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AIベースのランサムウェア対策機能を新搭載、バックアップソフトウェア最新版「Acronis True Image 2018」
2017年9月20日 18:23
アクロニス・ジャパン株式会社は20日、コンシューマー向けバックアップソフトウェアの最新バージョン「Acronis True Image 2018」を発表した。サブスクリプション版のオンライン販売は即日開始し、永続ライセンスのパッケージ版(Standardのみ)は10月13日より発売する。
エディションはStandard/Advanced/Premiumの3つあり、各1/3/5台版が提供される。Standardはクラウドバックアップ非対応で、Advancedは250GB、Premiumは1TBのクラウドストレージが付属する。価格はStandardの1台版とAdvanceの1年1台版が5480円(税込)など。
新バージョンでは、ランサムウェア対策機能「Acronis Active Protection」を「2.0」にバージョンアップ。AIベースの技術を新たに搭載している。アクロニス・ジャパン株式会社シニアディレクター/マーケティングの宮田誠氏は、すでに米国で1月より提供されているAcronis Active Protectionについてこれまでは1万人のユーザーに利用され、1.5万以上の攻撃を防御している現状を紹介した。
Acronis Active Protectionの新バージョンとなる2.0では、典型的アクセスパターンを機械学習し、疑わしい活動を警告するほか、新たにプロセス監視機能も搭載した。また、保護に関する情報を表示する「セキュリティダッシュボード」も利用可能になった。宮田氏は「正規のアプリやOSからデータ収集、学習して疑わしい動作検出するモデルを構築することにより、既知のランサムのパターンだけでなく、悪意の可能性があるものをブロックできる」とした。除外対象の設定なども細かく行えるほか、Mac OSにも新たに対応している。
ランサムウェア対策のほか、2018では新たにアクティブディスクのクローン作成が可能になった。PCを使い続けたまま、終了や再起動させずに外付けドライブへ複製可能になったという。「5割以上のユーザーには、HDDからSSDなど、旧ドライブからの移行用途に使われている」とのことで、こうしたユーザーにとっては注目の機能強化点と言える。
さらに、プリインストール環境向けのWindows PEブートメディアを1クリックで作成可能になった。従来、Windows PE環境の作成では、Microsoftが提供するプログラムを別途ダウンロードする必要があったが、これを1クリックで行える。
Acronis True Image 2018では、初回時に完全バックアップを行った後、変更された部分だけを「増分バックアップ」としてバックアップするのがデフォルトの設定だ。この増分バックアップについては、変更状態を常にモニターし、データの変更が2~3割以下の少ないときには約3倍の速度に高速化される。
従来、ファイルとフォルダーをローカルに5分間隔でバックアップする「ノンストップバックアップ」と呼ばれていた機能は、「Continuous backup to Cloud」の名称に改められ、クラウドへのバックアップに対応した。「クラウドにノンストップで24時間、データに変更があった時だけバックアップしているので、システムへの負荷は実際そこまではかからない」という。
クラウドバックアップ時に用いるWANの最適化にも対応した。「データセンターへの通信がマルチスレッドになり、復元速度が最大で3倍になった」とのこと。また、低速接続時にも、TCPを最適化することで、性能が向上される。
バックアップしたデータを、Hyper-Vに対応する仮想ドライブへ変換することも可能になった。
Android/iOSの端末データを、同じネットワーク内にあるSynologyやQNAPのNASへ自動的にバックアップすることも可能になった。Acronisのデータでは、ユーザーの26%がNASを利用しているという。
このほか9月下旬には、Instagramのバックアップにも対応する。すでにFacebookのバックアップには対応しているが、オンラインダッシュボードからInstagramにアップロードした写真のバックアップが可能になるという。
アクロニス・ジャパン株式会社代表取締役の大岩憲三氏によると、米国の同社製品ユーザーの約9割は、ファイルを誤って削除したり、ウイルスやランサムウェアによりデータを喪失しているという。また、約20%が4年以内にHDD故障に見舞われているという。さらに、米国の空港では毎週1万2000台のデバイスが盗難に遭っていることを紹介。
さらに「社屋はなくなっても大丈夫だが、とあるところに保存されている部品データがなくなれば、会社は再建できない」との某自動車メーカーのユーザーの言葉を紹介。「データは企業の生死にかかわるもので、データ保護は非常に今後さらに重要になる。特に企業では死活問題」と述べた。
同社では、企業向け7製品、プロバイダー向け、クラウドビジネスパートナー向けの3製品、OEMとコンシューマーからなるデータ保護ソリューションの製品ポートフォリオを有している。このうち、15年前の創業以来、一貫して開発が続けられているのが、「True Image」となる。
大岩氏は、2013年のクラウドバックアップ対応、2014年のMac対応、2015年のAndroid/iOS対応、2016年のFacebookバックアップ対応と、これまでの機能追加を紹介。2017年2月に発表された「Acronis True Image 2017 New Generation」で初めて、ランサムウェア対策機能が搭載された。 新バージョンでは、ランサムウェア対策機能「Acronis Active Protection」を「2.0」にバージョンアップ。AIベースの技術を新たに搭載している。
大岩氏は新バージョンについて「完成度の高い製品なので派手な新機能はないが、6つのカテゴリーで機能を強化している」と述べた。新機能は240以上にも及ぶという。
以降では、記者会見で行われたデモの画面を見ながら、従来からのものを含むAcronis True Image 2018の機能を確認していこう。