第198回:どこでもテレビを楽しめる環境をMacBookで実現
加賀電子のMac向けロケーションフリープレーヤー「TLF-MAC」
加賀電子からMac用のロケーションフリープレーヤー「TLF-MAC」が発表された。製品の発売は6月初旬の予定だが、いち早く試用版を利用することができたので、その機能をMacBookで検証してみた。
今回、加賀電子が発表したロケーションフリープレーヤー「TLF-MAC」の発売は、Macユーザーにとっては非常に興味深いニュースだったことだろ う。ソニーの「ロケーションフリー LF-PK1」は本コラムで以前にレビューしたが、これまで再生環境はWindows、もしくはPSPに限られていた。
しかし、今回の「TLF-MAC」の発売により、Mac OS X上でもロケーションフリーが利用可能になった。ロケーションフリー自体に興味はあっても、自宅のPCがMacであることから利用をあきらめていたユー ザーも少なくないと思われるが、これでようやく利用可能になったというわけだ。
また、ACCESSからもPocket PC 2003以降およびWindows Mobile 5.0に対応した「NetFrontロケーションフリープレーヤー PocketPC用(仮称)」が2006年夏に発売予定だ。ロケーションフリーが利用できるプラットフォームは徐々に拡大されつつある。
正直、ロケーションフリーの前身となるエアボードという製品が登場した時は、価格の問題もあって、ここまで普及するとは到底考えられなった。 LF-PK1の登場で、低価格化とともにWindows上で利用可能になったことでだいぶ敷居は下がったが、それでもマニア向けという印象の強い製品で あった。しかし、現在では、利用可能なプラットフォームがここまで増え、さらにはNTT東西が扱うまでにメジャーな存在にまで成長した。ここは、素直にロ ケーションフリーという商品を着実に進化させてきたソニーの努力を賞賛したいところだ。
今回、クライアントにはMacBookを利用したが、まずはMacBook内蔵の無線LAN機能を利用してLF-PK1に接続しておく(既存の APに接続して利用することも可能)。この状態でCD-ROMからTLF-MACをインストールして起動すると、ベースステーションへの接続画面が表示さ れるので、ここで接続先を選択することになる。LF-PK1を利用するためにはクライアントの情報(TLF-MACのシリアル番号など)をあらかじめ登録 しておく必要があるので、接続先を選択後、LF-PK1背面のボタンを押してクライアントの情報を登録すれば、接続が完了し、すぐにテレビの映像が再生さ れるようになる。
画質に関しては、ベースステーションが同じなので当たり前だが、Windows版とほとんど変わらない印象だ。標準で は画質の設定が「Auto」となっており、帯域によってビットレートが自動的に選択されるようになっている(最高MPEG-4 2Mbps)。このため、無線LANの電波状況が良好な場所では画質的には悪くないが、電波状況が悪い場所では全体的に粗い印象の画質となり、ノイズも気 になる印象だ。詳しくは後述するが、そもそもWAN経由での利用を想定した製品なので、あまり高い画質を求めるのは酷だろう。
もちろん、ビデオ入力経由で接続したHDD&DVDレコーダなどをAVマウスで操作することも可能だ。ビデオ入力に接 続した機器のメーカーやタイプなどをあらかじめ選択し、リモコン画面から操作することで、電源のON/OFF、メニュー操作、録画番組の再生などが行なえ る。
AVマウス+ビデオ入力というのは、技術的に見るとあまりスマートな方法とは言えないが、ビデオ出力可能な機器であれば、ほぼ何でも接続できる ことを考えると実用性はかなり高い。筆者宅では、東芝のRD-H1と松下電器産業のDMR-E500Hを利用してテレビを録画しているが、この両方とも問 題なくTLF-MACからコントロールして映像を再生できた。画面上のリモコンのボタンと実際のHDD&DVDレコーダのボタンの割り当てが必ずしも一致 しないこと、さらにはボタンをクリックしてから画面に反映されるまでにタイムラグがあることには慣れが必要だが、レコーダーの機種を問わず利用できるのは 大きなメリットだ。
残念ながら、筆者は海外から利用したことはないのだが、少なくとも国内の公衆無線LAN経由であれば、画質はあまり良 くないものの、問題なく利用できた。ただし、個人的にはあまり小さいとは言えないMacBookを持ち歩く気になれなかった。また、実際に使ってみるとわ かると思うが、コーヒーショップやファーストフード店などでテレビを見るという行為はなかなか勇気のいる行動だ。やはり出張先のホテルで利用するという使 い方が現実的だろう。
以上、加賀電子から発売予定の「TLF-MAC」を試してみたが、従来のWindows版の機能をそのままMac OS Xでも利用できるため、Macユーザーにとってはお買い得な製品と言える。もちろん、TLF-MACだけでなく、ベースステーションの「LF-PK1」も 購入する必要があるが、個人的にはMAC用のテレビ環境としては悪くない選択肢だと思える。購入を検討してみる価値は十分にあるだろう。
●プラットフォーム拡大でさらに身近になったロケーションフリー
加賀電子のMac OS向けロケーションフリープレーヤー「TLF-MAC」 |
しかし、今回の「TLF-MAC」の発売により、Mac OS X上でもロケーションフリーが利用可能になった。ロケーションフリー自体に興味はあっても、自宅のPCがMacであることから利用をあきらめていたユー ザーも少なくないと思われるが、これでようやく利用可能になったというわけだ。
また、ACCESSからもPocket PC 2003以降およびWindows Mobile 5.0に対応した「NetFrontロケーションフリープレーヤー PocketPC用(仮称)」が2006年夏に発売予定だ。ロケーションフリーが利用できるプラットフォームは徐々に拡大されつつある。
