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家庭内IoT機器を狙うサイバー攻撃の研究プロジェクト、横浜国大とBBソフトサービスが開始

 横浜国立大学とBBソフトサービス株式会社は、家庭内のIoT機器を狙うサイバーセキュリティ脅威が急増していることを受け、共同研究「横浜国立大学・BBSS IoTサイバーセキュリティ 共同研究プロジェクト」を開始する。

 すでに一般家庭には、テレビ、ゲーム機、ネットワークカメラ、DVR、電子レンジなど、ネットワーク接続に対応する各種のIoT機器が存在している。こうした機器は、PCやスマートフォンのように端末ごとにセキュリティ対策ソフトをインストールできないために、セキュリティ面に不安のある製品もある。さらにデフォルトのパスワードのまま使用されているなど、運用面での問題も取りざたされている。

 こうした機器を狙ったマルウェア「Mirai」は2016年10月、DNSサービスを提供する米DynにDDoS攻撃を仕掛け、Amazon.com、Twitter、Instagram、Netflixの各サイトなど、大規模な障害が発生している。

 共同研究では、一般の家庭を想定したコネクテッドホーム試験室に、市販されている約20カテゴリーのIoTデバイスを設置。サイバー攻撃、マルウェアの感染や活動の観測を行い、手口の高度化によって実態が見えにくくなっているIoT機器を狙った脅威の実態把握と、安全を確保するための手法や技術について研究開発を行う。

 また、家庭のIoT機器を標的とするサイバーセキュリティ脅威は、まだあまり認知されていないため、情報の発信とともに、対策の必要性についての啓発活動も行っていくという。

 横浜国立大学情報・物理セキュリティ研究拠点では、セキュリティの弱いIoT機器を狙ったMiraiをはじめとするマルウェアや、それを用いた大規模なサイバー攻撃についても早くからその観測を行い、脅威の存在や攻撃の現状について研究結果を公表している。

 一方、BBソフトサービスでは、ホームネットワーク内のIoT機器をまとめて保護する「ウイルスバスター for Home Network」や「Bitdefender BOX」といったルーター接続タイプのセキュリティ製品の販売を手掛けている。