いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

6秒ループの真四角動画で世界にアピールできる「Vine」

サービス名Vine
リリース日2013年1月
運営会社名Vine Labs, Inc.
料金無料
URLhttps://vine.co/
登録必要
Vine

日本でもユーザー数を伸ばしている動画共有サービス

 「Vine」は最長6秒までの正方形の動画をBGM付きで作成、共有できる無料のサービス、またはそのアプリ名です。動画の閲覧、共有、作成のほか、メッセージ機能を備えています。iOS、Android、Windows Phone向けのアプリが用意されているほか、再生のみですがウェブ(https://vine.co/)からも利用できます。なお、App StoreではVineアプリの扱いが17歳以上、Google Playでは12歳以上で保護者の判断を推奨とされています。

 利用するには、メールアドレスでアカウントを作成する必要がありますが、Twitterアカウントがあれば、連携させたアカウントを作成できます。Vineのアカウントを作成してから30日以上経過し、なおかつ2つ以上の投稿があれば、オリジナルのURLを持つこともできます。

Twitterアカウントがあれば、連携させたアカウントを作成できます

 Vineの動画の最大の特長は、GIFアニメーションのようにループ再生される点。1回が6秒と短いため、つい何度も繰り返し見続けてしまうという特長があります。

 個人だけでなく企業や世界中の有名人のアカウントも多く、エンターテインメント性の強い作品が数多く投稿されています。ユーザー数は4000万人を超えるとされており、動画のループ数は1日15億回、1カ月のアクティブユーザー数は1億人に達しているといわれています。日本でも高校生をはじめとした若者に人気で、今年2月時点でそれまでのユーザー数の3倍になったそうです。ユーザー増加の背景には、高性能なスマートフォンの普及や、高速通信が可能なネットワーク環境の充実がありそうです。

米国のプロレス団体WWEも、プロレスのおいしいシーンをVineで動画を配信中

 Vineを運営しているのは、Twitter傘下のVine Labs, Inc.です。2012年10月、Twitterが動画共有サービスの新興企業Vineを買収し、2013年1月25日よりサービスをスタートさせました。2013年11月に日本語に対応。2015年1月には子供向けのアプリ「Vine Kids」発表しています。

6秒なので気負わず撮影できる。過去の動画も利用可能

 Vineの楽しみ方は「見る・共有する」「動画を作成する」の2つ。

 アカウントを作成すると、気になるジャンルや世界中のユーザーをフォローすることができます。フォローすることで、自分のホーム画面にさまざまな動画が流れてきます。再生ボタンは特になく、スクロールで動画が画面の中央にくると自動的に再生されます。ウェブ版には「TVモード」があり、動画をフルスクリーンで連続視聴できます。

 誰かに見せたい動画に出会ったら、「いいね!」やシェアをすることができます。共有メニューから選べるのはVineの中でシェアするReVineのほか、Facebook、Twitter、Tumblrの4つ。リンクのコピーも可能です。

ハートマークが「いいね!」ボタンです
矢印入りのアイコンをタップすると、共有画面になります

 自ら動画を作成したくなったら、画面下中央のカメラのアイコンをタップしましょう。もしかしたらその動画がきっかけで、世界中から注目されるかもしれません。

 Vineでは、画面を押している間、動画を撮影できます。最長6秒になるまで、押して止めてを繰り返すことで様々なシーンを組み合わせることができるわけです。撮影済みの動画をインポートし、好きな部分だけ切り出して組み合わせることも可能です。iPhoneのスローモーション機能で撮影した動画もインポートできます。アウトカメラとインカメラの切り替えもできます。

画面を長押しすると記録が開始されます。画面上の緑色のバーが記録時間を表しています
撮影済みの動画も取り込んで、必要な部分だけ切り取って使える

 編集画面ではシーンの入れ換えやBGMの追加も可能です。また作成した動画は1タップで複製できます。編集中でもいったん保存すれば、他の動画を編集することもできます。最大10個まで保存できるので、アイデアやネタに詰まっても安心です。

 このほか、設定ではグリッド線のオンオフや、フォーカス位置の表示、コマ撮り用のゴースト表示、ライトの点灯機能も用意されるなど、バージョンアップのたびに編集機能は充実しているようです。

前に撮ったシーンとつなげるときに便利なゴースト表示も

 動画編集の経験はなくても、Vineにはあらかじめ6秒という時間制限があるため、思い切ってハイライトだけを使えますし、編集にかかる時間も抑えられます。手軽に挑戦できるという点で、ビギナーに優しいサービスといえそうです。

Instagramの動画とどう違う?

 最近人気の画像共有サービス「Instagram」(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/trendsv/20150729_712724.html)にも動画投稿機能があります。ボタンを押している間動画を撮影し、細切れに撮影した動画を1本に組み合わせて投稿できる点で、VineとInstagramは似ています。

 Instagramに投稿できる動画の長さは3秒以上15秒以下と長いため、内容を詰め込みやすくなっています。動画にも写真のようなフィルターを適用できるところも魅力です。撮影済みの動画をインポートすることもできます。しかし、複数の撮影済み動画を組み合わせることはできません。いくつもの動画を一時保存することもできないため、編集はあくまでもその場限りとなります。

 一方、Vineの再生時間は6秒とInstagramの半分以下で、フィルター機能もありません。しかし、撮影済みの動画をうまく組み合わせることで、ストーリー性を持たせ、インパクトのある動画を作りやすくなっています。一瞬の表現に十分な時間をかけることも可能なのです。

 何度見ても笑えるような一発芸的なものはVine、解説ならInstagramという使い分けをしてもいいかもしれません。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。