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「地籍調査」がなかなか進まない!? 各地の自治体ではどう取り組んでいるのか?
G空間EXPOで「ミチセキアワード」表彰。仮想空間に作られた河川の“流域テストベッド”展示なども
2026年2月18日 06:55

地理空間情報(G空間情報)をテーマにしたイベント「G空間EXPO2026」が1月28日~30日に東京ビッグサイトにて開催された。地理空間情報を高度に活用される社会の実現に向け、産学官が連携して開催されるイベントで、地理空間情報に関連したさまざまな企業に加えて、国土交通省や国土地理院、経済産業省、内閣府など行政機関や公的機関が数多く出展。また、地理空間情報を活用した取り組みやアイデア、サービスなどを募集する「Geoアクティビティコンテスト」の応募作品を紹介するブースも設けられており、プレゼンテーションも行われる。展示会場の中で注目された取り組みや製品、サービスを紹介する。
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今年も高校生・大学生による受賞が多数~「Geoアクティビティコンテスト」
Geoアクティビティコンテストは、地理空間情報社会を担う人材の育成や地理空間情報の活用の推進を目的としたコンテストで、高校生や大学生による応募も多い。
今年の最優秀賞は、宮崎県立佐土原高等学校の情報技術科・産業デザイン科がJR九州の支社から依頼を受けて開発した、日南線の運行情報アプリ「JRにちナビ」。JR九州のFirebaseから運行状況を取得し、地理院地図上に列車の現在位置や遅延情報などを表示する。

優秀賞は、特別支援学校に通う子供たちの居住地やスクールバスの運行経路などを地図上に可視化するシステム「ミエルカ」。静岡県立浜北特別支援学校および一般社団法人GIS支援センターが開発した。ハザードマップと統合することにより危険箇所の把握や安否確認、避難対応の迅速化を図るとともに、防災教育への活用も推進している。

地域貢献賞は、福井県立大学ジオアーカイ部による「学生による福井空襲デジタルアーカイブ」。福井県立大学の学生が福井空襲の体験者への聞き取りや福井空襲史のデジタル化を行い、誰もがアクセスできるWeb-GISとして可視化・公開した。地図上で福井空襲の被害者の数を確認することが可能で、どのエリアで被害が大きかったのかを読み取ることができる。

奨励賞は、宮崎県立門川高等学校 地域防災班による「防災カードゲーム『私が来たからもう大丈夫!2』」が受賞した。同作品は昨年のGeoアクティビティコンテストで来場者賞に選ばれたもの。「お腹をすかせた子供」「熱中症になりそうな人」など災害時に起こることが予想されるさまざまな問題に対して、アイテムや人的資源のカードを使って課題解決を目指すゲームで、今年は「高齢者施設編」や「地震津波編」などの新要素を追加した。同ゲームは現在クラウドファンディングで商品化し、近隣の小学校へ配布しているという。

来場者からの投票によって決められる来場者賞には、玉川大学教育学部濵田英毅ゼミおよび工学部デザインサイエンス学科メーカーズフロアによる「歴史教育と地理教育を融合させるカラー3D立体地形教材を開発するためのオープンイノベーション基盤の構築」。これはカラー造形可能な3Dプリンターを使って作成する3D立体地形のデータを公開するとともに、技術情報の解説記事や動画などを制作する取り組み。地理×歴史の問題発見に役立つ教材の普及を加速させることを目的としている。展示ブースでは3D立体地形のサンプルの販売なども行われた。

以上のように、今年のGeoアクティビティコンテストの受賞作品は昨年に引き続き高校生や大学生によるものが多く、それ以外の作品についても教育関連の作品が受賞したかたちとなった。




