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日本の伝統的な出版技術とデジタル技術の融合へ――講談社・小学館・KADOKAWAなど出版大手やSFCが参画し、未来の出版を研究するラボを発足

 株式会社出版デジタル機構は27日、應義塾大学SFC研究所、株式会社KADOKAWA、株式会社講談社、株式会社集英社、株式会社小学館と共同で、未来の出版に関する研究を行う「Advanced Publishing Laboratory(APL)」を発足すると発表した。活動期間は2年間の予定。

 具体的な活動内容として、電子出版の国際標準規格「EPUB」の維持管理、次世代規格の標準化に対する積極的な貢献を挙げている。標準化の対象には、デジタル技術の活用によるアクセシビリティの研究も含む。また、日本のエンターテインメント文化や精緻な日本語組版を海外に紹介する活動、海外の出版に関するデジタル技術情報を国内に紹介する活動などを行う。

 さらに、APLではこれまで培われてきた出版の知識と最新のデジタル技術に関する教育プログラムを予定。同プログラムを通じて、「専門知識や情報技術を活用して国際的な市場で活躍できる人材、未来の出版を支える人材の育成を目指す」としている。

 APL設立は、EPUBの管理運営がウェブの国際標準化団体「World Wide Web Consortium(W3C)」に統合され、W3C内に「Digital Publishing Business Group」が設けられたことをきっかけとしている。

 W3Cの東アジア担当ホストであり、W3Cの共同運営者である慶應義塾大学SFC研究所の全面協力を得ることで、日本の伝統的な出版技術とデジタル技術の融合を推し進めていく。