正直、ロケーションフリーの前身となるエアボードという製品が登場した時は、価格の問題もあって、ここまで普及するとは到底考えられなった。 LF-PK1の登場で、低価格化とともにWindows上で利用可能になったことでだいぶ敷居は下がったが、それでもマニア向けという印象の強い製品で あった。しかし、現在では、利用可能なプラットフォームがここまで増え、さらにはNTT東西が扱うまでにメジャーな存在にまで成長した。ここは、素直にロ ケーションフリーという商品を着実に進化させてきたソニーの努力を賞賛したいところだ。
●画質、操作はWindows版とほぼ同じ
では、注目のMAC版ロケーションフリーを実際に試してみよう。基本的な機能に関しては、以前のコラムを参照していただきたいが、使い方はほぼWindows版と同じだ。今回、クライアントにはMacBookを利用したが、まずはMacBook内蔵の無線LAN機能を利用してLF-PK1に接続しておく(既存の APに接続して利用することも可能)。この状態でCD-ROMからTLF-MACをインストールして起動すると、ベースステーションへの接続画面が表示さ れるので、ここで接続先を選択することになる。LF-PK1を利用するためにはクライアントの情報(TLF-MACのシリアル番号など)をあらかじめ登録 しておく必要があるので、接続先を選択後、LF-PK1背面のボタンを押してクライアントの情報を登録すれば、接続が完了し、すぐにテレビの映像が再生さ れるようになる。
TLF-MACをインストール後、接続先を選択する。LF-PK1に接続するには本体側にソフトウェアのシリアル番号などを登録する必要があるため、接続開始後に、本体側のスイッチを押して登録しておく |
画質に関しては、ベースステーションが同じなので当たり前だが、Windows版とほとんど変わらない印象だ。標準で は画質の設定が「Auto」となっており、帯域によってビットレートが自動的に選択されるようになっている(最高MPEG-4 2Mbps)。このため、無線LANの電波状況が良好な場所では画質的には悪くないが、電波状況が悪い場所では全体的に粗い印象の画質となり、ノイズも気 になる印象だ。詳しくは後述するが、そもそもWAN経由での利用を想定した製品なので、あまり高い画質を求めるのは酷だろう。
TLF-MACでテレビを再生したところ。標準では画質設定が「Auto」になっており、電波状況に応じてビットレートが自動設定される。電波状況が良好な環境で、さらに表示サイズを小さめにすれば実用的な画質でテレビを楽しめる | |
ウィンドウを最小化すると、Docに吸い込まれるように格納され、Doc内でテレビを視聴することができる。ただし、ウィンドウが小さいため、実際の視聴には向いていない |
もちろん、ビデオ入力経由で接続したHDD&DVDレコーダなどをAVマウスで操作することも可能だ。ビデオ入力に接 続した機器のメーカーやタイプなどをあらかじめ選択し、リモコン画面から操作することで、電源のON/OFF、メニュー操作、録画番組の再生などが行なえ る。
AVマウス+ビデオ入力というのは、技術的に見るとあまりスマートな方法とは言えないが、ビデオ出力可能な機器であれば、ほぼ何でも接続できる ことを考えると実用性はかなり高い。筆者宅では、東芝のRD-H1と松下電器産業のDMR-E500Hを利用してテレビを録画しているが、この両方とも問 題なくTLF-MACからコントロールして映像を再生できた。画面上のリモコンのボタンと実際のHDD&DVDレコーダのボタンの割り当てが必ずしも一致 しないこと、さらにはボタンをクリックしてから画面に反映されるまでにタイムラグがあることには慣れが必要だが、レコーダーの機種を問わず利用できるのは 大きなメリットだ。
ビデオ入力に接続したDVD&HDDレコーダなども操作可能。リモコンの設定で機種を適切に選択しておけば、画面上のリモコンで再生をコントロールできる |
●WAN経由での再生も問題なし
WAN経由での再生もテストして みたが、こちらも問題なく可能だった。LF-PK1は、ダイナミックDNSを利用して外出先からアクセス可能なアドレスを自動的に設定可能で、しかもルー タのポート設定もUPnPで自動的に行なってくれる。このため、公衆無線LANなど、インターネットに接続可能な環境であれば、どこからでも自宅のLF- PK1にアクセスしてテレビやビデオ入力に接続した機器の映像を再生できる。LF-PK1の設定画面。ダイナミックDNSへの登録やポートの開放などをすべて自動的に行なってくれるため、面倒な設定なしに外出先からも利用可能。公衆無線LANや海外からでもテレビを楽しむことができる |
残念ながら、筆者は海外から利用したことはないのだが、少なくとも国内の公衆無線LAN経由であれば、画質はあまり良 くないものの、問題なく利用できた。ただし、個人的にはあまり小さいとは言えないMacBookを持ち歩く気になれなかった。また、実際に使ってみるとわ かると思うが、コーヒーショップやファーストフード店などでテレビを見るという行為はなかなか勇気のいる行動だ。やはり出張先のホテルで利用するという使 い方が現実的だろう。
以上、加賀電子から発売予定の「TLF-MAC」を試してみたが、従来のWindows版の機能をそのままMac OS Xでも利用できるため、Macユーザーにとってはお買い得な製品と言える。もちろん、TLF-MACだけでなく、ベースステーションの「LF-PK1」も 購入する必要があるが、個人的にはMAC用のテレビ環境としては悪くない選択肢だと思える。購入を検討してみる価値は十分にあるだろう。
関連情報
2006/6/6 10:45
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