Facebookの月間ユーザー数は1000万人、年内にもmixiを抜き去るか


 3月16日、Facebookのマーケティング関連イベント「fMC」が都内で開催された。東京はfMCの開催地に選ばれた都市ではニューヨークに続き世界で2番目となる。なぜ日本のような小さな国が選ばれたのだろうか。世界規模で見れば、まだユーザー数はそれほど多くない。

Facebookアジアパシフィック担当副社長のErik Johnson氏

 こんな疑問にFacebookアジアパシフィック担当副社長のErik Johnson氏は次のように答えた。「日本はいろいろなことが起きている。震災からの復興、高齢化による人口動態の変化。Facebookがやろうとしていることと日本は非常に関連性が高い。Facebookはグローバルなサービスだが、個人的には日本に大きな興味を持っている」。

 だから2年も前から東京オフィスを開設し、日本発の機能をいくつか開発した。2012年2月には世界に先駆けて、日本で「災害用伝言板」を公開した。そして、Facebookの日本人ユーザーの数は飛躍的に伸びてきた。

 Facebook日本担当グロースマネージャーの児玉太郎氏は同日、Facebookの日本人ユーザーが1000万人を突破したと発表した。児玉氏によれば、この1000万人とはPCやモバイルなどデバイスを問わず月に1回でもFacebookにログインしたユーザーの数を指す。

Facebookの月間ログインユーザー数は1000万人を突破

 同様の数字は日本の大手SNS「mixi」も発表している。ミクシィのIR資料を見ると、mixiの月間ログインユーザー数は2011年12月時点で1520万人となっている。現時点ではmixiがFacebookを1.5倍ほど上回っている。しかし半年後、1年後はどうだろうか。Facebookとmixiではユーザーの伸び率が違う。

Facebookの日本における月間ログインユーザー数の推移。2011年後半からは四半期に200万人ペースで伸びている
mixiのユーザー数の推移。震災直後に底上げしたが、それ以降は1500万前後で横ばいだ

 Facebookのアクティブユーザー数の推移を表したグラフからは、1年前はわずか200万人だったことが読み取れる。2011年後半からはユーザー数の増加が加速し、四半期につき200万人というペースでユーザーを増やしている。一方のmixiは震災をきっかけに100万人ほど利用者が増えたものの、それ以降は横ばいだ。Facebookの急成長を見ると、近いうちに逆転が起きる可能性もある。

 Facebookは日本での本格的なビジネス拡大に向けて採用も強化する方針だ。現在、シンガポールに置いている広告/マーケティング部門を東京オフィスに移管するほか、パートナー部門やプラットフォーム部門も東京オフィスで採用する計画だ。

 Erik氏は「これまで日本市場と関連性のあるサービスを児玉さん中心でやってきた。今後はさらにマーケティングやセールスも拡充していきたい。採用の規模感は非公開だが、2012年末には相当拡大していると思う」と語った。

 Facebookの社内の規律に、「Move Fast And Break Things」というものがあるそうだ。より良い結果を出すためにとにかく迅速に動いている。それでも「私たちの旅はまだ1%に過ぎない」とErik氏は語る。「Facebookの技術でできることはまだある。いまとはまったく違ったデザインもあり得るだろう。まだまだやらなければいけないことがたくさんあるんだ」。

Facebookが目指すゴールは遥か遠くにある

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(中村 翔平)

2012/3/19 11:01