Flickr連携の食事カレンダーやライフログカメラも


Food Log

 情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会のデモ展示企画「今ドキッのIT@御殿下記念館2010」では、戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究領域の1つである「共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築」のうち、研究課題「“食”に関わるライフログ共有技術基盤」に関する展示コーナーが設けられている。

 展示コーナーでは、「Flickr」にアップロードした写真の中から、食事に関する写真を抽出して食事カレンダーを生成する「Food Log」も紹介。抽出した写真は月または週表示のカレンダー上にサムネイル表示される。

 また、写真の特徴から何の料理かを推測して食事バランスの情報を提示。推測情報と実際の食事内容が異なる場合には、バランス量を手動で調整できるほか、食事ではない画像が抽出された場合にもドラッグ&ドロップ操作で修正が可能だという。

 現在、カロリー計算補助機能に加え、食事アルバムによるコミュニケーション実現を目標に実験を進めている。このうち、コミュニケーションに関しては、写真の撮影時間で時系列表示し、同じ時間帯に食事をしている他ユーザーと一緒に食事に行く機会を創出できるといった現実のコミュニケーションも期待できるとした。


写真の特徴から食事バランスの情報を提示。手動で調整も可能撮影日時から食事時間帯も表示システム概要

 「食事に関連する行動の可視化に関する研究」では、写真や音声、加速度情報を常時記録する「ライフログカメラ」で得られた情報を、状況ごとにシーンを分割・学習させるシステムを紹介している。

 このシステムでは、各シーンの中で他者との面会や静止しているなどの条件から食事シーンなどを抽出して、PCにインストールしたソフトウェアのタイムライン上に色分けして表示。確認したいシーンをクリックすると、記録した映像が再生される。今後は、抽出するシーンを食事に限定することで、さらなる精度向上を図るという。


「食事に関連する行動の可視化に関する研究」概要食事などのシーン別に色分けして表示シーンを選択すると、撮影動画を再生

 このほか、食事の記録と健康指導基盤を連携させたシステムも紹介。このシステムでは、携帯電話やPCを使って記録した毎日の食事や健康情報をもとに、テレビ電話を通じて食事画像などを確認しながら的確な健康や栄養指導が受けられるという利用シーンを想定している。


食事の記録と健康指導基盤との連携システム。2台のテレビ電話は画面を同期できる過去の健康指導結果なども確認可能PCや携帯電話から記録を登録する

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(村松 健至)

2010/3/10 13:29