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iOS 10.3では構成プロファイルによりIPv6対応が可能に、IIJが発表

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は28日、iOS 10.3では「構成プロファイル」により、それまで設定できなかったIPv6の有効・無効の設定を上書き可能になったことを同社公式ブログで明らかにした。

 Appleでは、世界中の通信事業者キャリアの情報をとりまとめ、iOS向けに「キャリア設定」として配信している。この情報はユーザーやMVNO事業者が書き換えることはできない。

 IIJなどのMVNO事業者は、APN設定などの情報を「構成プロファイル」として提供している。構成プロファイルでは、APN設定のほか、VPNやメールアドレス、アプリの設定を行うことができる。しかし、IPv6の設定項目はキャリア設定にあり、構成プロファイルでこの設定を変更することはこれまでできなかった。

 NTTドコモのキャリア設定は、IPv6が無効に設定されており、IIJの提供する「IIJmioモバイルサービス タイプD」などのドコモ回線を利用するMVNO事業者のSIMではIPv6を利用できなかった。

 しかし、iOS 10.3では、キャリア設定に含まれるIPv6の有効・無効の設定が、構成プロファイルにより上書き可能になった。これにより、IPv6に対応するMVNO事業者が提供する通信サービスでの利用が可能になったという。

 ただし、IPv6に対応しないMVNO事業者が提供する通信サービスでは、設定が行えるだけでIPv6を利用することはできない。

 なお、IIJによれば、KDDIのキャリア設定ではIPv6が有効になっていたため、auの4G LTE回線を利用する「IIJmioモバイルサービス タイプA」などで、従来からIPv6の利用が可能だったとのこと。

 IIJでは公式ブログで、IPv6に対応したIIJmioモバイルサービス用のAPN構成プロファイルファイルを先行公開している。ただし、十分な実績がないため、ある程度のトラブル対応が自身で行えるユーザーのみの利用を推奨している。

 なお、国内大手携帯電話キャリア3社では、2015年11月に総務省から要請された内容を受け、2017年夏ごろをめどにIPv6への対応を進めることが明らかにされている。

 一方、Appleでは2015年に開催された開発者向けイベント「WWDC 2015」において、iOS 9でIPv6に対応することを発表。2016年6月には、App Store登録アプリに対し、IPv6サポートを必須としている。