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ニフティ、個人などのホームページ14万件が1カ月後に自動消滅、サービス終了の「@homepage」、8割以上が放置されたまま

「@nifty」会員サポートページ。「@homepage」サービス終了の告知を大きく掲示している。サービス終了を1カ月後に控え、さらに「@nifty」のトップページでもページ上部の目立つ位置で掲示を開始した

 「@nifty」のISP接続会員向けに1999年から提供されてきた無料ホームページサービス「@homepage(アット・ホームページ)」が、すでに告知されていた通り、9月29日15時に終了する予定だ。その受け皿として、現行サービス「@niftyホームページサービス」において移行者専用の「ミニ」プランが無料で用意されているが、移行していない@homepage上のホームページはサービス終了とともにアクセスできなくなり、データも@niftyのサーバーから消去される。

 ニフティ株式会社によると、サービス終了を告知した今年1月の時点で、@homepageにホームページが現存するアカウントは約17万件弱。8月26日現在、そのうち移行が済んだのは10%。また、解約・閉鎖したのは6%。残りの84%は、移行も閉鎖もされないままとなっている。8月に入って、サービス終了が間近に迫ってきたということで移行数は増加してきているというが、そもそも母数が大きいためにかなりの数のホームページが@homepageにまだ残っている状況だ。

 @homepageの最盛期だった2003年には、約34万アカウントが同サービスでホームページを運用。これまでに開設されたホームページは累計60万件弱に上る。しかしその後、ブログやSNSなどの普及もあって利用は減少。現存する約17万件弱においても大部分は更新が止まったままとなっており、現在も頻繁に更新していると思われるのは、企業、各種教室、団体組織などのホームページを中心に約1万件のみだという。

 そのため、まだ移行作業も解約・閉鎖手続きもされていないホームページは、すでに更新が止まったまま放置されていたホームページである可能性がある。また、@homepageのサーバーからデータをダウンロードして手元に保存したり、他社サービスに移行した上で、あとは@homepageのホームページが自動消去されるのを待っているアカウントが含まれる可能性も考えられる。あるいは、もっと早い時期にホームページを閉鎖したかったが、@niftyのアカウントやパスワードを失念したまま再発行などをする手間がわずらわしいためにそのままとなっており、この機会に過去のホームページが自動消去されるのを待っているアカウントもあるかもしれない。

 しかしいずれにせよ、8月26日時点で@homepageに残っているホームページが仮にそのまま何も手続きがなされなければ、14万件あまりのホームページが9月29日15時には自動消滅することになる。ニフティでは、サービス終了案内を会員宛メールで継続して告知してきたほか、会員サポートページにも大きく掲示。さらにサービス終了を1カ月後に控え、@niftyトップページの上部でも掲示を開始。「ユーザーにとって予期しない終了にならないよう、できる限りのアナウンスをしていく」としている。

 なお、移行専用プランの「@niftyホームページサービス ミニ」は基本容量が標準で2GBあるため、標準で50MB、有料オプションを使っても最大300MBだった@homepageからは大幅に増量される。その一方で、@homepageのホームページの大半で使用されていたとみられるアクセスカウンターの機能や、ウィザード方式でページを簡単に作成できるツール「サクサクかきあげ君」「簡単マイページ設定」といった機能は用意されていない。また、@niftyホームページサービスへの移行後はホームページのURLが変わってしまうが、サービス終了期限までに移行を完了させれば、旧URLで2018年3月29日まで移転通知ページを表示可能だ。