イベントレポート

Interop Tokyo 2014

Wi-Fiパケット観測で、幕張メッセ来場者の混雑状況をリアルタイム表示

 「Interop Tokyo 2014」と同時開催されている「ロケーションビジネスジャパン(LBJ)2014」の展示会場では、Wi-Fiパケット観測による位置情報を活用したサービスを提供している。

 これは、LBJ 2014実行委員会とNPO法人位置情報サービス研究機構(Lisra)が「WiFiロケーション実験プロジェクト」として提供しているもの。展示会場にいるすべてのWi-Fiユーザーの位置情報を収集し、混雑状況を分析・可視化して表示するとともに、iOS/Android向け公式アプリ「ナノオプトメディアイベント」を利用して会場のマップ上で自分の現在地を確認できる(会場で提供されている無料Wi-Fiサービスへのアクセスが必要)。

KRMライブヒートマップ。ディスプレイ右下にオプトアウト受付の告知がある
Interop Tokyo公式アプリの会場マップで自分の現在地を示している状態

 このプロジェクトにはクウジット株式会社やシスコシステムズ合同会社も技術協力を行っており、Lisraのブースでは、会場内の来場者全体のリアルタイムの滞在状況や混雑状況を表示する「KRM(Koozyt Reality Mining)ライブヒートマップ」のデモ展示も行われている。

 また、このシステムを利用して、特定の時間になると会場マップ上に宝箱のアイコンが現れ、そこに示されたチェックポイントをすべて巡って配られている紙を集めるとノベルティグッズがもらえる「宝の地図を探せ」というイベントも行われている。開始時間は12日・13日ともに11時、13時、15時30分。

開始時間になるとインドアマップ上に宝の地図が表示される

 なお、同プロジェクトで収集された来場者の位置情報データは、個人を特定できないように匿名化処理された後に、プロジェクト参加機関に提供される。このような使い方によって個人情報や通信内容が取得されることはないが、オプトアウト(データ消去)を希望する場合はLisraのブースで申し込むこともできる。LBJに限らず、過去のIT系イベントで来場者の位置情報を収集する事例は何度かあったが、オプトアウトの申し込み窓口を設けているのは珍しく、プライバシーに配慮しながらも収集した位置情報データを積極的に活用していこうという姿勢が読み取れる。

(片岡 義明)