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公衆Wi-Fiのメンテナンスにも活躍――、ネットスカウトのネットワーク可視化ツールがもたらす価値

ITインフラSummit 2017 セッションレポート

 1月30日に開催されたイベント「ITインフラSummit 2017」に、NetScout Systems(以下、ネットスカウト)のAmit Rao氏(Asian Pacific Region General Manager)と、日本法人の杵鞭俊之氏(チャネルアカウント マネージャー Japan&Korea)が登壇し、Wi-Fiなどのネットワークのトラブルを解決するための同社製品の機能を紹介した。さらに、小田急電鉄が公衆Wi-Fiサービスのメンテナンスをネットスカウト製品によって効率化した事例を紹介した。

NetScout SystemsのAmit Rao氏(左)と杵鞭俊之氏(右)

 ネットスカウトはネットワークパフォーマンス管理製品のベンダーだ。2015年にネットワークテスターのFluke Networksや、ネットワークセキュリティのArbor Networks、トラフィックテスト機器のTektronix Communications、ネットワークパケットモニタリングのVSS Monitoringを買収し、自社製品としている。Rao氏と杵鞭氏も、Fluke Networks出身だ。

 Rao氏は、主にWi-Fiによってネットワーク運用が難しくなっていることを解説した。ノートPCやモバイル機器などによってWi-Fiへの接続が増え、ビジネスにも重要なものとなっている。5年で45%の接続がWi-Fiとなり、トラフィックの2/3はモバイルとなるという調査結果を氏は紹介した。

 その一方で、ネットワーク運用人員の数やスキルはWi-Fi利用数ほどには伸びず、特に地方拠点には人員やスキルが不足することになる。

 またWi-Fiでは、同じ部屋でも場所によって電波状況が変わり、複数のアクセスポイントや電子レンジのような電波源からの干渉の問題もあり、目に見えないものをもとにトラブルシュートしなくてはならない。

 「この問題に対応するには、プロセスを標準化して単純化すること、ネットワークを可視化すること、地方の現場とエキスパートが協力できるようにすることが必要だ」とRao氏は述べ、それに対応するネットスカウトの製品を紹介した。

 Rao氏は、ネットスカウト製品によって「問題解決を標準化して、複雑なものをシンプルに解決する」と説明した。診断したいことをスクリプト化することにより、「TEST」ボタンを押すだけで合否判定ができる。さらに、分析や解決の手順をガイドとして示し、それに従って適用していくことで問題を解決できるという。

 また、状況を可視化するだけでなく、それをどこからでも参照できるようにする。それにより、地方拠点のデータをもとに本社のエンジニアがトラブルシューティングできるという。

プロセスを標準化して単純化すること、ネットワークを可視化すること、地方の現場とエキスパートが協力できるようにすること
ネットスカウト製品によって、問題解決を標準化し、複雑なものをシンプルに解決する
可視化したものをどこからでも参照できるようにして解決につなげる
無線・有線と現場・エンジニアで分けたネットスカウト製品群

 こうした特長を生かしたケースとして、小田急電鉄の事例を杵鞭氏が紹介した。

 小田急では2013年に、全70駅で携帯キャリアなどの公衆Wi-Fiスポットを設置した。そこで課題となったのが、障害時のWi-Fiのメンテナンスだ。Wi-Fiのメンテナンスも鉄道の保安員が担当する。そこで、誰もが使え、持ち運びがしやすく、瞬時かつ確実に情報を取得できるトラブルシューティングのツールが必要とされた。さらに、障害をサービスプロバイダーに即時報告することが義務づけられていたため、時間をかけずにレポートする機能も求められた

 そこで選ばれたのがNetScout Aircheck(当時はFluke Networks製品)だった。プロファイルを設定しておくことで、ボタン1つでネットワーク状況をすぐに把握できるようになり、トレーニングも不要だったという。さらに、ワンボタンで状態が保存されて、付属ツールで数秒でレポートできるようになったという。

 その結果、エキスパートの人数や負荷を軽減してTCOを削減でき、顧客満足度を向上したという。杵鞭氏は最後に「いまではこのテスターがないと管理が難しい。導入してよかった」という小田急電鉄の声を紹介した。

小田急のWi-Fiスポット
課題:誰もが使え、持ち運びがしやすく、瞬時かつ確実に情報を取得でき、時間をかけずにレポートできるツール
NetScout Aircheck導入による問題解決
ネットスカウトとSCSKによるブースでの展示