歩きながら電力を発電、「歩行発電」の取り組みを紹介


「歩行発電」の試作機

 「NTT R&Dフォーラム2010」において、専用の靴を履いて歩くだけで電力を発電できる「歩行発電」が紹介されている。

 「歩行発電」は、歩行時につま先とかかとの下にあるタンクを順番に踏み付けて、中の流体を靴側面にあるタービンに流し込んで、タービンを回転させることで電力を発電するというもの。従来より開発が進められているが、今年度は発電機部を歩行発電用タービンに合わせて設計を最適化し、小型軽量化を実現した。

 「歩行発電」では平均1.2Wの発電量を達成しており、この数値は携帯電話の通話に必要な電力と同程度になるという。このため、外出時に携帯電話のバッテリー切れを防ぐ対策として「歩行発電」の活用を想定している。

 ただし、携帯電話のバッテリーにどのような方法で充電させるかは検討中だという。案としては、靴からケーブルを出して直接接続による充電方法に加え、靴の内部に予備のバッテリーを装着して、交換用バッテリーを充電させる方法もあるとした。

 このほか、GPS機能を内蔵した靴やLEDライト、ヒーター機能などを内蔵した「次世代機能性靴」の電源用途での利用も想定している。


概要パネル展示コーナーでは説明員が実際に試作機を履いていた発電状況を示すため、靴につけた青色のランプが光る

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(村松 健至)

2010/2/23 19:05