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IT系メディアで記事に「いいね!」が239件付いたら偏差値60、ビジネス系だと偏差値48~50で月並み……「いいね!偏差値」発表

 PR事業を手掛けるアウル株式会社は29日、ウェブ上のエディトリアルコミュニケーションの効果を可視化するための新たな指標として、「いいね!偏差値」なるものを発表した。同社によれば、ウェブニュース記事に付く「いいね!」は、そのメディアのカテゴリーによって“付きやすさ”が異なるとし、例えばビジネス系メディアではIT系メディアよりも約3.8倍「いいね!」が付きやすいことが分かったと説明。IT系メディアのニュース記事で239件の「いいね!」が付いている記事は偏差値60となり、ソーシャル上での反響が大きかったと評価できる一方、ビジネス系メディアで239件の場合は偏差値48~50にとどまり、反響は月並みとしている。

 2016年3~5月に掲載されたウェブニュース記事の中から、「ビジネス」「グルメ」「IT」「旅行」「スポーツ」「女性」の6カテゴリーでそれぞれ想定ページビューが上位10位までのメディアを選定。各メディアからランダムに50記事を収集し、計60メディアの計3000記事を分析した。その結果、記事1本あたりの「いいね!」の件数が、IT系メディアでは平均83件だったのに対し、ビジネス系メディアでは平均314件だったことから、「いいね!」の付きやすさに約3.8倍の開きがあるというわけだ。

 6カテゴリーの中では、ビジネスのほか、グルメも「いいね!」が付きやすい傾向にあり、逆に最も付きにくいのは女性カテゴリーだった。例えば、ビジネスでは874件、グルメでは804件の「いいね!」が付いて初めて偏差値60に到達するが、旅行では471件、スポーツでは249件、ITでは239件、女性では144件付けば偏差値60と評価される。

 アウルによると、ウェブメディアに取り上げられた記事のPR効果を測定する指標として、近年では、記事に付いている「いいね!」「シェア」「コメント」などのFacebookプラグイン(FBP)数を定量的な指標として見る動きが広がっているという。しかし、掲載先のメディアのカテゴリーの違いによってFBPの付きやすさが異なるとの仮説が立ったため、同社が4月に発足させたウェブニュースの研究チーム「AUR Research Institute」がこの仮説を検証し、今回、「いいね!偏差値」として発表した。

 アウルでは、「『いいね!偏差値』を用いることで、PR観点からその記事が“効果的であったかどうか”を判断する指標になるだけでなく、『いいね!偏差値』が高い記事に共通するコンテンツの傾向を分析することによって、世の中で話題になりやすいPR企画の立案や切り口の創造がしやすくなると考えられる」としている。