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オープンソースの明朝体フォント、Googleとアドビが無償公開、7ウェイトを用意したセリフ書体「Noto Serif CJK(源ノ明朝)」
2017年4月4日 13:07
Googleとアドビシステムズ株式会社は4日、共同で制作した新たなセリフ書体を発表した。Googleは「Noto Serif CJK」、アドビは「源ノ明朝」の名称でオープンソースフォントとして無償で提供する。
Noto Serif CJKは、2014年にリリースされたゴシック体にあたるサンセリフ書体「Noto Sans CJK」のフォントファミリー。日本語では明朝体にあたる。ウェイトはExtraLight/Light/Regular/Medium/SemiBold/Bold/Blackの7つが用意されており、日本語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語に対応する。
中国語の康熙部首、日本のかな文字、韓国のハングル文字など、CJKの異体字すべてがUnicodeでカバーされており、4万3027文字がコード化され、6万5535のグリフが含まれる。Unicodeの第2面には一部のCJK文字を格納しており、日本のJIS規格や、簡体字・繁体字、韓国語の標準規格に対応する。
グリフのデザインは「Source Serif」に基づいており、GoogleとAdobeが、株式会社イワタ、Changzhou SinoType Technology、Sandoll Communications各社の協力により制作。オープンソースとしてGitHubからさまざまなフォーマットでダウンロードできるほか、Adobe Typekitからウェブ用やデスクトップと同期して利用すれば、複数の言語を即座に処理できる。
サンセリフ書体がウェブサイトやアプリのユーザーインターフェースや見出しに用いられる一方、セリフ書体はウェブページや電子書籍の本文といった長文テキストによく使われる。Unicode縦書きレイアウト標準にも準拠する。
Google国際化担当ディレクターのBob Jung氏は「すべての言語に対応する、すべてのデバイスに向けた高品質な統一されたフォントファミリーの開発は、Google Notoフォントプロジェクトの目標だ。CJK言語だけでも10億を超えるユーザーがいる重要なもので、その規模と範囲は大きく、圧倒されそうになるほど難しい仕事だった」と述べている。