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月末締め請求書払いで買える「Amazon Business」提供開始、法人向け価格・数量割引も
2017年9月20日 18:58
アマゾンジャパン合同会社(Amazon.co.jp)は20日、法人・個人事業主向け専用の通販サイト「Amazon Business」の日本におけるサービス開始を発表した。Amazon.co.jpの個人向け通販サイトでも従来より業務用の商品を拡充しており、実際にビジネス顧客も多かったというが、Amazon Businessでは決済手段として月末締めの請求書払いに対応しているのが特徴。また、価格の税別表示、承認権限などのルール設定、購買履歴・レポート機能など、企業購買に必要な機能を用意している。
Amazon Businessのアカウント登録(無料)をすることで利用できる。社名や所在地などの企業情報、アカウント管理者の連絡先などのほか、個人事業主の場合は青色申告書や開業届のコピーなど確認書類のアップロードが必要だ。登録可否の連絡後、登録されたAmazon Businessアカウントでログインすることでビジネス向け専用サイトから商品を購入できるようになる。
取り扱い商品は、2億点以上。オフィス用品としてノートPCやプリンター、ネットワーク機器、ストレージ、文具、家具などのほか、100万点超の電動工具、産業用品、安全・保護用品も取りそろえる。また、自動車関連事業者向けにタイヤや純正部品、塗料、アクセサリーなど500万点超のカー用品、飲食店向けのテーブルウェアやバー用品、清掃用品、調理器具、大学・研究機関向けに顕微鏡など数万点の科学・実験用品もラインアップする。
Amazon.co.jpで従来より掲げている「品ぞろえ」「利便性」「価格」という3つのコアバリューに加えて、ビジネス顧客の利用に最適化した「ソリューション」「サポート」という計5つのコアバリューに基づいて展開するサービスだとし、「ビジネス顧客が業種や企業規模を問わず、必要なものを効率的に、確実に購入できる」とアマゾンジャパンの星健一氏は説明する。
まず、「品ぞろえ」については、数十万社が取り扱う2億点を超える商品を用意しているが、さまざまな業態のニーズを聞きながらさらに拡充するとともに、法人限定で販売する商品も増やしていくという。
「利便性」としては、個人向けのAmazon.co.jpで対応しているクレジットカードや代金引換などに加え、日本独自の決済手段として、月末締めの請求書支払に対応した。しかも、Amazon Businessに出品している複数の販売事業者から購入した場合でも、請求書はAmazon.co.jpからに一本化されるため、請求処理業務が効率化できるという。このほか、社内で事前承認を受ける際に必要となる見積書をPDFでダウンロードできる機能も、日本の独自機能として追加したという。
このほか、期間限定の配送特典として、「お急ぎ便」「日時指定便」を購入金額にかかわらず無料で利用可能とした。「プライム」マークの付いた商品が翌日までに届くとしている。なお、現時点では期間限定としているが、終了日は未定。また、特典期間終了後の配送料金体系についても未定だ。
「価格」については、低価格であることに加え、一部の商品では、Amazon Business向けの法人価格での販売や、同一商品を複数購入する際に数量に応じて提供される数量割引での販売も行う。同一商品ページ上で複数販売事業者の価格も比較できるようにし、これまで複数サプライヤーから見積書とって価格を比較していた作業が不要になるほか、購買コスト削減も図れるとしている。
なお、個人向けのAmazon.co.jpでは価格の税込表示が標準だが、Amazon Businessでは、商品ページ、購入ページ、請求書、領収書の税別表示にも対応する。
「ソリューション」としては、承認ルール設定、購買分析・レポートなどがある。Amazon Businessアカウントでは、複数グループ(部門)を設定し、その下に複数ユーザー(従業員)を登録できるようになっており、承認権限や、承認が必要となる金額のルールを設定可能だ。購買・分析レポートでは、部門ごと、商品タイプごとなどでのレポート作成が可能。顧客の用途に合わせたカスタマイズも行える。「SAP Ariba」、ソフトバンクコマース&サービス株式会社の「パーチェスワン購買クラウドサービス」など、購買システムとの連携も可能だ。
「サポート」としては、Amazon Businessの顧客の専任スタッフによるサポートサービスを提供。電話、チャット、メールにより、9時から18時まで年中無休で受け付ける。販売事業者が販売する商品についても、一次対応を同サポートで受け付ける。
Amazon Businessのサービス開始により、Amazonマーケットプレイスに出品している販売事業者にとっても、B2B販売機会の拡大が見込めるという。従来のAmazon.co.jpと同様に簡単に出品・販売できるほか、Amazon Businessでは、法人価格、数量割引、法人限定出品などの機能も利用できる。星氏は、Amazon.co.jpの個人向けサービスで培ってきた短納期・小口配送のノウハウをB2Bサービスにも展開することで、商品の中間在庫削減にも貢献するとした。
Amazon Businessは2015年4月に米国、2016年12月にドイツ、2017年4月に英国でそれぞれサービス開始。日本では今回の正式サービス開始に先立ち、今年3月よりテスト運用を開始しており、すでに数千社が利用しているという。