イベントレポート

CEATEC JAPAN 2016

海馬、映像と音声をWebRTCとVRヘッドセットで体感しながら操作できる遠隔操作ロボット

 「CEATEC JAPAN 2016」のベンチャー&ユニバーシティエリアに出展を行っている有限会社海馬では、遠隔ロボットである「AirPort Concierge CAIBA」と「DALEK(ダーレク) Prototype8」の展示を行っている。

 AirPort Concierge CAIBAとDALEK Prototype8の基本的な仕組みは同じで、遠隔地からコントローラーで操作を行うと、その操作の通りにロボットが動作を行う。インターネット回線を経由して、ロボットに装備されたカメラの映像とマイクの音声が送信され、遠隔地のユーザーが装着するVRヘッドセット「Oculus Rift」でリアルタイムに表示される。操作するユーザーからも音声をロボットへと送信できるので、やりとりすることも可能だ。データの送受信にはインターネット回線が用いられ、約10Mbps程度の速度があれば、十分利用が可能とのこと。

 会場で実際にデモを試してみたが、遅延はやはりある。しかし、約0.2~0.3秒ほどなので、シビアな用途でなければ十分に実用的だった。映像と音声の双方向通信にはWebRTCが使用されている。また、DALEKのウェブサイトに掲載されている情報によれば、遠隔ロボットを構成する部品は汎用的で比較的安価なもので構成されており、今後の一般提供も期待できる。

 海馬によれば、AirPort Concierge CAIBAは、空港などのコンシェルジェサービスや介護支援サービスでの活用が想定されている。一方、DALEK Prototype8は、遠隔地にあるショッピングセンターなどでの支援用途が想定されているという。すでに、安井家具株式会社のファニチャードーム本店での実証実験が行われているほか、2016年度の公募型ロボット実証実験支援事業である「さがみロボット産業特区」に採択されるなど、実用化へ向けた動きも進んでいるとのことだ。