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キヤノン、ウェブサーバー内蔵とSDK提供で、業務用ウェブアプリでの操作を実現したドキュメントスキャナー「ScanFront 400」
2016年11月28日 13:00
キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、キヤノン電子株式会社製ドキュメントスキャナー「imageFORMULA」シリーズのビジネス向け新製品「ScanFront 400」を12月1日より販売する。市場想定価格は22万8000円(税別)。
ScanFront 400は、2013年11月発売の同330の後継機種。10.1型のタッチパネルを装備し、キヤノン製コピー機と同一のインターフェースでスキャン機能を利用できる。
カラー/モノクロ問わず最大45枚/分の高速なスキャンが可能で、1パスでの両面のスキャンが行える。用紙は最大で幅216mm、長さ356mmの読み取りに対応し、原稿台には60枚までをセット可能。パスポートやカードなど、1.4mm厚のものまでの読み取りに対応する。また、用紙サイズや原稿の傾き、文字向き、重送の自動検知機能や、白紙スキップ機能を備える。
出力解像度は最大600×600dpi。保存可能なファイル形式はPDF/TIFF/JPG/PNG。本体サイズは、トレイを閉じた状態で305×282×230mm(幅×奥行×高さ)、トレイを開けた状態で305×629×366mm(幅×奥行×高さ)、重さは約4.5kg。
ネットワークは1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tに対応しており、スキャン専用のPCなどを導入する必要がなく、単体でスキャンを行って、ネットワークフォルダーやFTP、USBメモリへのデータ保存、メール送信、印刷、FAX送信などが行える。紙文書の取り扱いが多い銀行などの金融機関や医療機関、官公庁、流通業での利用が想定されており、情報漏えいの懸念がある無線LANは非搭載。USB 2.0ポートは、キーボードとマウスの接続用を合わせて計3ポートを搭載する。
タッチパネルに表示するボタンはユーザーごとに設定でき、そのユーザーが業務に使うボタンだけを設定できる。スキャン終了後には画面内にプレビューが表示され、スキャン枚数やページ数を確認してからサーバーに直接送信できる。WebDAVとSFTPにも新たに対応し、セキュリティを確保したデータの送信が可能になっている。
業務システムではシンクライアントやウェブアプリへの転換が進んでいるのに対し、従来機種ではウェブサーバーを別に用意する必要があり、対応できていなかった。新機種となるScanFront 400では、ウェブブラウザーとウェブサーバーの機能を本体に搭載しており、こうした環境での利用も可能になった。
また、SDKも提供しており、ウェブアプリからデバイスの機能を利用する「Webアプリケーションモード」も搭載。基幹システムとの連携など、社内ワークフローに組み込んで機能をカスタマイズすることも可能。
同社によれば、スキャナーの出荷台数はインドやアフリカで伸びているため世界全体では横ばいだが、国内市場は2012年の“自炊ブーム”をピークに縮小している。しかし、ハイエンドから8万円くらいまでのミドルレンジの市場は微増を続けており、今後の成長が見込まれるという。