イベントレポート

ジャパンフィッシングショー2017

岸からキャストするワイヤレス魚群探知機「Deeper」、スマホ連携で湖などの等深線マップも自動生成

「ジャパンフィッシングショー2017」のフォーカルポイント株式会社のブース

 釣り具の展示会「ジャパンフィッシングショー」にフォーカルポイント株式会社が初出展し、スマートフォン/タブレット端末と連携するワイヤレス魚群探知機「Deeper」を展示している。「ジャパンフィッシングショー2017」は、みなとみらい・パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区)で1月20日から22日まで開催されており、入場料は当日料金が1300円、小・中学生は無料。

 Deeperは、リトアニアのDeeper, UABが開発した製品。スマートフォンアクセサリなどを販売するフォーカルポイントが日本での販売代理店となって昨年夏より取り扱っており、専用Android/iOSアプリも日本語化されて提供されている。

 Deeperの特徴は、本体が直径約65mm・重量約100gのボール型になっており、釣りの仕掛けと同じように釣り糸の先に結び付けて岸からキャストできること。水面に浮かべた状態でそのポイントの水温、水深や底質などのデータを計測し、ワイヤレス通信によって、岸にいる釣り人の手元のAndroid/iOS端末で確認できるようになっている。

「Deeper」本体

 端末との通信方式やGPS機能の有無などにより、3つのモデルをラインアップ。無線LAN方式・GPS搭載の最上位モデル「Deeper Pro+」が3万2800円、無線LAN方式・GPS非搭載の中位モデル「Deeper Pro」が2万8800円、Bluetooth方式・GPS非搭載の下位モデル「Deeper 3.0」が2万4800円(価格はすべて税別)。各モデル間で数千円の価格差があるが、フォーカルポイントによれば、趣味のガジェットということで、数千円の差ならば最上位モデルを選ぶ人が多く、最も売れているのはPro+だという。

 無線LAN方式のPro+/Proは最大通信距離が約100m、Bluetooth方式の3.0が約40m。それぞれ、岸からそれだけ離れた場所の水中の状況を把握できることになる。ソナーの周波数は、広範囲をスキャンできるワイドビーム(55度)の90kHzと、高精細なデータを得られるナロービーム(15度)の290kHzをアプリから切り替え可能。水深は、Pro+/Proが約80m、3.0が約40mまで対応する。

 このほか、スキャン回数がPro+/Proでは15回/秒となっており、素早く動作する物体を認識可能で、解像度も1.3cm程度までの物体を認識可能だとしているのに対し、下位モデルの3.0ではスキャン回数が7回/秒、解像度が7.8cm程度までという点でスペックに差がある。バッテリーはUSB経由で充電でき、連続動作時間はPro+が約5.5時間、Pro/3.0が約6時間。

 アプリ画面の表示は、一般的な釣り用の魚群探知機と同様のソナー画面などを表示する「リアルタイムモード」のほか、「陸釣りモード」および「ボートモード」、さらに氷上のワカサギ釣りなどでタナを把握しやすいよう特化したインターフェース「穴釣りモード」がある。

ソナー画面(端末に蓄積したログに基づくシミュレーション)
「穴釣りモード」画面(端末に蓄積したログに基づくシミュレーション)

 オプションのDeeper用アクセサリとして、釣り竿のグリップ付近にスマートフォンを固定するためのマウントや、ボート/カヤックにDeeper本体を固定して使用するためのフレキシブルアームマウントも用意。岸からキャストして離れた沖の状況をスキャンするだけでなく、ボート釣りで直下をスキャンする使い方も可能だ。

釣り竿用マウント
フレキシブルアームマウント

 陸釣りモードとボートモードでは、スキャンした範囲のデータをもとにグラデーションで色分けした等深線マップを描く機能も備えている。Deeperアプリ向けに、日本を含む地図データも無料でダウンロード提供しており、オフラインでも利用できる。

 なお、Deeper本体にGPSを搭載していないPro/3.0では、スマートフォン/タブレット端末に搭載されているGPSの位置情報を使うかたちになるため、等深線マップを描けるのは、Deeper本体とそれらの端末が近接する状態で使われるボートモードのみになる。一方、Deeper本体にGPSを搭載しているPro+では、端末と離れた場所の位置情報が取得できるため、陸釣りモードでも等深線マップが描ける。

 また、こうしたデータのログは端末に蓄積され、釣果のあった場所や魚の居着きそうな場所の情報をあとから確認することも可能だ。釣り日誌機能もあり、釣り上げた魚をスマートフォン/タブレット端末のカメラで撮影して、釣り上げた場所の情報とともに記録しておける。

「ボートモード」で等深線のマッピング(画面は、端末に蓄積したログに基づくシミュレーション。湖上でのボートの軌跡とともに、時間軸に沿って確認できる)

 フォーカルポイントによれば、ブラックバスのボート釣りやワカサギの穴釣りのように従来から魚群探知機が活用されていた釣り・魚種はもちろん、各種陸釣りなど魚群探知機の活用が広がるとしている。また、釣りだけでなく、川底・湖底調査などで活用される事例も出てきているという。

本体内部にはLEDライトを内蔵。上部カバーを半透明の夜釣り用カバーに交換することで、夜でも視認性を確保できる