常に手元にあるスマートフォンから使えるという理由で、家族が使いやすくなったとも言えるが、個人的には「タスク管理→付箋化」という一連の流れが、生活の中で無理なくできるようになっているのが、今回のmemopriの大きな特徴のように感じる。

 今や個人の予定をスマートフォンなどで管理することが当たり前だが、memopriのおかげで、端末に予定やタスクを入力するついでにメモをコピペして、即座に付箋化することが可能になった。

 これにより、これまでスマートフォンのカレンダーに予定を登録してから、もう一度、リビングのカレンダーに同じ予定を手書きするとか、タスクを入力してから、さらに冷蔵庫にも手書きのメモを貼り付けるといった2度手間、3度手間がなくなり、スマートフォン上の一連の操作で完結するようになったわけだ。

 基本的には、オフィス向けの製品ではあるが、意外に家庭や個人での利用が便利で、場合によっては、家族間のスムーズな情報共有に一役買いそうな製品と言えそうだ。

アクセスポイントモードとクライアントモードを搭載

 それでは、実際の製品を見ていこう。本体は、幅61×奥行き118×高さ68mmで240gと、プリンタとしてはなかなかコンパクトな製品だ。本体上部が開閉式のカバーとなっており、ここを開けてロール式の専用テープ用紙(9/12/18mmを選択可能)をセットすると、印刷された付箋が側面から排出されるというしくみになっている。

正面
側面
反対側面
付属品一式
上部のカバーを開けてテープをセットする

 インターフェイスは、USBに加え、冒頭でも触れたように無線LAN(IEEE802.11b/g)に新たに対応。側面のスイッチにより、MEP-F10を無線LANの親機として動作させるアクセスポイントモードと既存の無線LANアクセスポイントに接続するクライアントモードを切替えることが可能となっている。

 外出先などで利用する場合(オプションでバッテリーも購入可能)はスマートフォンやタブレットを直接接続できるアクセスポイントモードで、オフィスや自宅などで利用する場合はクライアントモードで利用することになるだろう。

 セットアップは、PCにUSBで接続して行なうのが楽だが、スマートフォンやタブレットからアプリを使ってPCレスで実行することも可能だ。

 あらかじめ端末でmemopriのアプリをダウンロード後(iOSはmemopri MEP-IP10、Androidはmemopri MEP-AP10)、MEP-F10をアクセスポイントモードで起動し、「CASIO MEP-F10 AP」という暗号化なしのSSIDに接続する。

 この状態で、アプリから印刷を実行することも可能だが、クライアントモードで利用する場合は、アプリからプリンターの設定を実行し、設定画面から、接続先となる自宅の無線LANの情報を入力すればいい。その後、本体のモードスイッチをクライアントモードに変更すれば完了だ。

 残念ながら、WPAなどのボタン設定には対応していないため、手動で無線LANの設定を行なう必要があること、アクセスポイントモードでは標準で暗号化が設定されていないこと、さらにクライアントモードに設定後、PCから利用する場合はアプリケーション側で接続先の設定変更が必要なこと(アプリの取扱説明書参照)の3点に注意が必要だが、PCレスで設定できるのは魅力と言っていいだろう。

PC用のアプリケーション。USB経由での印刷や初期設定が可能。縦書きなどのスマートフォンアプリでは利用できない機能も利用可能
iOS版のアプリ。文字を入力したり、手書きの文字を印刷できる
スマートフォンアプリからPCレスで設定可能

ぜひ家庭用や個人用の定型文の提供を

 実際の印刷には前述したアプリを利用する。スマートフォンやタブレットの場合、アプリを起動すると、印刷イメージを確認するための黄色いスペースの下に文字入力のためのスペースが表示されるので、ここに文字を入力し(5行まで印刷可能)、イメージを確認してから、印刷ボタンを押せば、ネットワーク経由でMEP-F10から付箋が印刷される。以下が印刷時の映像だ。

 印刷はスピーディで音も非常に静かになっている。さすがに用紙のカットは手動だが、用紙を少し斜めにして、本体のカッターの刃をうまく当てれば、さほど力を入れずに用紙を切り離すことができる。

 一般的な付箋と違って、背面がすべて粘着面となるため、はがすときの余白を考えて貼り付ける必要はあるうえ、粘着性がさほど高いわけではないので、凹凸があるような壁、タブレット端末の画面のようなツルツルした面への貼り付けには向かないが、紙やディスプレイのベゼルなどには、問題なく繰り返し、はがしたり、貼り付けることができるうえ、はがした後もベタつくようなことがない。

 印刷アプリも使いやすく、文字のスタイル(標準、太字、斜体)を切替えたり、手書きで文字やイラストを書き込むこともできる。また、「定型句」が登録されており、「電話がありました」や「チェックお願いします」といったオフィスでよく使うフレーズを入力したり、後からダウンロードして定型句を増やすこともできる。

 また、PC版のアプリを利用すると、縦書きにしたり、イメージファイルから印影を印刷したり、テープの長さを固定して印刷したりと、さらに凝った印刷をすることも可能だ。

 なかなかよく出来たアプリだが、個人的には、やはり家庭や個人で使うことを想定した定型句をもっと増やして欲しいところだ。「何時に帰るから留守番しててね」とか、「明日何時に起こして」など、普段の生活で使えるフレーズがあると便利だ。

 オフィスでの利用を想定しているため仕方が無いが、広い可能性がある製品なので、メーカーとしてもっと思い切った提案を考えてもいいだろう。

手書き文字も入力可能
オフィスでよく使う定型句も用意される
定型句は後からダウンロードして追加することもできる
印刷サンプル。18mmのテープを利用。5行まで入力できる

あると便利なオススメの一台

 以上、無線LANに対応したCASIOの付箋プリンター「memopri MEP-F10」を実際に使ってみたが、うまくすき間を埋めるとでも言おうか、これまで分断されていたデジタルと紙の付箋を1つの流れとして、うまくつなぎ合わせるような製品と言えそうだ。

 無線LAN対応のおかげで、オフィスでの共有もしやすくなったが、個人的には、すでに述べたようにスマートフォンやタブレットが一般的に使われるようになった家庭での利用が意外に面白いと感じた。特に、女性や子供に使ってもらうと、想定していなかったような用途に活用をはじめる可能性が高いので、ぜひおすすめしたいところだ。

 価格も実売で6000円前後とさほど高くないので、リビングに設置して、ぜひ活用してみて欲しい一台と言える。

清水 理史

製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるWindows 8」ほか多数の著書がある。自身のブログはコチラ