いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

早く誰かに譲りたいというときに便利な「メルカリ」

メルカリ
サービス名メルカリ(mercari)
設立日2013年7月
運営会社名株式会社メルカリ
料金出品は無料
URLhttps://www.mercari.com/jp/
登録必要
使用言語日本語、英語

2013年7月スタートから急成長したフリマアプリ

 掃除したら出てきた古い小物、自分にはもう不要だから早く誰かに譲りたい――そんなとき役立つのがフリーマーケット。身の回りに欲しがる人がいなくても、並べておくと意外と売れたりするものです。この取引をインターネット上で展開しているのが「メルカリ」です。

 「メルカリ」は、スマートフォンさえあれば個人間で売買できるフリマアプリ(サービス)です。その名はラテン語の“商いをする”という意味の「mercari」に由来するそうで、iPhoneやAndroid端末のほか、パソコンからも購入できるようになっています。2013年7月にスタートしましたが、その成長は著しく、現在はダウンロード数が日米合計3700万、月間の流通額は国内で100億円超に到達しています。

 「メルカリ」は、売りたい人と、買いたい人をマッチングさせる場ですが、多く受け入れられている理由として、サービス利用のハードルの低さと、スマートフォンしか持たない人でも簡単かつスピーディに出品できる優しいナビゲーション、安心して取引できる補償サービスの存在、の3点が挙げられます。

サービス利用料がかからない

 購入するのにユーザー登録は必要ですが、購入代金や送料、一部の決済手数料を除き、特別な費用はかかりません。また、出品も無料。取引成立時に出品者に販売価格に対して10%の手数料が発生する以外、サービスは無料で利用できます。おかげで、何かいいものはないかと、何となく見にいけますし、売れるかどうかは分からなくても、とりあえず出品できるわけです。

アプリは出品しやすく、次に何をしたらいいかが分かりやすい

サービスは利用者目線で考えられています

 アプリは、スマートフォンでの操作を前提に作られており、ガイドも充実。必要な情報に素早く到達できるよう配慮されています。ガイドには、値段の付け方から具体的な梱包の仕方まで写真入りで紹介されているなど、至れり尽くせり。加えて、出品、購入いずれの場合も、「お知らせ」や「やることリスト」を通じて次のアクションをしっかり通知してくれるので、うっかり失念を防ぎやすくなっています。

「メルカリ」のスマートフォンアプリ
分からないことは左側に表示されるメニューから調べられる
「お知らせ」の例。取引の中で、自分がいまどの状態いるのかを逐一教えてくれます
購入後の画面。取引中の不安を解消させる気配りが感じられます
商品の中を確認して問題ないと評価すると、代金が出品者に支払われます
次は出品者が評価する番で、それが済めば完了だと分かります

 特に親切だと感じるのは出品手続きです。オークションの場合、出品したくても準備が面倒くさいと思ってしまうこともありますが、メルカリは「出品」ボタンをタップしたら、写真の撮影から必要項目の入力までをナビゲートしてくれるので、わずか数分で出品が完了します。

 写真は4点まで掲載できます。撮影条件が悪くても、アプリ内に編集機能も備えているため、見栄えの調整や文字入れも簡単です。

 商品情報の入力画面に移る際は、入力したタイトルをもとに出品カテゴリーも推薦されるので、探す手間が省けます。メーカー名も該当するものがあれば自動的に候補が示されます。商品情報に関する項目は、商品名、商品説明、商品の詳細、配送について、販売価格、の5項目とシンプル。延々とスクロールすることもありません。

 価格は300円~99万9999円の間で付けられますが、販売価格を入力すると、販売手数料10%を差し引いた販売利益を自動的に表示してくれるので、売ってみたら予想外に売上がなかった、といった失敗も防ぎやすくなっています。

商品の入力画面
撮影した写真は、編集機能で調整できます
商品名からカテゴリーが推薦されます
配送方法を送料込みにすると、「らくらくメルカリ便」が選べるようになります
価格を指定すると、自動的に販売利益も知らせてくれます

安心して利用できる支払い方法と、送付

 支払いも、クレジットカード、コンビニ、ATM、dケータイ払いプラス(ドコモ)、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをカバーしているため、困ることはありません。キャリアの支払いを利用する際は、取引ごとに100円の決済定数料が発生しますが、支払い方法として選択したときに手数料も表示されます。

支払い方法は、ユーザーの設定で選択したものが反映されます

 口座番号や送付先などを伝えて直接取引するケースが多いオークションとは異なり、メルカリは商品代金をいったんメルカリが預かるシステムを採用。代金が支払われたと分かったら発送でき、到着してから評価されれば(問題なければ)、代金が出品者に支払われます。このため、粗悪品を送られた、送ったのに支払われないといったトラブルを回避できます。

 売上は振り込み依頼をすることで支払われますが、いったんプールされていることもあり、代金の支払いには、それまで自分が売り上げた売上金を使うこともできます。

 商品の送付方法では、クロネコヤマトと提携した「らくらくメルカリ便」を使えば、匿名かつ補償付きで送ることができます。クロネコヤマトの営業所に持ち込むか、ファミリーマートのファミポートで申込券を出力する必要はありますが、万が一商品が紛失したり破損した場合は、メルカリが商品代金を全額補償するそうです。

 「らくらくメルカリ便」を使うためには、出品時の価格設定を“送料込み”にする必要はあります。販売価格に送料を含めるため、送料にも10%の手数料がかかってきます。しかし「らくらくメルカリ便」では、サイズによる価格差はあっても全国一律料金で、60サイズなら持ち込みで680円が600円になるなど価格は抑えめ。通常配送料との差額はメルカリが負担することで、出品者の負担を軽減させているようです。

さまざまな配送方法が選べます
「らくらくメルカリ便」のメリット
送料込みで距離にかかわらず料金が一律の「らくらくメルカリ便」なら、「送料を教えて」という質問も回避できます

お値打ち商品を探したいなら、早く売りたいなら「メルカリ」

 ネット上で不用品の買い手を探すサービスとしては、ネットオークションが知られています。そのモノに金銭的な価値を感じて、1円でも高く売りたいならオークションが便利。しかし「メルカリ」の場合、新製品でもネットショップと同等の金額で取引できるとは限りません。出品した金額より下がることはあっても、上がることはありません。なぜなら、ベースがフリーマーケットだからです。

 競り合いや終了日時などはなく、購入ボタンをクリックすれば即購入できますが、コメント欄を通じて価格交渉も行われているケースがあるのも現状です。また、ネットオークションでは送料は落札者負担が一般的ですが、「メルカリ」では送料込みの要求が多いという特徴もあります(メルカリ側も送料込みを勧めています)。

 時間はかかっても高く売りたいならネットオークション、安くても早く買い手を探したいなら「メルカリ」と使い分けると良さそうです。

買い手にとっても情報が見やすい画面になっています

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。