イベントレポート

CEATEC JAPAN 2014

「CEATEC JAPAN 2014」開幕、東芝もメガネ型端末、シャープは「フルスペック8K」出展

 IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2014」が7日、千葉県千葉市の幕張メッセで開幕した。開催は10月11日まで。入場料は一般1000円、学生500円で、ウェブ事前登録者および招待券持参者は無料。また、最終日の10月11日は無料公開日となる。

 今年のCEATEC JAPANは、「NEXT - 夢を生みだし、未来を描け」を開催テーマに、547社・団体が出展。4K/8Kテレビやウェアラブルデバイスなど、次世代に向けた製品や技術の展示が行われている。出展社数は前年より40社減り、2013年まで出展していたソニーも出展していない。

「CEATEC JAPAN 2014」の展示会場

「東芝グラス」などメガネ型ウェアラブル端末に高い関心

 会場で最も多くの来場者の関心を集めていたのはウェアラブル端末で、特にメガネ型の端末には体験コーナーに順番待ちの行列ができていた。

 エプソン販売のブースでは、6月に発売したスマートグラス「MOVERIO BT-200」や、10月2日に発表した脈拍計速機能付きGPS内蔵ランニングウォッチ「SF-810」など、ウェアラブル製品やモバイル製品を展示している。

 「BT-200」は、両眼に画像を表示するメガネ型ディスプレイと、コントロール用の端末からなる製品。Miracastに対応し、映像をワイヤレスで視聴できる。OSにはAndroid 4.0を搭載し、各種アプリも利用できる。

エプソン「MOVERIO BT-200」
コントロール用の端末が付属
GPS内蔵ランニングウォッチ
走行時のデータを確認できる

 東芝のブースでも、メガネ型のウェアラブル端末「東芝グラス」を参考展示している。メガネ右側のつるの部分にある超小型プロジェクターからレンズに映像を投影する方式で、投影機構が視界を邪魔せず、小型軽量な点が特徴。現時点の試作機では、USB接続したスマートフォンやタブレットなどの映像を表示する形で、給電も接続したデバイスから行う。

 利用シーンとしては、工事現場や医療現場など、主に法人向けの用途を想定しており、現時点では2015年内の実用化を目指して開発を進めているという。

参考出展の「東芝グラス」
メガネ右側の超小型プロジェクターから映像を投影
ゴーグル型やサングラス型なども
体験コーナーには初日から行列

 東芝のブースではこのほか、手書き技術搭載のWindowsタブレットを参考展示している。ワコムと共同で開発した「アクティブ静電結合方式」により、走り書きなども可能なペンと紙に近い書き心地を実現。手書きの文字や図形を検索できる機能を持つノートアプリ「TruNote」や、本体内蔵カメラで撮影した写真に対してOCRテキスト変換や台形補正などを行えるキャプチャアプリ「TruCapture」などの体験デモを行っている。

手書き技術搭載のWindowsタブレットを参考展示
細かい文字や図形もスムーズに書ける

4K対応テレビを各社が出展、シャープは「フルスペック8K」

 会場では4K対応テレビの最新モデルや、4K対応の周辺機器などの展示も多く行われている。

 パナソニックのブースでは、液晶テレビ「ビエラ」やレコーダー「ディーガ」など4K対応の最新モデルが並んでいるほか、85型の4K対応タッチディスプレイや、4K対応のケーブルテレビ用STBなどを参考展示している。

 4K対応タッチディスプレイは、85型と大型でありながら、4K表示のためタッチ操作時の至近距離でも表示が高精細な点が特徴。通常のタブレットのようにピンチイン/ピンチアウトなどの操作も可能なほか、複数人で同時に操作できる写真閲覧サービスなどのデモを行っている。

 4K対応のケーブルテレビ用STBは、HEVCデコーダーを搭載し、ケーブルテレビによる4K放送と、各社がサービス開始予定の4K IP-VOD配信の双方に対応。日本ケーブルラボで規格化準備中の第3世代STB機能要件にも準拠する予定だという。会場では、4Kの高精細を活用して、多チャンネルの放送を144分割(12×12)した画面で一度に確認できるといったデモを披露している。

パナソニックのブース
85型4K対応のタッチディスプレイ
4K対応のケーブルテレビ用STB
4K放送と4K IP-VODに対応

 シャープのブースでも、4K対応の「アクオス」などの最新モデルに加えて、「フルスペック8K」対応の85型液晶ディスプレイの試作機を参考展示している。7680×4320画素、120Hz表示、広色域色表現など、世界で初めてフルスペックの8Kスーパーハイビジョンに準拠。64個のスピーカーにより、スーパーハイビジョンの22.2ch音声も再現する。

 シャープのブースではこのほか、6日に発表された「MEMS-IGZOディスプレイ」搭載の7型タブレット「メディアタブレット」も参考展示している。MEMS-IGZOディスプレイは、鮮やかな「高色再現モード」、省電力の「高輝度モード」、超低消費電力の「白黒モード」といった、用途に適した駆動モードを切り替えられる点が特徴。主に法人ユーザーを対象として、2015年上半期に発売予定となっている。

 会場では、屋外では高輝度モードにすることで外光下でも画面が確認しやすく、電子書籍などの閲覧時には白黒モードに切り替えることで超低消費電力で動作できるといったデモを行っている。

シャープのブース
フルスペック8K対応の85型液晶ディスプレイ
MEMS-IGZOディスプレイ搭載の「メディアタブレット」
超低消費電力の「白黒モード」に切り替え可能

(三柳 英樹)