テレビのネット連携、4K技術、節電・省エネ技術など電機メーカー各社が展示


 CEATEC JAPAN 2011の展示会場1~3ホールには、東芝やソニー、パナソニックなどの大手電機メーカーがブースを構え、各社の最新製品や技術を展示している。

 ここ数年のCEATEC JAPANでは、各メーカーとも薄型テレビの最新機種をずらりと並べた形での展示が目立っていたが、地上デジタル放送への移行が完了したこともあってか、新機種が大量に並ぶ光景は少なく、テレビと他の機器やサービスとのネットワーク連携や、4K以上の次世代テレビ、タブレット端末などの展示が増えている。また、東日本大震災の発生もあり、各社のブースでは太陽光発電や蓄電池を組み合わせたシステム、省エネ・節電関連の展示も目立つ。

 東芝のブースでは、3日に発表されたレコーダー「レグザサーバー」や、ブルーレイレコーダー「REGZAブルーレイ」の新モデル、Androidタブレット「レグザタブレット」などを展示。6チャンネル・15日分が録画できるレグザサーバーから、DTCP-IPによりレグザタブレットなどに映像を配信する展示に来場者の関心が高い。

 東芝のブース内では、ヤフーによる「Yahoo! JAPANテレビアシストサービス(仮称)」も参考出品されている。ユーザーが現在視聴しているテレビ番組の情報に対して、関連商品や店舗、検索ワードなど関連情報をヤフーがウェブから集約して、手元のタブレット端末に表示するサービスとなる。ヤフーでは、テレビとの連携が可能であれば東芝に限らず各メーカーのテレビで提供できるサービスだとしており、CEATEC JAPANの展示会場内ではシャープのブースでも同様の展示を行なっている。

東芝の「レグザサーバー」。6チャンネル・15日分が録画できる録画番組や放送中の番組を「レグザタブレット」に配信できる
ヤフーが「Yahoo! JAPANテレビアシストサービス」を参考出品番組関連のウェブ情報をまとめてタブレット端末などに配信する

 ソニーのブースでは、Androidタブレット端末「Sony Tablet」や、電子書籍端末「Reader」、携帯ゲーム機「PlayStation Vita」などの各製品を、実際に手に取って試用できる状態で展示。3DのフルHD動画が撮影できるデジタル双眼鏡「DEV-3」や、ヘッドマウトディスプレイ「HMZ-T1」の体験コーナーには長い行列ができていた。

ソニーのブース「Sony Tablet」「PlayStaion Vita」などの実機を手に取って試用できる

 パナソニックのブースは、「ネットワークAVゾーン」「エナジーソリューションゾーン」の2つのテーマに分かれている。「ネットワークAVゾーン」では9月27日に発表したテレビ向けクラウドサービス「ビエラ・コネクト」や、モバイル機器との連携をアピール。「エナジーソリューションゾーン」では、太陽光発電や燃料電池、蓄電池などを組み合わせ、非常時のバックアップや通常時の電源として利用できるソリューションを紹介している。

ビエラから各種ネットワークサービスが利用できる「ビエラ・コネクト」アプリ太陽光発電や蓄電池などを組み合わせたソリューションを展示

 シャープのブースでは、アイキューブド研究所と共同開発を進めている、解像度3840×2160ドットの「ICC 4K液晶テレビ」や、NHKと共同開発したスーパーハイビジョン(7680×4320ドット)の液晶ディスプレイなど、さらに高解像度な次世代テレビを展示。また、太陽光発電や蓄電池を組み合わせた停電・災害時用のバックアップ電源システムなど、家庭用エネルギーに関する展示も行われている。

シャープのブースでは4Kテレビやスーパーハイビジョンを展示停電・災害時の電源システムなど、家庭用エネルギーに関する展示も多く行われている

 三菱電機のブースでは、デジタルサイネージ技術の利用例として、電車内にアクセスポイントを設置し、スマートフォン向けに運行情報や駅案内、周辺情報などを配信するシステムを展示している。列車の現在位置、停車駅、乗車率など、車両が有するリアルタイム情報の配信や、車両内映像システム(トレインビジョン)などとも連携して情報を配信するもので、現時点では電車内に閉じたLAN内となっており、インターネットへの接続はできない。現在、このシステムは「山手線トレインネット」として、11月2日まで山手線の1編成でサービス実験が行われており、ウェブページでは実験車両が現在どこを走行しているかを確認できる。

三菱電機の鉄道車両向け情報提供サービス現在「山手線トレインエット」として実験中

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(三柳 英樹)

2011/10/4 18:50