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アイ・オー、低照度撮影や気温・湿度センシングに対応、プライバシー保護のレンズカバーも装備したフルHDネットワークカメラ
2016年6月1日 11:00
株式会社アイ・オー・データ機器のネットワークカメラ「Qwatch(クウォッチ)」シリーズの新製品として、フルHD対応モデル「TS-WRLP」が6月下旬に発売になる。低照度撮影に対応しており、薄暗い場所でもカラー撮影が行えるほか、多様なセンサーを装備。従来モデルにもあった「音センサー(マイク)」や画像の変化を検知する「動作検知」に加えて、「気温センサー」と「湿度センサー」、人や動物など熱を発する物体を水平90度・距離2~5mの範囲で検知する「人感センサー」を追加した。レンズにふたをすることで物理的にプライバシーを保護できるよう配慮しているのも特徴。標準価格は1万7600円(税別)。
CMOSセンサーは200万画素。Qwatchシリーズの従来モデルが100~130万画素で、解像度は最大720p(1280×720)のHDまでだったのに対し、TS-WRLPは最大1080p(1920×1080)のフルHD。フォーマットは、動画がH.264/MJPEG、静止画がJPEG。動画の解像度・フレームレートの設定は、最高画質の1080p・30fpsから、最もビットレートの低い200p(352×200ピクセル)・15fpsまで、5つのプリセットから選ぶ。なお、配信可能な人数は選択した設定によって異なり、最高画質の1080p・30fpsでは1人にしか配信できないが、200p・15fpsでは4人まで可能だ。
CMOSセンサーはソニー製の高感度センサーを採用し、カラーでの低照度撮影に対応した。0.2ルクス程度まで撮影できるという。なお、従来機種の一部で搭載していた赤外線センサーによるモノクロでの暗視機能は、TS-WRLPでは搭載していない。
撮影した映像は、専用のiOS/Androidアプリ「QwatchView」やウェブブラウザーから確認可能。集合住宅などの多段ルーター環境であっても、宅内のTS-WRLPに外出先から接続できる「リモートリンク3」機能に対応している。アイ・オー・データ機器が運用する中継サーバーを経由する仕組みだ。
QwatchViewでは、画面内で動作検知の対象とする範囲や検知レベル、検知の開始・終了スケジュールをはじめ、検知する気温・湿度のしきい値(上限・下限)、音センサーの感度などを設定可能。それら各種センサーによる検知時に、メールやスマートフォンへのプッシュ機能で通知を受け取ることができるほか、宅内にいる人に向けた通知方法として、TS-WRLP本体のスピーカーからブザー音を鳴らすことも可能。ブザー音はセンサーごとにサウンドを選択できるほか、好きな音楽などのMP3オーディオファイルも使用できる。QwatchViewには、気温・湿度の推移を記録してグラフで表示する画面もある。
TS-WRLPにはmicroSDカードスロットを備えており、4GBのmicroSDカードも同梱。各種センサーによる検知時、その前後合わせて15秒間を自動でmicroSDカードに録画する「イベント録画」機能も搭載した。このほか、QwatchViewからの操作で録画を開始・終了する「手動録画」、設定した時刻に録画を開始・終了する「スケジュール録画」も可能。録画データの保存先としては、microSDカードのほか、LAN内のNASも使用できる。どちらのストレージに保存された映像であっても、外出先のQwatchViewからアクセス可能だ。
本体の大きさは直径約98mm×厚さ約39mmの円盤状(突起部を除く)で、重さが約155g。アイ・オー・データ機器によれば、あえて小型化せずにスピーカーユニットの容積を確保することで音質を向上させ、ネットワークカメラを使った通話時に音声を聞き取りやすくしているという。
ネットワークインターフェースは、2.4GHz帯のIEEE 802.11n/g/b対応の無線LANと100BAE-TX/10BASE-T対応の有線LANポート。このほか、今のところ使用してはいないがUSBポートも備えており、今後、照明などを操作する機能をファームウェアのアップデートなどにより追加することなども可能性として考えられるという。電源は、付属のACアダプター。専用のスタンドも付属しており、机上などに設置できるほか、壁のフックへ掛けたり、ネジ止めしての固定が可能だ。
本体にはレンズ全面を覆うカバーも備えており、その場にいる人が物理的にプライバシーを保護することもできる。このほか、QwatchViewからの操作やスケジュール設定によってカメラ映像を暗転させる「プライバシーモード」も備えている。
なお、TS-WRLPを使用開始する際には、カメラのデフォルトパスワードの変更を促し、変更を行わないと運用できない仕様にすることで、第三者からネットワークカメラをのぞき見されるトラブルを起こさないようにしたという。その一方で、管理者以外のユーザーに対して、カメラ映像の視聴と静止画の撮影のみ行えるようにする「ユーザー権限」のアカウントを発行できる機能を備えている。ユーザー権限のアカウントに生成されたQRコードをスマートフォンで読み込むことで、簡単にカメラを共有できる仕組みだ。