イベントレポート
New Education Expo 2017
学校用の大規模無線LANから「IoT百葉箱」まで、教育ICTを支援するためのサービス・製品など140社が集結
2017年6月2日 06:00
教育関係者向けの展示会・セミナー「New Education Expo 2017」が6月1日~3日、東京ファッションタウンビル(東京都江東区)で開催されている。今回で22回目となる同イベントでは約140社が出展し、教職員・教育関係者165人による70のセミナーを実施する。16日・17日には大阪マーチャンダイズ・マート(大阪市中億)での開催が予定されており、東京・大阪の両会場合わせて約1万2000人の来場が見込まれている。
今年の展示会場は、総務省が全国の小・中・高校への無線LAN導入を発表したことも受け、無線LAN関連のブースなどは非常に活況だという。無線LAN機器・管理ソフトのほか、ICT教育の学習環境を支援するためのインフラ構築サービスの紹介、デジタル教科書・教材、電子黒板の展示などが行われている。
パナソニックシステムソリューションズジャパンでは、内田洋行と共同で開発したという無線LAN管理ソフトを展示。教室ごとの無線LANのオン/オフを切り替えるもので、時間割に合わせたスケジュール運用や電波干渉を防ぐだけでなく、外部からの不正接続のリスクを低減できる。災害時に学校が避難所になった場合には特定の教室の電波を開放するモードも備える。
5GHz帯と2.4GHz帯それぞれに60台以上の同時接続が可能なルーターを各種用意しており、上記のソフトと組み合わせることで安全かつ安定した環境を構築できるとしている。
バッファローのブースでも多台数接続を売りにした無線LANルーター「WAPM-2133TR」や、-25~55度環境下での動作を保証する屋外向けのルーター「WAPM-1266WDPR」を展示。DFS障害回避機能や電波干渉を自動で回避する機能を備える。
WAPM-2133TRは、5GHz帯のW56/W52、W53の2系統と2.4GHz帯の1系統のトライバンドに対応。混雑状況に応じて接続先を振り分けることが可能なため、通信遅延による影響を受けにくく、学校での利用に適しているという。また、アンテナを内蔵することで、児童が誤って折ってしまう心配もないとしている。
温湿度・気圧センサーとウェブカメラ、ゲートウェイがセットになった「IoT百葉箱」も展示されている。全国各地の気象情報をブラウザー上からリアルタイムに把握でき、各拠点で取得したデータを比較することができる。小学校の理科の単元「天気と気温」で主に活用されているという。展示会では、全国の各小学校に設置されているIoT百葉箱から取得したデータと撮影画像を実際に使用したデモを行っていた。
導電性インクを使ったマーカーペンも展示。マーカーは専用の修正ペンを使って消すこともできるため、繰り返しながら電気が流れる仕組みを理解することができる。乾電池を回路図の上に置くだけで通電し、LEDやモーターの配置も自由に決められる。
電子黒板なども多数展示されていたが、アイ・オー・データでは46~80インチの大型液晶ディスプレイにタッチ機能を後付けできる「てれたっち」を公開。工具を使わずサイズ調整が可能になっており、USBポートを備えるPCと接続することで、タッチ機能を備えていない既存のディスプレイを電子黒板として利用できる。なお、画面の操作には専用のタッチペンを用いる。