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無料のグラフィックデザインツール「Canva」で、ユーザー自身がかっこいいデザインを作れるような世界へ

豪Canva COOののCliff Obrecht氏

 クラウド型グラフィックデザイン作成サービス「Canva」を運営する豪Canvaとの独占業務提携により、同サービスの日本語版をローンチした株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ(KDDIウェブ)が24日、記者発表会を開催。Canvaの国内向け提供の狙いや今後の展開について語った。

 Canvaは、プレゼンテーション用のスライドやSNS用のヘッダー画像、名刺、ポストカード、ポスター、賞状、商品ラベル、本などのデザインをウェブブラウザーまたはiOSアプリ上から行えるサービスだ。無料で使えるテンプレートやアイコン・写真などの画像素材を多数用意しており、それらを使用することで、凝ったデザインのスライドなどを簡単に作成できる(主な機能や使い方については、2017年5月24日付関連記事『無料で使えるクラウド型グラフィックデザイン作成サービス「Canva」の日本語版が登場』参照)。

Photoshopなどグラフィック専用ソフトのスキル不要、誰でも簡単にデザイン作成

 KDDIウェブは、2009年3月にブラウザー上でホームページを作成できるサービス「Jimdo」の日本語版を公開しており、現在、130万以上のウェブサイトがJimdoのユーザーによって作成されている。しかし、同サービスを展開する上で、Jimdoだけではロゴやバナーなどのデザイン作成に限界があることに気付いたという。そこで、2013年にオーストラリアでローンチされたCanvaに目をつけ、3年半をかけて日本での独占販売に漕ぎ着けたそうだ。

 Canvaは、Photoshopなどの専用ソフトを使いこなすスキルを身に付けることなく、グラフィックデザインを簡単に作成できることを特徴としている。KDDIウェブ代表取締役副社長の高畑哲平氏は、「自分(ユーザー自身)でかっこいいデザインを作れるような世界に変えていきたい」と語る。

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役副社長の高畑哲平氏

 Canvaは現在、179カ国1000万人以上のユーザーが使用しており、日本語を含む25カ国語に対応。2017年末には100言語を追加する予定だそうだ。

 なお、日本語版がリリースされる前の段階でも、東京、横浜、名古屋、大阪、京都などを中心に国内でも5万人のユーザーがいたという。今回、日本語に対応することでより多くのユーザーが増えることを期待しており、2017年度には100万ユーザーの獲得を目指す。

 豪CanvaのCOOであるCliff Obrecht氏は、日本でサービスを展開するにあたり、ただ翻訳するだけではなく、日本のユーザー向けのフォントやレイアウトを追加することで、簡単に使いやすくするための工夫を施したという。無料でも利用できるが、パワーユーザーには有償プランの「Canva for Work」を使ってもらうことでより効率的な作業を実現できるとしている。

 高畑氏は「Canvaではテンプレートから選べば思い通りのデザインを作成できるようなサービスにしたい。そのためには最適なレイアウトを作ることにかかっている」とし、日本用レイアウトを2017年度中に1万種類に増やす予定だとした。

 さらに今後は、Android版アプリの提供や、Canvaで作成したデータのプリントを印刷会社に依頼できるサービス「Print」の展開も予定。また、Canvaの使い方を学べるワークショップ「Canva cafe」を全国的に展開するとしている。

「Canva」で作成したデザインのプリントを印刷会社へ依頼する「Print」